賃貸併用住宅の5つのメリットと8つのデメリット!住宅ローンの活用方法と注意点とは ?

アパート経営ほどメジャーな土地活用ではありませんが、賃貸併用住宅というものがあります。かんたんにいうと、自宅部分と賃貸部分をミックスした住宅を建てて運用するといった土地活用です。

人によっては、メリットの大きな活用方法であることも少なくありません。

今回は、そんな賃貸併用住宅のメリット・デメリット、およびローンについて詳しく解説していきます。

賃貸併用住宅とは?

賃貸併用住宅とは、その名の通り自宅兼賃貸用の物件のことです。土地活用というとアパート経営が代表的ですが、その場合アパート一棟を収益物件として所有します。

いっぽう、賃貸併用住宅はこのような建物です。

  • 2階建てで1階部分の半分を賃貸でほかは自宅
  • 3階建てで1階部分を全て賃貸でほかは自宅
  • 5階建てで1階部分が賃貸で3~4階が子供の家族、5階が自宅

賃貸併用住宅は、2階建てから大きくても5階建て程度の規模で建てられることが多いでしょう。

賃貸併用住宅のメリット

 

賃貸併用住宅にはこのようなメリットがあります。「土地を所有しており自宅を建築したいが、投資にも興味がある」という方は検討してみてください。

建物の半分以上が住居なら融資条件の有利な住宅ローンが組める

不動産を購入する際のローンは、住宅ローンとアパートローン(不動産投資ローン)に分かれます。2018年8月時点でいうと、住宅ローンの金利は0.5%を切っている銀行もあり、アパートローンは2.5%以上にはなるでしょう。

かりに、5,000万円を30年ローンで組むとき、住宅ローン金利0.48%、アパートローン金利2.6%の場合の返済額はこのようになります。

  • 住宅ローン:月々返済額149,156円、総返済額53,696,178円
  • アパートローン:月々返済額200,169円、総返済額72,061,028円

月々返済額で51,013円、総返済額で18,364,850円もの違いになります。

そんなお得な住宅ローンを、賃貸併用住宅を建築するときには組める可能性があるのです。というのも、住宅ローンは自宅用のローンであり、建物の半分以上が自宅であれば住宅ローンを組めます。

そのため、賃貸併用住宅を建築するとき、建物の半分以上を自宅にするように設計すれば、金利の低い住宅ローンを組めるというわけです。

住宅ローンでは住宅ローン控除や減税を受けられる可能性がある

住宅ローンを組めるということは、その家が自宅として利用されている前提です。そのため、このような控除や減税を受けることができます。

  • 住宅ローン控除
  • 譲渡所得税の税制優遇

住宅ローン控除とは、年末のローン残高の1%を所得税と住民税からマイナスできる制度です。たとえば、所得税を45万円支払っているとして、住宅ローンの年末残高が3,700万円だったとします。

その場合、3,700万円の1%である37万円が控除されるので、会社員であれば年末調整で返還されます。

住宅ローン控除は「10年合計で400万円以下」や、「住民税からの控除額の上限がある」点は注意しましょう。

また、賃貸併用住宅のローン控除は住宅部分のみです。仮に、60%が住宅で40%が賃貸であれば、年末ローン残高は「3,700万円×60%=2,220万円」で計算されます。

また、自宅の売却は「3,000万円の特別控除」という税制優遇があります。この優遇は、売却時に利益(譲渡所得)が出ても、その利益から3,000万円引くという制度です。言い換えると、売却益が3,000万円超でなければ非課税というわけです。

ただし、この税制優遇も住宅ローン控除と同じように、自宅部分の割合のみ適用されます。細かい諸条件については、国税庁のホームページなどを確認しましょう。

将来の二世帯住宅など、家族構成の変化に柔軟に対応できる

賃貸併用住宅を建築しておけば、賃貸部分に空きができたときの使い方は自由です。

かりに、4階建てで1~2階部分を賃貸物件として運用していたとします。空室が出たタイミングで、親御さんと同居を検討していた場合には、空室の部屋を利用して二世帯住宅にもできます。

