自分の土地を活かしたい人の中には、土地活用にはどのような事例があるかを知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
土地活用の成功事例や失敗事例を知ることは、土地のポテンシャルを最大限に生かすことにもつながります。
この記事は「土地活用の事例」について解説します。
具体的な土地活用の9個の事例について、成功事例と失敗事例を解説します。
ぜひご参考ください。
土地活用の種類
土地活用は、大きく分けて以下の4種類が存在します。
- 借家事業
- 自営
- 暫定利用
- 借地事業
【借家事業】
借家事業とは、建物投資を行って家賃収入を得る土地活用です。
アパートや賃貸マンション、戸建て賃貸、シェアハウス、店舗、オフィス、ビジネスホテル、老人ホーム、保育園等、土地活用のほとんどは借家事業に該当します。
借主と賃貸借契約を締結し、毎月固定に賃料収入が得られるような事業であれば借家事業です。
借家事業のメリット
借家事業は収入が安定しており、事業としても簡単な点がメリットです。
借家事業の家賃収入は、暫定利用や借地事業よりも収入が大きいため、収益性も相応に高くなります。
また、借地借家法が適用される賃貸借契約を締結することから、相続税対策効果も高くなります。
借家事業のデメリット
ただし、最初に大きな建物投資を伴う点がデメリットです。
投資額も大きく、借入金も発生することから、暫定利用や借地事業よりもリスクは高くなります。
尚、相続税対策という観点においては、相続時に借入金を残すことも節税対策となります。
そのため、相続税対策を目的に土地活用を行う人は、借家事業を選択することが基本です。
【自営】
自営とは、不動産を使って自分でビジネスを行う土地活用です。
コインランドリーやトランクルーム、ウィークリーマンション、民泊、レンタルスペース、シェアオフィス・コワーキングスペース等が自営の土地活用に該当します。
自営の土地活用は、利用者から使用料や利用料といった料金を得るビジネスです。
自営のメリット
自営は成功すれば借家事業よりも収入が大きくなる点がメリットとなります。
自営のデメリット
ただし、収入は不安定であり、事業そのものも難しく、失敗する可能性も大きいです。
借地借家法が適用される賃貸借契約を締結しないため、相続税対策効果は低くなります。
毎月固定の収入が得られるわけではないため、借入金の返済リスクも大きい点がデメリットです。
自営の土地活用をするなら、商売として本気で取り組むことが必要となります。
【暫定利用】
暫定利用とは、建物投資を伴わない簡易な土地活用のことです。
コインパーキングや太陽光発電、野立て看板用地、資材置き場等が該当します。
暫定利用のメリット
暫定利用は、借家事業に比べると初期投資額が抑えられる点がメリットです。
暫定利用のデメリット
一方で、借家事業よりも収入は少ない点がデメリットとなります。
暫定利用は借地借家法が適用される賃貸借契約を締結しないため、相続税対策効果は低いです。
【借地事業】
借地事業とは、建物所有目的の人に土地を貸し、地代収入を得る土地活用です。
コンビニやスーパー等に土地を貸し出す事業用定期借地権が典型的な借地事業となります。
事業用定期借地権とは、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とした定期借地権のことです。定期借地権とは、契約期間終了時に確実に土地を取り戻せる借地契約のことを指します。
借地事業のメリット
借地事業は、土地を借りる人が建物を建てるため、地主には一切初期投資費用が発生しない点がメリットです。事業用定期借地権であれば収益性も相応に高く、退去リスクも低いため、収入も安定している点もメリットとなります。
借地事業のデメリット
ただし、地代収入は家賃収入よりも低いため、借家事業より収益性は劣る点がデメリットです。
また、事業用借地事業はかなり条件の良い土地でないと話が来ないという点もデメリットとなります。条件の良い土地であれば、収益性の高い借家事業を行っても十分に成功する可能性はあるため、少しもったいない活用方法であるともいえます。
4種類の土地活用のまとめ
種類 | 具体例 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
