「手持ちの土地があるのだが、どう活用したらいいんだろう・・・?」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
土地活用は一度始めてしまうと、後戻りするのは容易ではありません。
「こんな土地活用の方法があったのか?」
「始める前に知っていたらよかったのに・・・」
そんなふうに後悔したくありませんよね。
土地活用といえば、アパマン経営や駐車場が一般的ですが、じつは他にもたくさんの活用方法があるんです。
そこで今回は、土地の有効活用の手法を15種類紹介します。
それぞれの特徴とともにメリットやデメリット、リスクなども紹介しますので、土地の有効活用を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
土地の有効活用の手法
まず、土地の有効活用の手法はこのように大きく6つに分類されます。
- 賃貸住宅を建てて貸す
- ビジネス・商業施設を建てる
- 更地のまま活用する
- 経営を委ねる
- 自分で使う
- 売却して現金化する
さらに、上記6分類における具体的な土地活用の種類には、このようなものがあります。
土地活用の分類 | 具体的な土地活用の種類 |
---|---|
賃貸住宅を建てて貸す | アパート経営 マンション経営 戸建賃貸 賃貸併用住宅 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) |
ビジネス・商業施設を建てる | コンビニ オフィスビル・商業ビル |
更地のまま活用する | 駐車場 太陽光発電 トランクルーム |
経営を委ねる | 定期借地 土地信託 等価交換 |
自分で使う | 自宅・セカンドハウス・別荘 |
売却して現金化する | 売却 |
土地活用とひとくちに言っても、非常にバラエティーに富んでいることが分かりますね。立地条件や活用目的、ご自身の経済事情など、さまざまな前提条件によって最適な土地活用は異なります。
では、これより各土地活用の特徴やメリット・デメリットなどを解説します。
賃貸住宅を建てて貸す
土地に建物を建てて、賃料収入を得る土地活用法です。
収益性が高く節税効果が大きいので、相続対策のために行う人は少なくありません。
まとまった建築費が必要なので、自己資金が足りない場合、借入に頼ることになるでしょう。初期投資に見合うリターンが見込めるなら、検討すべき土地活用法です。
「賃貸住宅を建てて貸す」土地活用には、具体的にこのようなものがあります。
- アパート経営
- マンション経営
- 戸建賃貸
- 賃貸併用住宅
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
それぞれについて、以下に詳しく解説します。
アパート経営
利便性の高い立地なら検討するべき
「土地活用」と聞いて、真っ先に「アパート経営」を思い浮かべる人は多いでしょう。
もし、お持ちの土地が最寄り駅から10分以内で、スーパーなどの生活関連施設が充実した利便性の高い立地なら、ぜひ検討するべきです。
100坪(約330㎡)以上が理想的な広さ
土地の広さは、建ぺい率や容積率にも左右されますが、30坪(約100㎡)ほどの狭小地でも建築できないことはありません。
ただ理想的には、100坪(約330㎡)以上あることが望ましいでしょう。
節税効果抜群!
大きな節税効果を期待してアパート経営を始める方は少なくありません。
アパートの建てられた土地は、貸家建付地の評価になり約20%減額されることから、相続税の軽減効果があります。
アパート経営が相続税の節税につながる理由と注意点に関しては、下記記事に詳しいです。
さらに、小規模住宅用地等の特例により評価額が大きく軽減されることで、固定資産税や都市計画税も圧縮できます。
高利回りだが耐久性・劣化の早さに難あり
アパートは木造やプレハブ造、軽量鉄骨造で建てられることが多く、坪単価の相場は40万~60万円といったところです。
鉄筋コンクリート(RC)で建てられるマンションよりアパートのほうが建築費が抑えられる分、利回りが高く投資回収も早いといったメリットがあります。
いっぽうデメリットとしては、安全性や防音性能、耐久性が低く、建物の劣化も早いといった点が挙げられるでしょう。
アパート経営を始める際に、必要な資金とどれぐらいの自己資金を用意するべきかについては、下記記事で解説しています。
転用性は低い
アパートは一度建ててしまうと、うまくいかなかったからといって気軽に他の用途に転用するわけにはいきません。今後の人口減少と空室率の上昇といったトレンドを踏まえて、より慎重に事業プランを検討することが望まれます。
- 相続税、固定資産税、都市計画税の節税効果がある。
- 他の所得と損益通算できるので、所得税を軽減できる。
- マンションや戸建よりも一戸あたり建築費が安い。
- マンションより利回りが高く、投資回収が早い。
- 軌道に乗れば、長期間にわたり継続的な収益源になる。
- 複数の部屋数で空室リスクを分散できる。
- 初期投資として多額の建築費が必要。
- 借入する場合、長期間にわたりローンの返済をしなければならない。
- 管理費や修繕費などのランニングコストが継続的にかかる。
- 他の用途にかんたんに転用できない。
- マンションより入居者のモラルが低く、住民トラブルが発生しやすい。
- 外国人入居者との生活習慣の違いによるトラブルも多い。
- マンションより防音性能が低いため、近隣トラブルが発生しやすい。
- マンションより耐火性能が低いぶん、火災保険料が高くなりがち。