運用していた部屋が小さい部屋の場合は、リノベーションして2部屋を1部屋にすることも可能です。逆に、子供が独立をして今の広さが不要になったら、自宅の一部をリノベーションして賃貸物件として運用することもできるでしょう。

このように、賃貸併用住宅は家族構成の変化に柔軟に対応できる家なのです

賃貸部分の土地は貸家建付地の評価額になり相続税を圧縮できる

不動産を所有していると土地と建物に相続税がかかります。その相続税は、不動産の評価額によって決まりますが、土地の評価額は賃貸として運営している方が低く算出されます。ただし、住宅ローン控除などと同じく自宅割合によります。

たとえば、賃貸併用物件の土地の評価額が4,000万円で、賃貸物件のため85%まで評価額が下がるとします。

そして、その賃貸併用住宅は自宅が60%、賃貸物件が40%であれば、4,000万円のうち40%だけが賃貸物件を運営しているという扱いになります。

そのため、「4,000万円×40%=1,600万円」の部分だけ、「評価額85%の減額措置」が適用されるというわけです。

通常のマイホーム購入より返済不能リスクが低い

賃貸併用住宅は、賃貸物件として経営する部屋があるので、そこから賃料収入を得ることができます。

通常のマイホームよりは大規模な建物になるので、ローン借入金額は高額になりがちです。そのため、一見返済不能リスクは高いように感じられます。

ところが、賃貸経営の収益をローン返済に充てることができるので、じつは通常のマイホーム購入よりも返済不能リスクは低くなります。また、賃貸経営は比較的安定して収益が入ってくるので、その点からもリスクを抑えることができます。

住宅ローンを活用する方法と注意点

賃貸併用住宅は、上述したように住宅ローンを利用できますが、以下の点を確認しておいてください。

  • 賃貸部分の面積が大きいときの対処法
  • 用途変更時は注意

上述したように、自宅部分が50%以上にならないと住宅ローンは使えませんが、賃貸部分を広くしたいこともあります。その場合は、居住用(自宅)と賃貸用に別々に区分登記することで、独立した不動産として扱います。

そうすれば、居住用として登記した部分は住宅ローンを組むことができます。
賃貸部分は金利の高いアパートローンになりますが、居住部分だけ住宅ローンを利用できる点は覚えておいてください。

また、将来的に用途変更をして、賃貸部分を増やしたときは注意が必要です。

というのも、賃貸部分を増やしたことで、自宅部分が50%を切れば住宅ローンからアパートローンへ組み替える必要があるからです。そうなると金利が大きく上昇するので、その点を考慮して検討すべきです。

賃貸併用住宅のデメリット

賃貸併用住宅のメリットだけでなく、デメリットも確認しておきましょう。

入居者との騒音トラブルが発生しやすい

賃貸併用住宅はオーナーが上層階を自宅にするケースが多いでしょう。直下の階には賃借人が住んでいるので、賃借人との間に騒音トラブルが起きることも少なくありません。

防音性の高い住宅にすることもできますが、そうなると床の厚さが変わったり、吸音材を敷いたりするのでコストが上がります。

小さいお子さんがいる家庭は騒音とコストのバランスを見て、建物の仕様を判断しましょう。また、子供部屋は最上層階にして、賃貸物件とは離すという方法もあります。

入居者との人間関係やプライバシーにまつわるトラブル発生のリスク

オーナーは、入居者のプロフィールを把握してから契約を結ぶかの判断をします。そのため、年齢や勤務先はもちろん、年収などのプライバシーに関する情報も得ることになります。

たとえば、ある入居者と仲良くなって、うっかり別の入居者の個人情報を話してしまったとします。

個人情報をバラされた入居者の耳に入れば、個人情報の流出、プライバシーの侵害としてトラブルに発展するケースもあります。入居者のプライバシー情報の取り扱いは十分注意しましょう