借家事業 | アパート、賃貸マンション、戸建て賃貸、シェアハウス、店舗、オフィス、ビジネスホテル、老人ホーム、保育園 | ・収入安定 ・事業として簡単 ・収益性高い ・相続税対策効果高い | ・初期投資が大きい ・リスクが高い |
自営 | コインランドリー、トランクルーム、ウィークリーマンション、民泊、レンタルスペース、シェアオフィス・コワーキングスペース | ・成功すれば借家事業よりも収入が大きくなる | ・収入不安定 ・事業が難しく失敗率高い ・相続税対策効果は低い ・借入金返済リスクが大きい |
暫定利用 | コインパーキング、太陽光発電、野立て看板用地、資材置き場 | ・初期投資額が抑えられる | ・収入は少ない ・相続税対策効果は低い |
借地事業 | コンビニやスーパー等に土地を貸し出す事業用定期借地権 | ・一切初期投資費用が発生しない ・収益性は相応に高い ・収入安定 | ・借家事業より収益性は劣る ・かなり条件の良い土地でないと話が来ない |
アパートの活用事例
アパートの活用事例について解説します。
成功事例
アパートの成功事例としては、元々良い場所に土地を持っている人が相続税対策を目的に建てるケースです。
良い土地であれば、賃料も高く、空室も発生しにくいです。
また、相続税対策にもなり、節税にもなって収入も得られることから一挙両得といえます。
失敗事例
アパートの失敗事例としては、条件の悪い土地で無理矢理アパートを建ててしまうケースです。
買い替えも活用の一つですので、今の土地のこだわらず、適切な立地に変えてからアパートを建てることをおすすめします。
アパートに限らず、持っている土地が賃貸経営に向かない場合、その土地は良い立地に買い替えてから土地活用を始めるのが望ましいです。
マンションの活用事例
マンションの活用事例について解説します。
成功事例
マンションの成功事例としては、1階にコンビニを入居させることができたケースです。
1階は住宅として貸すと入居者が埋まりにくく賃料単価も安くなりますが、コンビニに貸せば賃料単価が高くなります。
また、1階のコンビニが付加価値となり、2階以上の部屋も決まりやすくなります。
失敗事例
マンションの失敗事例としては、ファミリータイプの賃貸マンションを建ててしまうことです。
ファミリー世帯は「借りる」よりも「買う」ことを選択する人が多いため、賃貸需要が弱くなります。
空室も発生しやすく、かつ、賃料単価も低くなるため、収益性は悪くなります。
戸建て賃貸の活用事例
戸建て賃貸の活用事例について解説します。
成功事例
戸建て賃貸の成功事例は、狭い土地や地型の悪い土地を生かして行うケースです。
戸建て賃貸は、アパートよりも収益性は低いため、アパートが建てられないような土地で行うことが適しています。
失敗事例
戸建て賃貸の失敗事例は、大きすぎる物件を建ててしまうケースが挙げられます。
戸建て賃貸は、一戸当たりの賃貸面積が広くなってしまうため、賃料総額が高くなりがちです。
大きな物件を建ててしまうと、貸すために賃料総額を抑えることになり、結果的に賃料単価が安くなります。
賃料単価が安くなれば投資効率が下がり、収益性も悪くなります。
賃貸併用住宅の活用事例
賃貸併用住宅の活用事例について解説します。
成功事例
賃貸併用住宅の活用事例としては、立地条件が良い土地で、かつ、自宅だけにするには広過ぎる土地で行うケースです。
賃貸併用住宅は、半分はアパートですので、アパート経営が成り立つような土地でないと難しいといえます。
例えば、駅から徒歩10分圏内で、80坪以上あるような土地が賃貸併用住宅に向いています。
失敗事例
賃貸併用住宅の失敗事例としては、立地の悪い条件の土地で、かつ、狭い土地で無理矢理行うケースです。
賃貸部分はアパート経営を行いますので、アパート経営が不安になるような土地は向いていません。
また、小さな土地で行うと、自宅も賃貸部分も小さくなり、住みにくく貸しにくい物件となります。
シェアハウスの活用事例
シェアハウスの活用事例について解説します。
成功事例
シェアハウスの成功事例は、コンセプトを明確にした物件です。
「外国人と交流できる」、「楽器演奏ができる」、「温泉に入れる」、「女性専用」等のコンセプトを明確にし、ターゲットを絞り込んだ物件が挙げられます。
シェアハウスの住民は、別のシェアハウスから移り住んでくる人が多いため、楽しそうなシェアハウスが入居者を集めやすくなります。
ただのシェアハウスとするのではなく、コンセプトを打ち出して他の物件と差別化することが成功のカギを握ります。
