1LDKはマンションの中でも価格が安価なため、購入しやすい印象がありますし、投資物件としても人気があります。とはいえ、一般的にマンションを購入する理由は、そこで暮らすためです。
価格の安さは重要ですが、ユーザーは間取りにもこだわりを持って物件選びをします。1LDKで暮す層は1人暮らし、もしくは2人暮らしとなるため、購入層が限られてしまうことは否めません。
この記事では、1LDKがどうして売れないのか? その具体的な理由とともに、どのような対処をすれば「早く」「高く」売却することができるのか? そのコツなども解説します。
1LDKのマンションが売れない理由とは
1LDKはマンションの中では手頃な価格帯であることから、人気のある物件とも言えます。とはいえ、売りにくい物件であるという一面もあります。
その理由は何なのでしょうか? 具体的に解説します。
理由1:ニーズが限られてしまう
多くの人がマンションを購入するタイミングとして、「結婚する」、「子どもが成長して今の住まいが手狭になってしまった」ことなどが考えられます。
結婚するタイミングであれば、そのマンションで暮らすのは少なくとも2人。子どもが成長して手狭になったという理由であれば、3人以上はそこで暮らすことになります。
1LDKとは、(1)つの居室とリビング(L)とダイニングキッチン(DK)という部屋のことです。
確かに1LDKの中には、充分な広さやスペースを確保した部屋もあります。
ただ、家族であっても、一人ひとりが自分の部屋を確保したいというニーズは高いので、1LDKを選択するケースはほとんどないでしょう。
理由2:ターゲット層の財力不足
一般的に1LDKを購入したいという年齢層は独身者や20歳代の夫婦などの若い層になります。彼ら(彼女ら)であれば、1LDKでも満足した暮らしが送れるケースもあるでしょう。
ただ、ここで問題なのが財力の問題です。年齢が若いため、購入資金が足りない、年収が低く住宅ローンの審査に通らないということが考えられます。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、2人以上世帯の持ち家率は75.0%ですが、主なターゲット層である20歳代の持ち家率はわずか8.0%です。
それだけ、持ち家に関心がない、もしくは購入できない状況にあることも理由であると考えられます。
理由3:周囲に反対される
たとえ若くて財力があり、住宅ローンが組める場合であっても、マンションを購入するときには、家族や周囲の人に相談することがほとんどです。
その際、「1LDKは良くない」「もっと広い物件を購入した方がいい」などの反対にあうケースも少なくありません。
もちろん、反対を押し切って購入する人もいるかもしれませんが、特に若い夫婦などの場合、住宅購入資金の援助を受けることが多く、両親の意向が大きく影響するのは否めません。
- ニーズが限られている
- ターゲット層の財力不足
- 周囲から反対にあい、購入に踏み切れない
理由1~3は1LDKのマンションが売れない代表的な理由と言えます。現状では1LDKの物件を購入したい、探している人が圧倒的に少ないため、売りにくい、売れないということになっているのです。
1LDKのマンションを早く高く売却するコツ
ここまで、1LDKのマンションが売れない理由について解説してきました。
でも、1LDKマンションをできるだけ早く、高く、売ることはできないのでしょうか?