- 借地借家法に守られた入居者を一方的に退去させることは難しい。
- 入居期間が短く、入退去が頻繁に起こりやすい。
- マンションより建物の劣化が早い。
- 人気の高い土地活用なので、市場競争が激化している。
- 人口減少により、賃貸物件は今後さらに供給過剰の傾向に。
- 地価下落や建物の老朽化により売却損の可能性もある。
- 空室、家賃滞納、賃料下落、金利上昇等のリスクがある。
下記記事では、土地活用としてのアパート・マンション経営のメリットとデメリットを、さらに詳しく解説しています。
マンション経営
利便性の高さと100坪(約330㎡)以上が条件、節税効果あり
アパートよりハードルが高いものの、マンション経営も代表的な土地活用のひとつです。
アパート同様、最寄り駅から10分以内で生活関連施設が充実した利便性の高い立地が向いています。土地の広さは100坪(約330㎡)以上あることが理想的。
相続税や固定資産税、都市計画税などの節税効果があります。
建築コストは高いが、資産価値も高い
なお、アパートとマンションの定義に明確な違いはありません。
一般的には、木造や軽量鉄骨造による低層の複合住宅のことをアパート、鉄筋コンクリート(RC)で建てられた中高層の複合住宅をマンションと呼びます。
鉄筋コンクリート造のためアパートより建築コストは高く、建築会社によって異なりますが、坪単価の相場は60~80万円ほど。なかには坪単価100万円に達するケースもあります。
建築コストが高いぶん利回りが低く、投資回収まで時間がかかりますが、建物の耐久性、耐震性、耐熱性に優れ、耐用年数が長く、資産価値も高く評価されます。
レバレッジ効果大きく、ハイリスクハイリターン
なんといっても、マンションは戸数を最大化できるので、土地を効率よく活用したいなら真っ先に検討するべきでしょう。
少ない自己資金に融資を加えることで大きな投資効果を得られることから、マンション経営はアパート経営や戸建賃貸よりもレバレッジ効果が大きく、ハイリスクハイリターンの土地活用といえます。
- 相続税、固定資産税、都市計画税の節税効果がある。
- 他の所得と損益通算できるので、所得税を軽減できる。
- 軌道に乗れば、長期間にわたり継続的な収益源になる。
- アパートより高層建築が可能なので部屋数を増やせる。
- 少ない資金で大きく運用できるので、投資効率が高い。
- 複数の部屋数で空室リスクを分散できる。
- アパートよりも耐久性、耐震性、耐熱性に優れ、劣化しにくい。
- 坪当たりの家賃はアパートより高く設定できる。
- アパートより資産価値が高く値崩れしにくい。
- アパートより入居者のモラルは高い。
- オフィスビルほど景気に左右されない。
- アパートより建築費がかかり、多額の借入金が必要になる。
- アパートより利回りが低く、投資回収まで時間がかかる。
- 借入する場合、長期間にわたりローンの返済をしなければならない。
- 管理費や修繕費などのランニングコストはアパートより高額になる。
- 他の用途にかんたんに転用できない。
- 借地借家法に守られた入居者を一方的に退去させることは難しい。
- 部屋数が多いので、リフォームや建て替え、売却の際の調整が難しい。
- 人口減少により、賃貸物件は今後さらに供給過剰の傾向に。
- 地価下落や建物の老朽化により売却損の可能性もある。
- 空室、家賃滞納、賃料下落、金利上昇等のリスクがある。
下記記事では、土地活用としてのアパート・マンション経営のメリットとデメリットを、さらに詳しく解説しています。
戸建賃貸
建築費低く、20坪でも可
建築費を低く抑えたいなら、戸建賃貸がおすすめです。
一戸建てなので、20坪ほどの狭小地や変形地でも開発が可能。
「立地が不利」「敷地が狭すぎる」「大きな資金を用意できない」といった理由でアパマン経営を思いとどまっている方は、戸建賃貸を検討してはいかがでしょうか。
入居ニーズ高く、安定収入が見込める
「アパートやマンションより戸建に住みたい!」という需要は大きいにもかかわらず、戸建賃貸の供給は圧倒的に不足しています。ターゲットユーザーはファミリー層なので、駅から離れているなど、多少アクセスが悪くても入居ニーズがあります。
そのため、やや高めの家賃でも入居希望者を見つけるのは難しくありません。
入居期間も長く、安定した家賃収入が見込めるといったメリットもあります。
建築費の坪単価は高め
なお、アパートでは複数戸で共有する付帯設備を、戸建でもひと通り揃える必要があります。付帯設備の費用比率が高くなるため、建築費の坪単価が高くなることは避けられません。
それでも、アパートやマンションと比べれば、戸建のほうがトータルの建築費用は安いでしょう。
節税効果があり、複数戸建築するなら遺産分割しやすい
もちろん、アパートやマンション同様、相続税や固定資産税、都市計画税などの節税効果があります。土地に余裕があるなら、複数の戸建賃貸物件を建築することで、相続時に遺産分割しやすくなるといったメリットも見逃せません。
ローリスクローリターン
戸建賃貸は、一戸のみの賃貸なので収益性は低いですが、初期投資が少なくてすむ分、賃貸経営のなかでもローリスク・ローリターンな土地活用といえるでしょう。
- 相続税、固定資産税、都市計画税の節税効果がある。
- 戸建の需要に対して供給が不足している。
- 立地が多少悪くても、ファミリー層のニーズがある。
- 入居がすぐに決まる傾向がある。
- ファミリー層は入居期間が長い。
- 入居者のモラルが高く、トラブルが少ない。
- 一戸ずつ独立しているので流動性が高い。