失敗事例
シェアハウスの失敗事例は管理不行届きの物件です。
管理会社の管理が悪く、入居者トラブルが絶えなかったり、汚部屋状態になったりすると新しい入居者を獲得しにくくなります。
失敗を防ぐには、管理会社が定期的に巡回し、普段から住民とのコミュニケーションを取る、歓送迎会を行う等、入居者と一定の関与を行うことが必要です。
商業施設の活用事例
商業施設の活用事例について解説します。
成功事例
商業施設の成功事例は、ドラッグハウスやコンビニといった収益性の高いテナントを呼び込めた土地活用です。
店舗は業種業態によって支払える賃料単価が異なりますが、物販系は賃料が高い傾向にあります。
それに対して、マッサージ店や飲食店、美容院等の店舗内に顧客の滞在時間が長くなるような業態は、賃料単価が低い傾向があります。
失敗事例
店舗の失敗事例は、2階以上に店舗区画を作ることでテナントを誘致できないケースが挙げられます。
店舗は、1階が最もテナントを誘致しやすく、賃料単価も高いです。
2階以上は賃料単価が大きく下がり、場所によっては全く引き合いのないケースもあります。
よほど良い立地でない限り、店舗区画は1階のみに留めておくことが基本です。
コインランドリーの活用事例
コインランドリーの活用事例について解説します。
成功事例
コインランドリーの成功例としては、立地条件が良く、駐車場も完備された物件で行っているケースが挙げられます。
立地条件としては、食品スーパーの近く等にあり、買い物のついでに立ち寄れるような物件が望ましいです。
コインランドリーは立地ビジネスであるため、適した立地で行うことが極めて重要となります。
失敗事例
コインランドリーの失敗例としては、カフェも併設して自営するケースが挙げられます。
コインランドリーは、認知度向上まで時間がかかるため、最初は収益が上がりません。
また、カフェも単体で黒字化に持っていくまでかなりの時間と営業努力が必要です。
2つの難しい事業を同時に始めてしまうことで、失敗の確率が大きくなってしまいます。
トランクルームの活用事例
トランクルームの活用事例について解説します。
成功事例
トランクルームの成功例としては、アパートやマンションに適さない土地で行っているケースが挙げられます。
例えば、細長い土地等の地型の悪い土地や、線路沿いや国道等の大通り沿いといった住環境の劣るような土地で行う場合は、良い選択といえます。
トランクルームの収益性は、アパートや賃貸マンションよりも低いです。
ただし、狭い土地や駅から離れた土地や、周辺に嫌悪施設があるような土地であってもできる土地活用となります。
他に選択肢がない場合、最終手段としてトランクルームを選択するのも一つです。
失敗事例
トランクルームの失敗事例としては、想像以上にコストがかかってしまったというケースが多いです。トランクルームは、コンテナハウスと呼ばれるコンテナに似た建物を建築して行うため、コストが相応にかかります。
コンテナを置くだけでできると勘違いしている人も多いですが、置き型というのは違法です。
投資コストは高いですが、収益性は低いため、慎重に検討することが必要です。
コインパーキングの活用事例
コインパーキングの活用事例について解説します。
成功事例
コインパーキングの成功事例としては、郊外の固定資産税の安い地域において、主要駅周辺で行うケースが挙げられます。
コインパーキングは、収益性が低いため、都内の中心部では土地の固定資産税すら賄えない場所もあります。
一方で、郊外になると固定資産税が安いため、賃料収入が固定資産税を上回る地域が出てきます。
郊外でも、他路線に乗り換え可能な駅や、快速停車駅等の主要駅近くは駐車場ニーズがあります。主要駅の裏口で細い道に接している土地は、固定資産税も安く、駐車場ニーズも高いため、狙い目の土地です。
失敗事例
コインパーキングの失敗事例としては、ニーズが低いエリアで行うケースが挙げられます。
コインパーキングは比較的どこでもできますが、住宅街等にはニーズがありません。
基本的には、駅周辺や、大型商業施設周辺、観光地周辺等の人が集まる場所の周辺が適しています。
住宅街のような場所は月極駐車場の方が向いていることもありますので、月極駐車場も含めて検討することをおすすめします。
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