ここからは、1LDKマンションを早く高く売るために抑えておきたいポイントやコツについて解説してきます。
内容としては、
- 購入者のターゲットを絞り込む
- きれいな状態に保つ
- 信頼できる業者に依頼する
- 購入希望者の立場にたって対応する
などがあります。
それぞれどのようなことなのか、具体的に解説します。
1.購入者のターゲットを絞り込む
いくらマイホーム購入を意識するのが30歳代から40歳代ファミリー層であったとしても、できるだけ部屋数の多い物件を探している人にとって、1LDKのマンションは心に響いてきません。
そこで考えるのが、「どのような人たちが1LDKのマンションを購入するのか」であり、ターゲットの絞り込みです。
ターゲットとなり得るのは、独身者、子どものいない夫婦、セカンドハウスを探している、老夫婦で住み替えたいと思っている人などがあげられます。
独身者
部屋数よりも利便性や立地を重視している独身者であれば、1LDKでも充分に満足することができる可能性もあります。
もちろん、自分の意志で購入が決定できる人であることが大前提です。
子どものいない夫婦
夫婦であっても、子どもがいない場合は、1LDKを購入するという選択肢は考えられます。
特に夫婦で働いているようなケースであれば、自宅で過ごす時間は限られており、家事に割く時間も少なくなりがちです。
掃除のしやすさ、利便性などを考えると、ターゲットになり得るでしょう。
セカンドハウスを探している
すでにマイホームはあるけれど、セカンドハウスとして物件を購入したいという人もいます。
セカンドハウスというと、別荘というイメージがあるかもしれませんね。もちろん、リゾート地にセカンドハウスとして1LDKのマンションを購入するというのもありますが、最近では暮らし方は人それぞれです。
「ふだんは地方に暮らしていて都心にセカンドハウスを購入する」あるいは「仕事部屋としてマンションを探している人」などが購入候補者になります。
老夫婦の住み替え
子どもが独立するとマイホームの空き部屋が増えてしまうため、住み替えを検討する老夫婦もいるでしょう。
また、収入が限られる定年退職後のセカンドライフゆえに、固定資産税や水道光熱費を抑えることを踏まえると住いのダウンサイジングは重要です。
特に年齢を重ねた人が求める物件は、買い物の便利さ、交通の便、病院が近くにあるかなど、独身者や子どものいない夫婦と同じような理由となります。
このように個人の思い込みにとらわれずに入居希望者の真のニーズに気づくと、ターゲットは絞り込みやすくなるでしょう。
2.きれいな状態に保つ
いくら中古とはいえ、購入者はできるだけきれいな物件を購入したいと考えています。そのニーズに応えるには、常日頃から掃除を心がけて、きれいな状態を保っている必要があります。
ただ、生活していくうちに、個人の手ではどうしても落としきれない汚れなどが出てしまいます。売り出す前にはハウスクリーニングに依頼をして、きれいにしてもらいましょう。
ハウスクリーニングの費用は部屋の間取りや広さによって異なり、小さい部屋ほど費用は安くなります。お試しクーポンを発行していたり、期間限定の割引サービスを実施している業者も少なくありません。
もちろん、売却直前にハウスクリーニングをしてもOKですが、普段からの積み重ねが、きれいさに磨きをかけるコツとも言えます。
参考 売却を成功させる内覧のコツに関しては、こちらの記事が詳しいです。

3.信頼できる業者に依頼する
不動産販売会社には、それぞれ得意な分野があります。いくら評判の良い会社であっても、1LDKの中古マンションを販売した経験がない、少ない会社の場合は、そのノウハウがありません。
不動産販売会社を選ぶときには、1LDKマンションの豊富な販売経験があり、ノウハウを持っている会社に依頼することが大切です。そして、その中で見極めていくべきなのが信頼できる業者であるかどうかです。
自分たちの話を聞いてくれるのか、会社の都合ばかりを優先していないか、小まめに進捗状況を報告してくれるのか、などといったことから見極めていくと良いでしょう。
参考 信頼できる不動産業者の選び方に関しては、こちらの記事が詳しいです。

4.購入希望者の立場にたって対応する
投資物件は別として、購入希望者は物件を内見してから購入するかどうかを判断します。
内見は土日祝日に集中する傾向がありますが、売り出し中は、できる限り購入者の希望日時にあわせることが大切です。
内見でよく見られるのが、「この部分は見ないで下さい」と制限をかける行為です。
売主としては、「汚れている、要らないモノを詰め込んでいるなどで見て欲しくない」という思いから見せないのでしょう。
しかし、そのような行為は、そこが「どのような状態になっているのだろう?」と、購入希望者を不安にさせてしまいます。
中古物件は現状での引き渡しになることがほとんどです。できる限り、購入希望者が不安な思いを抱かないように対応しましょう。
どうしてもモノが邪魔なときには、思い切って処分する、一時的にトランクルームを借りてモノを移しておくなどといった対処をお勧めします。
- 購入者のターゲットを絞り込む
- 物件をできるだけ、きれいな状態に保つ。ハウスクリーニングを活用する
- 不動産会社の得意な分野を見極め、信頼できる業者に依頼する
- 購入希望者の立場にたって対応する
1LDKのマンションが売れない時の対処法
さまざまな方法を試しても、「どうしても1LDKのマンションが売れない」というケースも考えられます。そのような場合はどうすればよいのでしょうか?