- 中古住宅として売却することが比較的容易。
- 複数棟建築した場合、相続時に遺産分割しやすい。
- アパートより建築費が安い。
- アパートより高い家賃設定が可能。
- 建築費が安く家賃が高いので、利回りが高く回収も早い。
- アパートやマンションのような共用部分の維持費が不要。
- アパマン経営ほど専門知識を必要としない。
- 狭小地や変形地でも柔軟に対応可能。
- 建築時に近隣住民からのクレームが起きにくい。
- リスク分散ができず、空室だと家賃収入が0になってしまう。
- 1~3月以外の時期に退去されると、空室期間が長期化しやすい。
- 購入した場合の月々の返済額より高い家賃は設定しにくい。
- 戸建ならではのご近所づきあいでトラブルが発生することも。
- 庭の手入れ等、物件の管理に手間とコストがかかる。
- アパートより付帯設備等の比率が高く、建築費の坪単価が割高に。
- 敷地が広く設備比率が高いぶん、原状回復費用が大きくなる。
下記記事では、土地活用としての戸建賃貸経営のメリットとデメリットを、さらに詳しく解説しています。
賃貸併用住宅
柔軟に利用方法を変えられる
マイホームを購入しつつ家賃収入を得たいなら、賃貸併用住宅という選択肢もあります。
賃貸併用住宅なら、お子さんが将来結婚したときに二世帯住宅にするなど、ライフスタイルの変化に応じて柔軟に住まいを変えられるでしょう。賃貸部分から得られる家賃収入をローン返済に充当したり、いずれは老後資金としても活用できます。
メリットの大きい住宅ローンの活用
賃貸併用住宅を建てる際は、自宅部分の床面積の割合に要注意。
住宅ローンを受けるには、一般的な金融機関の場合、自宅部分の床面積が51%以上であることが条件になるからです。
アパートローンに比べると、住宅ローンは圧倒的に融資条件が有利です。
アパートローンより低金利で固定金利を選べるだけでなく、返済期間もアパートローンが約25年に対し、住宅ローンでは約35年と長期間に設定可能。
住宅ローンなら、団体信用生命保険(団信)に加入できるので、契約者に万一のことがあってもローン残債(最大1億円)は保険会社が払ってくれます。
節税効果もあり
年末時点のローン残高に対して1%が還付される「住宅ローン減税」(最大年間40万円まで、最長10年間)を利用できるのも大きいでしょう。
賃貸部分の土地は貸家建付地の評価額になりますので、相続税を節税できる点も見逃せません。
利回りは低い
ただし、賃貸併用住宅は自宅部分があるため、アパートやマンションのような一棟すべて賃貸に回せる収益物件に比べると利回りは低くなります。
借り主との人間関係に悩まされることも
同じ建物内に入居者が生活しているため、生活音やプライバシーに関するトラブルに悩まされるかもしれません。借り主との人間関係によるストレスが起きやすいのは、賃貸併用住宅ならではの悩みといえるでしょう。
- 建物の半分以上が住居なら融資条件の有利な住宅ローンが組める。
- 住宅ローンでは住宅ローン控除や減税を受けられる可能性がある。
- 将来の二世帯住宅など、家族構成の変化に柔軟に対応できる。
- 賃貸部分の土地は貸家建付地の評価額になり相続税を圧縮できる。
- 通常のマイホーム購入より返済不能リスクが低い。
- 入居者との騒音トラブルが発生しやすい。
- 入居者との人間関係やプライバシーにまつわるトラブル発生のリスク。
- 管理会社が対応するべきことを入居者から直接言われることも。
- オーナーの近くに住むことに対する入居希望者の抵抗感。
- 自宅部分からは家賃収入が発生しないので利回りが低い。
- マイホームを建てるという感覚では賃貸経営はうまくいかない。
- 賃貸戸数が少ないので空室リスクが分散しにくい。
- マイホームが含まれるので様々な事情から売却しにくい。
下記記事では、土地活用としての賃貸併用住宅のメリットとデメリットを、さらに詳しく解説しています。最大のメリットである住宅ローンの活用に関しては、いくつか注意点もありますので、ぜひご確認ください。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
入居ニーズが高く地域社会に貢献できる
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」に定義された制度で、高齢者のための賃貸住宅のことを指します。
地域社会への貢献度が高く、今後ますます高齢化が進むことから入居ニーズが高まっていくことは間違いありません。
補助金や税制の優遇がある
サ高住を登録するにあたっては、安否確認と生活相談サービスを最低限のサービスとして提供し、一定の面積や設備、バリアフリーに配慮する必要があります。
自治体によって建設を制限しているところもあり、どこにでも建てられるとは限りませんが、サ高住に登録されると、補助金や税制の優遇(適用期限:平成31年3月31日まで)が受けられます。
広さ200坪以上で建築費は高額
立地的には駅から遠くてもあまり問題ありませんが、サービス施設を併せ持つため、収益効率を上げるためにも15戸~20戸程度の規模が必要になるでしょう。
敷地面積は200坪以上あることが望ましく、建設費は「億」を超えると考えてください。個人の事業としてはハードルが高い事業です。
利回り低い
サービス事業者に一括借上げ(サブリース)してもらうか土地を事業用地として貸して、運営そのものはお任せするケースがほとんどです。
自ら運営するアパートやマンションより、利回りは低くなるでしょう。
中途解約リスクに要注意!
