古家付き土地(空き家)の3つの売却方法!それぞれのメリット・デメリットを徹底解説!

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古家付き土地(空き家)の3つの売却方法!それぞれのメリット・デメリットを徹底解説! 不動産売却

「古家付き土地」とは、資産価値がほとんどない古い家が建っている土地のことです。

このような土地を売却する際に、「古家が建ったままの状態で売却した方がよいのか?それとも、更地にした方がよいのか?」判断が難しいですよね。

でも、分からないからといって、この記事を読む前に慌てて売却活動を始めないでください。

今回は、そんな古家付き土地にはどのような売却方法があるのか、また、それぞれの売却方法におけるメリット・デメリットについて解説します

最後までお読みいただければ、あなたの古家付き土地をどうやって売ればよいのか、適切な判断ができるようになりますよ。

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古家付き土地とは?

古家付き土地とは?

まずはじめに、「古家付き土地」とはどのような土地のことを指すのかということを解説します。

「はやく具体的な売却方法を知りたい!」という方は、この章を飛ばして次章の「古家付き土地の3つの売却方法」に進んでください。

不動産広告の表示について規制する「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則 第3条(物件の種別)」によると、

  • 売地・・・区分けしないで売買される住宅用地をいう。
  • 新築住宅・・・建物の構造及び設備ともに独立した新築の一棟の住宅をいう。
  • 中古住宅・・・建築後1年以上経過し、又は居住の用に供されたことがある一戸建て住宅であって、売買するものをいう。

となっています。

これによると、「古家付き土地」という物件種別はありません。

築1年以内かつ未入居のものを「新築住宅」と表示しますが、それ以外はすべて「中古住宅」ということになり、「古家付き土地」は「売地(土地)」か「中古住宅」という表示になります

中古住宅を大まかに分けると、

  • 平成築の物件 ⇒ 「中古住宅」
  • 築年数が30年以上経過し価値が認められない昭和築の物件 ⇒ 「古家付き土地」、実際には「売地(現況古家あり)」

と表示して販売されることが多いです。

エリア特性などを考えて、土地として売却した方が購入希望者を集められると判断すれば「売地(現況古家あり)」として販売します。

逆に、中古住宅とした方が、購入希望者を集められると判断すれば「中古住宅」と表示して売却します。

購入希望者は、古家をリフォーム・リノベーションして利用するのか、解体して新築するのかを検討することになるでしょう。

古家付き土地の3つの売却方法

古家付き土地の3つの売却方法

古家付き土地を売却するには、おもに3つの方法が考えられます。

  • 古家付きのまま売却
  • リフォーム・リノベーションして売却
  • 解体して売却

それぞれのメリット・デメリットについて説明します。

古家付きのまま売却

まずは、古家付きのまま、解体もリフォームもせずに売却する方法です。

古家付きのまま売却するメリット

古家付きのまま売却するメリットとしては、このようなものがあります。

  • 解体費用が不要
  • 固定資産税が上がらない
  • 買い手にとっては住宅ローンが組みやすい
  • 建物のイメージをつかみやすい

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

解体費用が不要

建物を解体して更地にせず、古家が建っている現況のまま売却するため、解体費やゴミ処分費などがかかりません

解体費は坪単価3万円(木造の場合)以上が相場ですので、建物の延床面積が30坪の家であれば、畳などの産業廃棄物処理代を含めて100万円以上の負担となります。

室内に古い家具や廃棄する残置物などがある場合は、その廃棄費用も加算されますので、けっこうな負担になるでしょう。

固定資産税が上がらない

住宅用地の特例により、建物が建っていれば固定資産税が軽減(小規模宅地の場合は課税標準×6分の1、一般住宅用地の場合は課税標準×3分の1)されます。

ただし、2015年に施行された空家対策特別措置法により、自治体に「特定空き家」に指定されると、固定資産税の軽減措置は適用されませんので注意が必要です。

最近では、「特定空き家」に指定されてしまう前に売却を急ぐ人が増えています。

 
「空家等対策特別措置法」による行政処分の対象となるのは「特定空家等」です。

どのような状態だと「特定空家等」に指定され、行政による対処がどのような流れで行われるのかについて、詳しくは下記記事で解説しています。

放置すると固定資産税が6倍?空家等対策特別措置法(空家法)とは?
空き家を所有している方にとって、「固定資産税が6倍になる可能性がある」と知ったら、心配になりますよね。 しかし、空き家問...
買い手にとっては住宅ローンが組みやすい