管理会社が対応するべきことを入居者から直接言われることも

賃貸経営の場合、このようなクレームは通常管理会社が処理をします。

  • 近隣入居者とのトラブル
  • 音や臭いなど生活環境に関する問題
  • 建物の設備不良や仕様に関する問題

ところが、賃貸併用住宅の場合はオーナーと入居者が顔を合わせることもあるので、入居者に直接クレームを言われることがあります

そのようなクレームは管理会社にそのまま任せればよいのですが、管理会社の対応が悪いとオーナーが文句を言われる場合もあります。この点は、実績のある信頼できる管理会社を選定することでリスクヘッジしましょう。

オーナーの近くに住むことに対する入居希望者の抵抗感

賃貸併用住宅は、通常の賃貸物件と違いオーナーがすぐそばに住んでいます。そのため、「大家が近くにいるのは気まずい・・・」と思う人もいるかもしれません。

たとえば、物件見学をしたときに、たまたまオーナーと入居希望者が顔を合わせて、オーナーの印象が悪ければ、それだけで検討取りやめになることもあるでしょう。

入居者に対する賃貸サービスの提供者として、自覚を持った対応が望まれます。

自宅部分からは家賃収入が発生しないので利回りが低い

利回りは「(年間賃料収入-年間経費)÷物件取得価格」で算出します。賃貸併用住宅の場合は、一棟まるまる賃貸経営するよりも、年間賃料収入が下がり物件取得価格が上がります。そのため、賃貸併用住宅は利回りが低くなりがちです

ただ、大切なのはキャッシュフロー(手元に残るお金)です。物件取得価格の中には自分の自宅部分も含まれており、通常の賃貸物件は自分の自宅費用が別途あります。

その点を加味し、最終的に年間で「どのくらいお金が手元に残っているか?」で考える必要があります。

マイホームを建てるという感覚では賃貸経営はうまくいかない

賃貸併用住宅は、賃貸経営の側面が強い土地活用です。「マイホームを建てる」という感覚だけだと、このような問題が発生してしまいます。

  • 設備、仕様のグレードを上げすぎて物件価格が高くなる
  • 家族で住むニーズと単身者が住むニーズは違う

ようは、自分で住む部屋と賃貸で住む部屋をはっきり区別するということです。賃貸に住む人は永住するわけではないので、ハイグレードな設備・仕様よりも家賃の安さを求めるかもしれません。

また、賃貸部分はおもに単身者をターゲットにするので、ニーズが違う点も顧慮した作りにしましょう。

賃貸戸数が少ないので空室リスクが分散しにくい

かりに3階建ての賃貸併用住宅をつくっても、1Kの部屋が3部屋程度になるでしょう。そうなると、空室が1部屋生まれてしまうと賃貸収益は2/3に激減してしまいます。

いっぽう、8部屋のアパート経営であれば、1部屋が空室になっても1/8しか家賃収入は減らないので、空室リスクの分散ができます。

自宅部分があるぶん賃貸戸数が少なくなってしまうことは、空室リスクの上昇につながります。

マイホームが含まれるのでさまざまな事情から売却しにくい

マイホームが含まれるということは、その住宅を売却してしまうと新たに自分の住む家を探すことになります。かといって、賃貸部分の所有権だけ売っても、建物自体はオーナーと共有になるので買い手はつかないでしょう。

つまり、丸々一棟で売らざるをえないということです。

そのような事情から、マイホームが含まれている賃貸併用住宅は売りにくいです。賃貸物件の収支バランスが崩れたときに売却を検討するケースが多いので、しっかりと精査した収支シミュレーションが大切になります。

賃貸併用住宅にも経営者意識は不可欠!

賃貸併用住宅には、自宅にするには大きすぎる土地を持っていて、資産の有効活用をしたい方にとっては検討する価値のある土地活用でしょう。

さまざまなメリットとデメリットがありますが、賃貸部分を自宅のオマケ程度に考えていると、失敗する可能性が高まります

自宅でありつつも、賃貸経営をするという経営者意識が不可欠です。

以上、賃貸併用住宅の5つのメリットと8つのデメリット!住宅ローンの活用方法と注意点とは ?…でした。

 

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