サ高住を検討するにあたっては、サービス事業者の質によって経営の成否が大きく左右される点と、事業者の中途解約リスクが大きいことに要注意です。
- 高齢化社会の進展による入居ニーズの高まり。
- 立地の影響を受けにくい。
- 一定基準を満たして登録すると補助金や税制優遇を受けられる。
- 地域社会に貢献できる。
- サービス施設や共用部分の比率が高く、ある程度広い土地が必要。
- サービス施設にお金がかかり、坪単価は高くなる。
- 敷地の収益効率は低く、利回りはアパートやマンションに劣る。
- 高額な初期投資(建築費)が必要になる。
- サービス事業者の質によって経営が大きく左右される。
- サービス事業者が中途解約するリスクがある。
- 介護保険の負担増を避けるため、開発規制をかけている自治体も。
- 国の制度改正などにより補助金が増減するおそれがある。
- 高齢入居者が入院したり亡くなったりすることによる退去。
- 建物が特殊なので転用性が極めて低い。
下記記事では、土地活用としてのサ高住のメリットとデメリットを、さらに詳しく解説しています。
ビジネス・商業施設を建てる
駅から遠く住宅としての活用は難しくても、ビジネス・商業施設に向いている土地は少なくありません。
景気動向に左右されやすく、住居系賃貸ほどの節税効果はありませんが、成功すれば大きな収益が得られる可能性があります。
おおむね、ハイリスクハイリターンの土地活用といえるでしょう。
「ビジネス・商業施設を建てる」土地活用には、具体的にこのようなものがあります。
- コンビニ
- オフィスビル・商業ビル
それぞれについて、以下に詳しく解説します。
コンビニ
地域社会に貢献でき、収益性は高い
全国に5万軒以上あるコンビニは、食料品や生活必需品の販売のみならず公共料金の支払いや銀行ATMなど、さまざまサービスを提供しており、地域の利便性向上に大きく貢献しています。
土地活用として考えると、コンビニの収益性は高く、賃貸住宅の1.5倍以上の賃料収入が得られることも珍しくありません。
敷地面積は120坪、間口は20m以上
駅から遠かったり交通量の多い幹線道路沿いなど、住宅としては不向きな場所でも、コンビニならビジネスが成り立つ可能性があります。
各種法規制をクリアしている必要はありますが、敷地面積は120坪、間口は20m以上あれば、出店を検討してもよいでしょう。
初期投資がほとんど不要
出店方式には、建設費をコンビニ業者から貸してもらってオーナー自ら建設する「リースバック方式」と、建物はコンビニ業者に建ててもらい、土地を貸すだけの「事業用定期借地方式」の二種類があります。
リースバック方式では、コンビニ業者から「建設協力金」を金利無しで借りられるケースが多く、金融機関から借入する必要がありません。
したがって、リースバック方式と事業用定期借地方式のいずれも、初期投資がほとんど必要なく、自己資金0円から始められるわけです。
節税効果は低い
デメリットとしては、節税効果の低さが挙げられます。
所得税や相続税の節税対策にはなりますが、住居系賃貸のように固定資産税評価の軽減は受けられません。
中途解約リスクに要注意!
さらに、コンビニ経営で注意するべき点は中途解約リスクがあることです。
景気の影響を受けやすく、近隣に別のコンビニ店舗が出店して業績不振に陥ると、すぐ撤退してしまうことも少なくありません。
事業の安定性としては、住居系の土地活用より低いといえるでしょう。
中途解約リスクを軽減するためには、契約時に「解約時には建設協力金の残債を違約金として放棄する」というペナルティー条項を入れておく必要があります。
- 駅から遠い郊外でもビジネスが成り立つ可能性がある。
- 初期投資が少なくても始められる。
- 金利ゼロの建設協力金方式では金利リスクがなくなる。
- 住居より賃料収入が多く、収益性が高い。
- 契約期間が長い(10~20年が一般的)
- 相続税や所得税の軽減対策が可能。
- 周辺住人の利便性向上に貢献できる。
- コンビニ店舗は比較的後継テナントが見つけやすい。
- 敷地面積(120坪以上)や土地の形状などの出店条件がある。
- 各種法規制や商圏内需要などの条件を満たさなければ出店できない。
- 同業他社との競合が激しく、景気の影響を受けやすい。
- 売上によって契約条件の変更を迫られることがある。
- 業績不振ですぐ撤退することも珍しくない。
- 中途解約のリスクがあり、安定性は住居より低い。
- 住宅系の土地活用より節税効果が低い。
コンビニ経営を始めるにあたっては、まず土地の広さや立地などコンビニに適した土地かどうか、よく見極めてください。その上で、土地活用としてのメリットとデメリットを把握し、中途解約リスクへの対策を講じる必要があります。
詳しくは下記記事をご確認ください。
オフィスビル・商業ビル
利回りが高く高収益
オフィスビルや商業ビルは、住居系賃貸より家賃を高く設定できるので高収益が期待できます。
地域にもよりますが、床面積あたりの賃料相場はアパートやマンションの1.5~2倍ぐらい。賃料収入が多いぶん利回りが高く、初期投資を短期間で回収できるでしょう。
アパマン経営ほどの節税効果はない
アパートやマンションに向かない土地でも、オフィスビルや商業ビルは建築基準法の要件が比較的ゆるいので建築できる可能性があります。
ただし、オフィスビル用地では固定資産税や都市計画税の軽減措置は受けられません。アパマン経営ほどの高い節税効果はありませんが、「貸家建付地」なので、更地にしておくよりも2割ほど相続税評価額は下がります。
家賃滞納など、入居者のトラブルリスクは低い
オフィスビルや商業ビルでは法人が入居者になることが多いので、アパートやマンションほど家賃滞納や騒音等のトラブルリスクが少ないのは、運営上のメリットといえるでしょう。
融資条件が厳しくハイリスクハイリターン
いっぽう、建築資金を借りる際には、住居系賃貸より融資条件は厳しく審査には時間がかかります。
景気や社会情勢に収益が左右されやすく、周辺のビル開発の影響を受けやすいのがオフィスビル経営です。
賃料の変動率も大きく、一つのテナントが広いスペースを賃貸していることもあるので、退去したときの空室リスクの高さはアパートやマンションの比ではありません。