もちろん、他の業者に依頼し直す、価格を下げるなどの売却方法がありますが、ここからは他の方法に関して解説していきます。
賃貸に出す
賃貸に出して家賃収入を得るという手もあります。
周辺物件の賃貸相場を調べて、自主管理での大家さん稼業をスタートさせてもよいですし、不動産の賃貸業者に入居付けから管理までを委託する方法もあります。
自主管理の場合は1室とはいえ顧客対応などの手間がかかりますが、管理を委託すれば手間はかからない反面、自主管理よりも収益は少なくなります。
参考 アパート経営のメリット・デメリットに関しては、こちらの記事が詳しいです。

自分が住む・利用する
投資物件でサブリース契約が切れている場合には、思い切って自分が住んでもよいでしょう。
また、自分や家族などのセカンドハウスとして利用する方法も考えられます。
バケーションレンタル(民泊)に登録する
いわゆる民泊のことなのですが、1日単位で貸し出せるのがメリットであり、専用サイトに登録して利用者を募集するのが一般的です。
ただし、手間がかかったり、立地条件によっては利用者が見込めないことがあり、部屋の状態を常にきれいに保っていなければなりません。
民泊を経営しているつもりで真剣に取り組むことが大切です。
プロに買い取ってもらう
1LDKのマンションを売ると考えた場合、購入者は1LDKに住みたい人をイメージするかもしれません。とはいえ、購入者は必ずしもそこに住まなくても良いのです。
不動産買い取り業者は、いわばプロ。一般的に売れない、売れにくい1LDKのマンションであっても、買い取り業者は買い取ってくれますよ。
ただし、買い取り業者はあくまでも仕入れのために購入します。そのため、一般的に仲介業者を介して売るときよりも、買い取り価格は低めになる傾向にありますが、固定資産税というコストを手放すこともできます。
長い目で見た場合、売れないマンションを塩漬けするよりも、メリットがあるかもしれません。
参考 不動産買取のメリットとデメリットに関しては、こちらの記事が詳しいです。

- 賃貸に出して収入を得る
- 自分が住む・利用する
- バケーションレンタルに登録して収入を得る
- プロに買い取ってもらう
1LDKのマンション売却には不動産一括査定サイトがおすすめ!
どうすれば1LDKのマンションが売れるのか、万一、売れないときにはどのような対処法があるのかを解説してきました。
マンションは保有しているだけで固定資産税などがコストとしてかかりますし、賃貸に出して収入が得られたとしても空室リスクは避けられません。
そのような状況を踏まえると、できるだけ早く高く売却する方がメリットは大きいのは間違いないでしょう。
とはいえ、数ある不動産会社の中から1LDKマンションの売却が得意で実績ある不動産会社を選び出すのは難しいです。
そこでお勧めなのが、不動産売却一括査定サイトです。
条件に合った不動産会社をリストアップしてくれますので手間いらず。業者の実績も分かりますので、安心して任せられますよ。
まずは一度、不動産売却一括査定サイトを試してみてはいかがでしょうか⁈
不動産の一括査定サイトはいくつかありますが、どれを使おうか迷ったらHOME4U不動産売却を利用するとよいでしょう。
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