古家付き土地の場合、売却価格に建物分はほとんど査定されていないことが多いです。そのため、買い手は古いとはいえタダ同然で建物を取得できることになり、リフォームやリノベーションを行うことでマイホームとします。

リフォームローンは通常、返済期間が短く金利が高いため、買い手にとってはあまり利用したくありません。

古家付き土地を中古住宅として購入すれば、金融機関の住宅ローンが組みやすいので、買い手は現金の支出を抑えることができ、リフォームやリノベーションに資金を回せるメリットが生まれます。

建物のイメージをつかみやすい

更地では、購入希望者はどのような家が建つのかイメージをつかみにくい面があります。ところが、古家が建っていると、購入希望者は陽当りや建物の配置、ボリューム感などをつかみやすくなります。

古家付きのまま売却するデメリット

古家付きのまま売却するデメリットとしては、このようなものがあります。

  • 瑕疵担保責任がある
  • 埋設物の確認など土地の調査ができない
  • 解体費用を差し引いた売値になる可能性がある

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

瑕疵担保責任がある

土地・建物として売買契約を締結するため、建物に対して瑕疵担保責任が生じます。ただし、買い手との交渉次第では、経済的価値のない建物について瑕疵担保免責とするケースもあります。

 
通常の不動産取引では、売却した住宅に隠れた不具合や欠陥があった場合、売主は買主に対して責任を負わなければなりません。

埋設物の確認など土地の調査ができない

古家付き土地の場合、建物が建っている部分は地中埋設物の調査ができません

万一、買い手が購入後、解体工事を行って地中から杭、ガラ、埋設管などの埋設物が出てきた場合、売主の瑕疵担保責任を問われるリスクがあります。

解体費用を差し引いた売値になる可能性がある

買い手が購入後に解体・新築を考えている場合、「売却価格から解体費用分を減額してほしい」という交渉を受ける可能性があります。

あらかじめ解体工事の見積りを取っておくとよいでしょう。

リフォーム・リノベーションして売却

リフォーム・リノベーションして売却

次に、売主がリフォームやリノベーションを行って売却する方法です。

リフォーム・リノベーションして売却するメリット

リフォーム・リノベーションして売却するメリットとしては、このようなものがあります。

  • 新築同様の家とアピールできる
  • 印象アップがはかれる

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

新築同様の家とアピールできる

買い手にとってはリフォームやリノベーションが完了していれば、見た目が新築同様の家にすぐに住めることになります。

買い手のメリットが大きいのでアピール効果は高いでしょう。

また、買い手自身がリフォームやリノベーションをしないため、購入価格に対して住宅ローンが組めます。買い手の属性がよければフルローンも可能でしょう。

印象アップがはかれる

中古住宅ではなく新築同様にバージョンアップしており、見た目にとてもきれいなので印象がよくなって購入意欲のアップにつながります

リフォーム・リノベーションして売却するデメリット

リフォーム・リノベーションして売却するデメリットとしては、このようなものがあります。

  • リフォーム費用が発生する
  • 費用を上乗せした金額では売れない可能性が高い

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

リフォーム費用が発生する

いうまでもなく、リフォームやリノベーションの費用が発生します。
一般的にリフォームの工事費単価は坪単価20~60万円ぐらいが相場です。

もちろん、こだわりのリフォームや高機能な設備を取り入れればさらに費用がかかりますし、新しい付加価値を生むというリノベーションの場合はさらに高くなる傾向があります。