土地活用のなかでもハイリスクハイリターンなのが、オフィスビル・商業ビル経営といえます。
- アパマン経営に向かない土地でも事業展開が可能。
- アパマン賃貸より高めの賃料設定が可能で収益性が高い。
- 住居系より利回りが高く、投資回収が早い。
- 家賃の滞納や騒音などのトラブルが起きにくい。
- 保証金(敷金)を高めに設定できる。
- 相続税・所得税の節税効果がある。
- 金融機関の融資審査が厳しい。
- 周辺のビル開発の影響を受ける場合がある。
- 住居系賃貸より空室リスクが高い。
- 景気動向の影響を受けやすい。
- 住居系より賃料の変動率が大きい。
- テナント募集に独自のノウハウが必要。
- 固定資産税や都市計画税の節税効果はない。
- 建物の維持管理に多大な費用がかかる。
更地のまま活用する
土地を活用するからといって、必ずしも建物を建てる必要はありません。
建物を建てる土地活用は、どうしても初期投資が大きくなってしまいますが、「そんなにリスクは取りたくない」こともありますよね。
更地のまま活用すれば、初期投資もさほどかかりませんので大きな借入も必要ありません。事業がうまくいかなくても、建物がないのですぐ他の用途に転用できます。
「建物を建てる土地活用」に比べると収益性や節税効果は劣りますが、より安全性を求めるなら「更地のまま活用」する方がよいでしょう。
「更地のまま活用する」土地活用には、具体的にこのようなものがあります。
- 駐車場
- 太陽光発電
- トランクルーム
それぞれについて、以下に詳しく解説します。
駐車場
初期投資が抑えられ低リスク
もっとも手軽に始められる土地活用のひとつが、駐車場経営でしょう。
少ない資金でも可能で、失敗してもダメージはさほど大きくなく低リスク。
使える予算に応じて、砂利敷からアスファルト、立体駐車場、タワーパーキングなど、投資規模を柔軟に選択できます。
利便性の高い立地でなくても可
平面式駐車場なら、用途地域制限などの規制も受けません。
狭小地や変形地でも駐車場経営はできますが、道路との設置幅が大きく、高低差が少ない土地が理想的といえるでしょう。
駐車場の運営形態には、月極駐車場とコインパーキングの二種類があり、それぞれに適した立地条件があります。
月極駐車場は住宅街や総戸数に対して駐車場が足りていない大型マンションの近くなどが・・・、コインパーキングは近隣に繁華街や大型商業施設のあるところが向いています。
いずれも、アパートやマンションのように、必ずしも駅チカの利便性の高い場所である必要はありません。
相続時に換金しやすい
駐車場経営は、「大きく収益をあげなくてもよいが、売却や相続にそなえて一時的に活用しておきたい」といった場合にも向いています。相続が発生して現金が必要になったとき、かんたんに更地に戻せる駐車場は換金しゃすいからです。
節税対策には不向き
ただ、駐車場は節税対策には向いていません。
更地評価と同じなので、固定資産税や都市計画税の軽減は受けられません。
古い家を取り壊して駐車場にした場合は、むしろ固定資産税が増えてしまうこともあるので要注意です。
建物を建築した場合の減価償却もありませんので、所得税の節税も難しいでしょう。
- 少ない初期投資で始められるので資金回収が早い
- 駅から遠くてもニーズがある。
- 土地の形状や大きさに左右されにくい。
- 事業開始までの期間が短い。
- 借地借家法の対象外なので事前通告のみで利用者の立ち退きが可能。
- 更地に戻すのが簡単で他の用途に転用しやすい。
- 事業停止や売却をしやすいので、短期間の運用にも向いている。
- 相続発生時に売却や分割がしやすい。
- 管理が容易でランニングコストも比較的少ない。
- 老朽化や災害のリスクが小さい。
- 税制上の優遇措置が少ない。
- 土地面積あたりの収益性は低い。
- 車離れによる需要の低下。
- 駐車場内での事故やトラブルのリスク
- 家賃滞納リスク
- 立体駐車場では設備の維持や更地復帰に高いコストがかかることも。
下記記事では、土地活用としての駐車場経営のメリットとデメリットを、さらに詳しく解説しています。
太陽光発電
田舎に向いている
賃貸経営に向いていない田舎の土地なら、太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。
太陽光発電がほかの土地活用と決定的に違うのは、「利用者がいなくても収益が見込める」ことです。利便性は太陽光発電に必要ありません。日照をさえぎる高い建物が少ないぶん、むしろ田舎のほうが向いているともいえます。
人口が減少傾向にある田舎で、土地活用を成功させるのは容易ではありません。可能性のある土地活用は限られますが、下記記事では、田舎でも検討の価値のある土地活用をいくつか紹介しています。
固定価格での買取保証
太陽光発電による売電は、国が固定価格での買い取りを保証しており、約10年で初期投資(太陽光発電設備)を回収(利回り10%)できるように設定されています。
この固定価格は年々下がっていますが、技術革新による太陽光発電設備の価格下落に合わせたものなので、利回りが下がっているわけではありません。
低リスクで安定性が高い
固定価格での買取は20年間保証されているので、10年で初期投資が回収でき、その後10年は売上のほとんどが純利益になります。
さらに、太陽光発電設備には10年以上のメーカー保証がついているケースが多く、故障しても修理は無償です。メンテナンスの手間やランニングコストはほとんどかかりません。
元を取るのに10年間、収益確保を考えると20年間は転用できませんが、低リスクで安定性の高い土地活用といえるでしょう。
節税効果は期待できない
ただし、太陽光発電を設置しても更地評価なので、固定資産税や相続税の節税効果はありません。
なお、自治体によっては補助金制度を利用できることもあります。
初期導入費用を抑えることができるので、設置前には必ず確認しておきましょう。
- 利便性の低い土地や田舎の土地を活用できる。
- 市街化調整区域でも設置可能。
- 電気は20年間固定価格で買い取ってもらえるので低リスク
- 利回りが高く、10年で初期投資が回収できる。
- メンテナンスの手間やランニングコストがほとんどかからない。
- 導入の際に自治体の補助金制度を活用できることがある。