費用を上乗せした金額では売れない可能性が高い

売却価格にリフォーム費用をすべて上乗せすると、割高感が出る場合があります。
そのため、売却成功まで長い時間がかかったり、かなりの減額交渉を受けたりする可能性が高いでしょう。

とくにリノベーションの場合は、かけた費用をすべて上乗せすると新築価格より高くなってしまうケースもあります。

購入希望者にも独自の好みや価値観があります。

あなたが行ったリフォームやリノベーションの価値を、すべて認めてもらえることは難しいでしょう。

解体して売却

解体して売却

最後に、解体して更地として売却する方法です。

解体して売却するメリット

解体して売却するメリットとしては、このようなものがあります。

  • 更地なので売れやすくなる
  • 瑕疵担保責任が発生しない

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

更地なので売れやすくなる

更地の場合、買い手がすぐに建物を建てることができ、解体費もかからないので売却しやすいでしょう。

瑕疵担保責任が発生しない

建物がありませんので、建物に対する瑕疵担保責任は発生しません
もちろん、土地に対しての瑕疵担保責任は負うことになります。

解体して売却するデメリット

解体して売却するデメリットとしては、このようなものがあります。

  • 解体費用がかかる
  • 固定資産税がアップする
  • 再建築不可・既存不適格の可能性がある

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

解体費用がかかる

更地にするためには解体工事が必要です。
解体工事は、「古家付きのまま売却」の項で説明した通り、かなり高額なコストがかかります

解体工事の坪当たり単価の相場はこちらを参考にしてください。

<解体工事の費用相場>

構造坪当たりの単価
木造3万円~4万円
鉄骨造4万円~5万円
鉄筋コンクリート造5万円~8万円
解体費用シミュレーター

解体工事の費用相場は 万円 〜 万円です。

また、同時に建物の滅失登記をしなければなりません。
建物の滅失登記は司法書士ではなく土地家屋調査士へ依頼しますが、それほど複雑な手続きではないため、費用節約のために自分自身で行うことも可能です。

 
建物滅失登記の具体的な方法に関しては、下記記事で詳しく解説しています。

建物滅失登記とは?自分で登記する方法と必要書類や費用
建物滅失登記は自分でできることをご存知ですか?建物を解体したら建物滅失登記が必要です。本記事では、建物滅失登記について、自分で登記する方法や手続きの流れ、必要書類、費用、忘れてしまった場合のデメリットなどについて詳しく説明します。
固定資産税がアップする

更地の場合は、住宅用地の特例による固定資産税の軽減が受けられないため、固定資産税が高くなります。

したがって、売却が成功するまでの期間が長ければ、それだけ税負担も大きくなります。

再建築不可・既存不適格の可能性がある

再建築不可とは、法令上の制限により、現在ある建物を壊した時に新しく建物を建てることができないことをいいます。

さまざまな理由がありますが、多いのは建築基準法第42条で規定している「道路に接道していない土地は、建物を建てることができない」というケースです。

現在建っている建物をわざわざ取り壊す必要はなく、そのまま居住していても問題ないのですが、解体して新しく建築することはできず、リフォームやリノベーションしかできません。

 
再建築不可物件が得意な不動産業者の探し方を知りたい…という方は下記記事も参考に。一括査定サイトを利用すると、そのような業者が見つかる可能性も高くなりますよ。

【2024年版】不動産一括査定サービスの選び方(物件タイプ別)
どの不動産一括査定サービスを選べばよいか迷っていませんか?本記事では、マンション専門サイトや、再建築不可、借地権などに強いサイト、山林・農地・工場に対応しているサイト等を紹介しています。不動産一括査定サービスの選び方を知りたい方は必見です。

いっぽう、既存不適格とは、新築時には適法に建てられた建物に、その後の法令の改正や都市計画の変更などにより、現行法に対して違法で不適格な部分が生じることをいいます。