- 太陽光発電設置の初期費用が高い。
- 最低でも投資回収までの10年間は転用できない。
- 地盤強化に費用がかかるケースもある。
- 電柱のない場所では、自費で電柱と電線の敷設が必要。
- 固定買い取り終了後の20年後以降どうなるかが不透明。
- 天候に発電量が左右され安定しない。
- 建物や樹木によって太陽光が遮られる可能性。
- 光の反射による近隣住民からのクレームやトラブル発生リスク。
- 固定資産税や相続税の節税効果がない。
参考【無料】産業用太陽光発電の一括見積り > グリーンエネルギーナビ
下記記事では、土地活用としての太陽光発電のメリットとデメリットを、さらに詳しく解説しています。
トランクルーム
市場規模が拡大中
トランクルームは、使わない家具や家電、書籍類、季節限定のアウトドア・レジャー用品や洋服など、家に入りきらない荷物を保管できるサービスです。
年々、認知度の上昇とともに市場規模も拡大し続けており、利用者の潜在的ニーズは小さくありません。
室内型と屋外型の二通り
トランクルーム経営には室内型と屋外型の二通りがあります。
屋内型はビル内のスペースをパーテイションなどで区切って、それぞれを利用者に貸します。すでにビルを所有している場合は別として、トランクルーム経営のために一から建物を作るのは初期投資がかかり過ぎるので現実的ではありません。
個人の土地活用としては、屋外にコンテナを設置するスタイルのほうが一般的といえるでしょう。
広さ50坪以上、用途地域の制限あり
立地的には、周辺に住宅があれば駅から遠くても需要は見込めます。
ただし、市街化調整区域および第一種低層住居専用地域、第二種住居専用地域、第一種風高層住居専用地域では屋外型コンテナの設置はできません。
50坪以上の広さがあれば、アパマン経営には向かないような変形地でもOK。
居住用ではないので水道設備は不要です。
ランニングコストが低く手間いらず
老朽化や多少の傷なども運営上の問題になりにくいので、アパートやマンションほど維持管理の手間やランニングコストがかかりません。一度契約すると長期間継続的に利用するケースが多く、安定性の高い事業といえます。
ただし、土地は更地評価ですので、固定資産税や相続税の節税効果はありません。
初期投資の低さと利回りの高さが魅力
トランクルームには居住用賃貸ほどの収益性はありませんが、初期投資が大きくないぶん利回りが高いのが特徴です。投資の回収期間が短くてすむので、早めに元を取りたい人にオススメです。
- 需要が高く市場が成長中である。
- 立地条件の悪い場所でも運営可能。
- 初期費用がほとんどかからない。
- ガス、水道等の生活インフラの整備が不要。
- 利回りが高く、回収期間が短い。
- メンテナンスの手間やコストが少ない。
- 解約が発生しにくく継続性が高い。
- 老朽化の影響が少ない。
- 借地借家法の適用対象外なので立ち退きが容易。
- 更地に戻しやすく転用性が高い。
- 今後も需要が伸び続けるかは不透明。
- 集客が難しく、満室になるまでに時間がかかる。
- 一室あたりの賃料が低く、管理が煩雑。
- 更地と同じ評価なので税制優遇がない。
- 景観の観点から近隣住民からクレームが来るリスク。
- 治安悪化の温床になるリスク。
- ゴミの不法投棄のリスク。
- 滞納発生リスク
下記記事では、大手トランクルーム業者が提案する土地活用プランについて詳しく説明しています。
経営を委ねる
自分で資金調達し、建物を建てて運用することだけが土地活用ではありません。
土地を提供して(貸して)、取引相手に経営の一切を委ねてしまうという方法もあります。
資金も手間もほとんどかからず、極めてリスクの低い土地活用ですが、そのぶん自分で経営したときほどの収益性は期待できません。
「経営を委ねる」土地活用の特徴はローリスクローリターンですが、具体的にはこのようなものがあります。
- 定期借地
- 土地信託
- 等価交換
それぞれについて、以下に詳しく解説します。
定期借地
土地を貸して地代収入を得る活用法
定期借地は、あらかじめ契約した期間、土地を貸して継続的に地代収入を得る活用法です。
従来の普通借地権は借主に有利な契約なので、契約が終了しても借主に立ち退きを要求するのが難しいといったデメリットがありました。
いっぽう、定期借地権では契約終了後の更新がなく、土地は更地の状態で必ず戻ってきます。借主の事情で期間延長することもなく、立ち退き料を払ったり、建物を買い取る必要もありません。
ローリスクローリターン
建物を建てて賃貸管理をおこなうのは借地人なので、初期投資や借入は不要、建物の管理や修繕も必要ありません。
自ら賃貸物件の経営を行うより収益性は大幅に劣りますが、長期間、安定した地代収入が得られます。いわゆるローリスクローリターンの土地活用といえるでしょう。
節税につながるケースもあり
借地人が住居系の用途で利用した場合は、土地の評価額が大幅に軽減され、固定資産税や都市計画税の節税につながります。
長期間、転用できない
ただ、定期借地では最低でも10年以上(事業用定期借地権の場合)の長期間の契約になり、契約満了まで土地を返却してもらえず他用途への転用はできません。
ローリスクとはいえ、次世代にまで影響を及ぼす土地活用になる可能性があります。長期的な視野を持って慎重に検討しましょう。
- 借入リスクを負うことなく土地活用できる
- 契約満了すれば土地は必ず戻ってくる。
- 売却しなくても一時金(保証金)が得られる。
- 賃貸経営の手間がかからない。
- 管理費や修繕費の負担、空室リスクは一切ない。
- 契約期間中は安定収入(地代)を確保できる。
- 土地を保有したまま分譲ができる。
- 借地人が住居系に利用すると土地の固定資産税等が大幅に軽減される。
- 契約満了まで長期間、土地の転用ができない。
- 地代収入なので、収益性は賃貸より大幅に劣る。
- 土地の評価によっては税制の優遇措置が受けられないこともある。
土地信託
一定規模以上の優良な土地のみ可能
土地信託とは信託銀行が取り扱う「土地信託制度」を利用する方法のこと。
土地所有者は信託銀行に土地を預け、信託銀行がその土地を有効活用するというものです。