この場合も、現在建っている建物をそのまま利用することはできますが、新しく建築する場合は、現在の建物と同じ面積の建物を建てられない可能性があります

売却方法ごとのメリット・デメリットまとめ

古家付き土地3つの売却方法について、メリットとデメリットを比較しやすいよう一覧にまとめてみました。

売却方法メリットデメリット
古家付きのまま・解体費用が不要
・固定資産税が上がらない
・買い手にとっては住宅ローンが組みやすい
・建物のイメージをつかみやすい
・瑕疵担保責任がある
・埋設物の確認など土地の調査ができない
・解体費用を差し引いた売値になる可能性がある
リフォーム・リノベーション・新築同様の家とアピールできる
・印象アップがはかれる
・リフォーム費用が発生する
・費用を上乗せした金額では売れない可能性が高い
解体して・更地なので売れやすくなる
・瑕疵担保責任が発生しない
・解体費用がかかる
・固定資産税がアップする
・再建築不可・既存不適格の可能性がある

古家付き土地のおすすめの売却方法

古家付き土地のおすすめの売却方法

古家付き土地の3つの売却方法のメリット・デメリットを踏まえて、もっともおすすめの売却方法をご紹介します。

具体的な手順はこのようになります。

  1. あらかじめ解体工事の見積りを取っておこう
  2. 当初は古家付き土地として売り出す
  3. 買い手が見つからない場合は解体して更地で売り出す

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

あらかじめ解体工事の見積りを取っておこう

前述のように、古家があるまま売却すると解体費用分を値切られる可能性があります。そこで、あらかじめ解体業者から解体費用についての見積りをとっておき、費用や工事内容について確認しておきましょう

参考【無料】解体工事の一括見積サイト > 解体無料見積ガイド

 
そうすることで、解体費用分を売却価格に上乗せする売却戦略も検討できます。

同時に予算全体の計画も立てられるので、購入希望者からの減額交渉にも備えることができるでしょう。

当初は古家付き土地として売り出す

解体費用の見積りを取ったら、まずは現況有姿(古家が建ったまま)の状態で売りに出しましょう

現在建っている古家が古民家風で味のあるような建物の場合は、それを売りにして、そのような物件を探している人に強くアピールできます。

そうでない場合も、古家を利用したいと考えている人は少なくありません。

とくに最近は、「とことん自分の好みにリフォームしたい」、「自分なりの価値観の家に住みたい」と考える人が増えていますし、住宅ローンを組みやすいというメリットもあります。

解体してしまうと、そのような可能性を手放すことになってしまいます。

買い手が見つからない場合は解体して更地で売り出す

古家が建っている状態で売りに出しても成約できなかったら、解体して更地にして売りに出すことを考えましょう。

更地であれば、自分好みの間取り・仕様・仕上がりの家を新築で取得できますし、法令の範囲内でお店や工場を建てるなど、用途も多様化します。

このように対象者が拡がるため、購入希望者は格段に増えます。購入希望者が増えれば、それだけ売却の可能性も大きくなるでしょう。

古家付き土地の売却は購入希望者を増やすことがポイント

古家付き土地の3つの売却方法には、ぞれぞれメリットもデメリットもありますが、大切なことは「見込客を増やす=購入希望者を集める」ということです。

古家付き土地には、一つひとつに物件の特徴やマーケットの特性などがあります。

それを踏まえた上で、「購入希望者を増やすにはどういった方法がよいのか」ということを考えた売却戦略を立ててください。

以上、古家付き土地(空き家)の3つの売却方法!それぞれのメリット・デメリットを徹底解説!…でした。

参考
家を解体して更地にすることのメリットとデメリットをもっと詳しく知りたい…という方は下記記事も参考に。更地にしてから後悔しても取り返しがつかないので、解体前にぜひ確認してください。

家を解体して土地だけ売却するべき?更地にする6つのメリットと6つのデメリット
古家付きの土地の売却は、建物を解体するべきか否か悩ましいところですよね。更地にすると流動性が高まりますが、家の解体工事に費用がかかるといったデメリットもあります。解体費用の目安が一瞬で分かるシミュレーターもあるので是非確認してみてください。

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