ただし、そもそも土地信託に適した一定規模以上の優良な土地でないと、信託銀行が受けてくれません。一部の限られた土地オーナーにのみ選べる土地活用法といえるでしょう。
収益性低くローリスク
信託銀行は、土地にアパートやマンションを建てて運営し、収益の一部を配当として土地所有者に渡します。
配当は家賃収入に左右されるため保証はされていません。
信託銀行へ支払う信託報酬費の方が配当を上回ると、マイナス収支もありえます。
ただし、資金調達から建築、賃貸管理まで、すべて信託銀行がやってくれるので、経営ノウハウは不要。自分でアパマン経営を行う場合に比べると、収益性は劣りますが低リスクな土地活用です。
節税効果が得られることもあり
土地にアパートやマンション、オフィスビルなどを建てると貸家建付地として評価され、固定資産税や都市計画税、相続税の節税効果が得られます。ただし、借入利息や減価償却もありませんので、所得税の負担は重くなります。
優良な土地を手放したくない人に最適
信託期間終了後は、建物が付いた状態で土地が返ってきます。
「優良な土地を手放すことなく、手間をかけずにほどほどの収益を得たい」という人に最適な土地活用といえるでしょう。
- 資金調達、物件の建築・運営などを信託会社に一任できる。
- 借入不要で信託銀行のノウハウを利用できるので低リスク。
- 信託期間が終了すれば土地に建物が付いた状態で所有権が戻ってくる。
- 賃貸住宅が建てられると相続税や固定資産税等の節税効果がある。
- 信託期間中でも受益権の相続ができる。
- 条件に合う土地が限られており土地信託を受けてもらえないことがある。
- 配当から信託手数料が引かれるのでマイナス収支になることも。
- 自分で運用した場合に比べると収益性は低い。
- 信託期間中は売却できない。
- 借入利息や減価償却がないので所得税の節税効果はほとんどない。
下記記事では、土地信託の仕組みとメリットとデメリットを、さらに詳しく解説しています。
等価交換
資金不要で区分所有権を取得できる
「賃貸マンションを建てたいが、まとまった資金が用意できない・・・」
そんな悩みを解決する方法のひとつが「等価交換」です。
土地所有者は土地を、デベロッパーは建築資金を出資して建物を建築し、土地所有者は土地評価額に応じた建物の一部(区分所有権)を取得します。すべての土地をいったん売却し、出資比率に応じた共有持分を取得することになります。
その際、一定の条件を満たせば土地の売却に伴う買換え特例が適用され、譲渡所得税の軽減措置が受けられることもあります。
管理の手間いらず、相続対策になることも
建物の管理はデベロッパーが行いますので、管理業務に追われることもありません。もちろん、区分所有権の部屋は自分で住むことも賃貸に出して収入を得ることも自由です。
相続が発生した場合、各住戸をそれぞれに相続させることで、相続時のトラブルを抑えることもできるでしょう。住戸を賃貸にすると貸家評価になりますので、相続税評価額が軽減されるといったメリットもあります。
土地の所有権を失う点に要注意
このように、等価交換は資金調達も経営もする必要がないローリスクな土地活用ですが、土地の所有権を失うことになる点に要注意。いっぽう、定期借地や土地信託でしたら、土地の所有権を失うことなくローリスクな土地活用が可能です。
出資比率の算定は慎重に!
共有持分を決める際の出資比率の算定も慎重に対応したいところ。
土地の評価額の算定をデベロッパー任せにせず、不動産鑑定士に評価してもらうことはもちろん、建物の価格にも注意が必要です。
デベロッパーによっては、建築費に広告費や利益を上乗せした売り出し価格を出資額として算定してくるかもしれません。この場合、当然ですが土地所有者の出資比率が下がってしまい、共有持分も少なくなってしまいます。
納得できる出資比率を決めるには、デベロッパーとの交渉が必要になるかもしれません。
- 資金不要でローリスク
- 建物の管理はデベロッパーが行うので、管理が不要。
- 取得分は自分が住むことも、賃貸に出すこともできる。
- 区分所有形態なので簡単に分割でき、相続トラブルを抑えられる。
- 条件を満たせば買換え特例が適用され、譲渡税の優遇措置がある。
- 賃貸に出す取得分は貸家評価となり相続税評価額が軽減される
- 土地の所有権が出資比率に応じた共有持分にまで縮小される。
- 価格査定に納得できず不満が残ることになるリスク。
- 減価償却費が小さくなる分、所得税負担が大きくなることも。
自分で使う
収益機会を失うことになりますが、土地を自分で使うという方法もあります。
自宅を建てる以外にも、セカンドハウスや別荘も選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
自宅・セカンドハウス・別荘
住宅ローンが使えて、節税効果あり
土地があるからといって、必ずしもリスクを負って土地活用する必要はありません。自宅を建てて自分が住んでも構いませんし、セカンドハウスや別荘として利用してもよいでしょう。
アパートやマンションを建てる際に利用するアパートローンより、金利や返済期間などの融資条件が有利な住宅ローンが使えるのも大きなメリットです。更地より住居が建っている土地の方が、固定資産税や相続税の節税効果があります。
民泊ビジネスへの活用も
自分だけが使用している限り収益を生みませんが、Airbnb(エアビーアンドビー)を使って民泊ビジネスに活用するといった方法もあります。
なお、民泊を合法的に行うには、旅館業法の許可を取得するか、特区民泊の認定を受ける、あるいは住宅宿泊事業法に基づく届け出のいずれかが必要になります。
たとえば、住宅宿泊事業法の場合は、年間営業日数が最大180日という制限はありますが、インターネットから届け出するだけで営業を開始できます。
- 自分で利用できる。
- 融資条件のよい住宅ローンが使える。
- 経営リスクがない。
- 煩わしい物件管理をする必要がない。
- 更地より土地の評価額が下がり節税効果がある。
- 収益を生まない。
- 戸建賃貸以外の転用ができない。
売却して現金化する
広い意味では「売却」も立派な土地活用です。
先祖代々の土地など思い入れがあると、なかなか手放すという選択肢は考えられないかもしれません。
しかし、守るべきは「土地」でしょうか?
それとも「土地のかたちをした資産」でしょうか?
一部地域を除き、全国的には日本の地価は下落傾向にあり、土地の資産価値は減る一方です。土地活用の目的が「資産を守る」ことなら、売却して現金化することも選択肢から除外するべきではありません。
売却
売却も広い意味での土地活用のひとつ
土地を売却することも、土地活用のひとつです。
その土地の所有権と収益機会を失うことになりますが、一気に現金化できることのメリットは決して小さくありません。
とりわけ、このような場合には売却を検討したほうがよいでしょう。
- 現在の土地を活用しても収益を得られそうにない。
- 相続税資金を確保するために現金化しておきたい。
- 現金化することで遺産分割しやすくしておきたい。
- 固定資産税や都市計画税の負担から開放されたい。
- より収益性の高い優良な不動産に買い替えたい。
- 株式や投資信託など他の投資対象で資産運用したい。
売却するには仲介と買取の2通りあり
土地を売却するには、買い手を見つけて契約を結び、所有権移転登記を行わなければなりません。
買い手を見つけて土地を売却するには「不動産仲介」と「不動産買取」の2つの方法があります。
「不動産仲介」は、不動産業者に仲介依頼して購入者を探してもらい売却する方法で、一般個人や法人が買い手となりますが、「不動産買取」の場合は不動産業者が買い手となる点が異なります。
不動産買取は、すぐ売れて現金化できるのが最大のメリットですが、売却価格はどうしても仲介より安くなってしまいます。利用する際には、下記記事で解説しているようなメリットとデメリット、注意点などをよく理解しておきましょう。
いずれにせよ、不動産会社を通して売却手続きを進めるのが一般的といえるでしょう。
不動産業者選びは、不動産売却の成否を大きく左右します。下記記事では不動産業者の選び方のポイントを解説しています。不動産売却の際には、ぜひご確認ください。
仲介手数料と譲渡税がかかる点に要注意
不動産売却時には不動産会社への仲介手数料に加えて、譲渡税(所得税、住民税)が発生します。
とりわけ売却差益に課税される譲渡所得税の存在は無視できません。
売却差益は「売却価格-取得価格」で算出されますが、先祖代々の土地など取得価格が不明な場合は売却価格の5%とされてしまうので、ほとんどが売却差益になってしまいます。
このように、土地を売却して現金化すると、仲介手数料や譲渡税によって資産が目減りしてしまう点には注意が必要です。
不動産売却時にかかってくる税金に関しては、下記記事で詳しく解説しています。節税ノウハウに関しても紹介しています。利用できる節税ノウハウは利用しないと損なので、ぜひご確認ください。
事前に客観的な価格査定が必要
さらに、不動産売買は相手がいてこそ成立するものなので、必ずしも希望するタイミングや価格で売却できるとは限りません。
思い入れのある土地は「安売りしたくない」気持ちがあって当然です。しかし、希望する売却価格にこだわりすぎると、買い手が現れても価格が折り合わずに販売機会を逃してしまい、かえって損をしてしまうケースは少なくありません。
売却を成功させるには、あらかじめ市場での客観的な評価額を把握しておく必要があるでしょう。
- 土地資産を一気に現金化できる。
- 固定資産税や都市計画税の負担がなくなる。
- 維持管理の費用と手間が不要になる。
- 相続税の納税資金を確保できる。
- 現金化することで相続時の遺産分割がしやすくなる。
- 資産の組み替え(他の金融商品や不動産、借金の返済など)ができる。
- 残りの年数分の火災保険料や地震保険料が戻ってくる。
- 売却資金でローンを完済すれば銀行保証料が戻ってきて、その後の利子負担もなくなる。
- 土地の所有権と土地活用による収益機会を失う。
- 譲渡税(所得税、住民税)や仲介手数料により資産が目減りする。
- 希望するタイミングや価格で売れるとは限らない。
土地の有効活用には専門業者の知恵を借りましょう
土地さえ持っていれば放っておいても資産が増える時代は「今は昔」。
以前より土地活用は難しくなっており、今後さらに厳しさは増していくでしょう。
とりわけ賃貸住宅は、日本全体ではすでに供給過剰になっています。
人口減少社会では、リスクの大きな土地活用であることは間違いありません。
いっそ売却してしまった方がよいケースもあるでしょう。
しかし、「どの地域でも」というわけではないんです。
郊外のマンションはいつまでも空室が埋まらないのに、同じ市内の駅チカだと「売り出してすぐ満室になった!」なんて話は珍しくありません。
また、賃貸住宅のニーズはなくても駐車場が足りない地域だってありますし、今後ますます高齢者向け住宅の需要は高まっていくでしょう
あなたがお持ちの土地では、どのような土地活用が考えられるのでしょうか?
ご自分だけで考えるのではなく、ぜひタウンライフ土地活用などの一括資料請求サイトを使って、経験豊富な専門業者の知恵を借りてください。きっと、土地活用のプランがより具体的に見えてくるはずですよ。
以上、土地の有効活用の手法15種類のメリット&デメリット(リスク)は必見!・・・でした。
参考記事:
土地活用の一括資料請求サイトはどれを選んだらよいのか分からない…という方は下記記事も参考に。それぞれの比較一覧表も提示していますので、違いがよく分かりますよ。