アパート経営って本当に儲かるの?損しないために学ぶべき失敗ケース

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アパート経営って本当に儲かるの?損しないために学ぶべき失敗ケース アパマン経営

アパート経営は、土地活用のなかでもよく知られた代表的なものです。
土地を相続したときなどに、まっさきに思い浮かべる人は少なくないでしょう。

「でも、ほんとうにアパート経営って儲かるのかな?」
最近では、アパート経営にまつわるトラブルがニュースで話題になることもありますので、ちょっと不安ですよね。

そこで今回は、アパート経営で失敗するケースと成功する条件を紹介します。
アパート経営を検討する際に、ぜひ参考にしてください。

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アパート経営で「儲かる」とは?

アパート経営で「儲かる」とは?

アパート経営で「儲かる」という本質的な意味を理解するためには、以下の点が重要になります。

  • 利益ではなくキャッシュフローで考える
  • 減価償却と節税の関係

アパート経営をはじめとした不動産経営と株式投資などは、根本的に異なります。なぜなら、不動産は「実物資産」であるので経費がかかり、経年劣化していくからです。減価償却費用という考え方も、ほかの投資にはない考えになります。

アパート経営で儲けるためには、まずその点を理解しなければいけません。これは、ほかの投資を行った経験がある人も必ず知っておくべきことです。

利益ではなくキャッシュフローで考える

まず、アパート経営で儲かるというのは、利益ではなくキャッシュフローが重要です。というのも、アパート経営をするときには、以下のような費用(支出)があるからです。

  • ローン支払い
  • 室内の補修費用
  • 設備入れ替え費用
  • 外観の補修費用
  • 管理費用
  • 固定資産税
  • 不動産所得税
  • 保険料(火災保険など)

賃料収入という利益だけでなく、上記の費用も加味したキャッシュフロー、言いかえると「最終的に手元に残るお金」を計算しないといけません。そのお金が、本質的なアパート経営の儲けとなります。

減価償却と節税の関係

減価償却費とは、建物や設備などの取得費用を、何年かに渡って経費として計上できる費用のことです。

経費として計上すると、「賃料収入-経費」で計算される不動産所得が減額されます。

そのため、不動産所得税の節税になるというメリットがあるのです。

耐用年数の期間が経過するごとに税負担は上がっていく

その減価償却費は、建物の構造や設備の種類ごとに耐用年数が違い、その耐用年数の期間だけ経費として計上できます。耐用年数の期間が経過すれば、減価償却費として計上できる金額がゼロになるので、税負担は上がっていくということです。

たとえば、木造アパートであれば建物自体の耐用年数は22年で、大半の設備の耐用年数は15年です。15年経過した時点で設備の減価償却費はゼロになるので、支払うべき税負担は増えます。

22年後には、建物の減価償却費もゼロになるので、さらに税負担は上がることになります。

ほかの投資ではこのような考え方はないので、投資経験者でも知らないかもしれません。アパート経営の儲けを考える上では必ず理解しておきましょう。

アパート経営に失敗するケース

アパート経営に失敗するケース

さて、アパート経営で儲かるようにするには、失敗するケースを知っておきましょう。これまでのアパート経営の失敗事例を見ることで、同じような失敗をしないようにする対策が立てられます。

失敗するケースをまとめると、このようになります。

  • アパート経営を放置しすぎた
  • 表面利回りを重視しすぎる
  • 管理会社をうまく活用できていない
  • 入居者とのトラブルに疲弊してしまった
  • 節税を意識しすぎて収支悪化を軽視してしまった
  • 自己資金に対して借入比率が高すぎた
  • 将来の家賃下落と空室率の上昇を考慮していなかった
  • 火災や地震等のリスクを軽視していた
  • 設計をハウスメーカー任せにしてしまった
  • 立地の見定め(立地選定)が甘かった
  • サブリースに手を出してしまった

それぞれ詳しく見ていきましょう。

アパート経営を放置しすぎた

アパート経営は、基本的には安定して賃料収入が入ってきます。とはいえ、それは入居者がいる前提であり、空室になるときもあれば、家賃が下落するときもあります。

安定した収入があるからといって、アパート経営を放置しすぎると、気づいたら赤字になっているという状況も考えられるので注意が必要です。

特に、新築時は賃借人も付きやすいですが、築年数が経過していくと段々と賃借人が付きにくくなるケースは少なくありません。

そのため、周辺の競合物件を常にチェックしたり、フリーレントや初期費用無料などの対策も検討したりしておきましょう。

フリーレントとは、「1カ月間賃料無料」などのことであり、初期費用無料とは「敷金や礼金を無料にすること」です。要は、賃貸借契約を結ぶハードルを下げ、賃借人に注目してもらうというのが目的になります。

賃借人が付かないからといって、すぐに実施する必要はありませんが、少なくとも対策は常に頭に入れておきましょう。

表面利回りを重視しすぎる

アパート経営をはじとした不動産投資は、「利回り」が重要視されます。利回りには表面利回りと実質利回りがあり、それぞれの計算式は以下の通りです。

  • 表面利回り:年間賃料÷物件価格×100
  • 実質利回り:(年間賃料-年間経費)÷物件価格÷100

表面利回りは上述した「経費」を加味しておらず、実質利回りはきちんと加味しているというわけです。

経費を加味しない表面利回りを重視すると、とにかく「物件価格の安さ」を重視してしまいやすいので、老朽化していたり立地が悪かったりします

そうなると、「空室期間が長くなる」「補修費用が高額になる」などの状態になりやすいので、結果的には実質利回りは落ちてしまいがちです。

そのため、表面利回りを気にして物件価格だけに注目するのはやめて、空室率や経費もきちんと加味した物件選びをしましょう。

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管理会社をうまく活用できていない

アパート経営は、以下の業務を管理会社に任せることが一般的です。

  • 賃借人の募集
  • 賃借人との契約行為
  • 共用部の清掃
  • 賃借人への家賃回収業
  • 賃借人とのトラブル処理

上記のような業務は、どこまで依頼するか、また管理会社がどこまで行ってくれるかは、その管理会社によって異なります。

上述した空室時の対策(フリーレントや初期費用無料など)の提案や、アパートの資産価値向上のための補修提案など、実は管理会社ができることは幅広いです。

とはいえ、それは優良な管理会社に限った話であり、多くの管理会社は機械的に業務をこなすだけになります。アパート経営で儲けるためには、きちんとアパート経営に関してアドバイスをもらえるような管理会社を選定しなければいけません。

入居者とのトラブルに疲弊してしまった

入居者は色々な方がいて、かつアパート経営は長い期間付き合うことになることも多いです。そのため、以下のように入居者とトラブルを起こしてしまうこともあります。

  • 騒音トラブル
  • 共用部の使い方に関するトラブル
  • アパート全体のルールによるトラブル

騒音トラブルは、主に入居者同士のトラブルになりますが、そのクレームがオーナーに入ることは多いです。

これも前項に付随する部分ではありますが、そのようなトラブルも円滑に解決するような、ノウハウが豊富な管理会社を選ぶ必要があります。

アパートには外部廊下やエントランス・ゴミ置き場などの共用部があります。たとえば、「ゴミ捨てのルールが徹底されていない」や「外部廊下の電気が明るすぎて夜気になる」など、共用部に関するトラブルも意外と多いものです。

これも、管理会社を通さずにアパート経営者が全て処理してしまうと、賃借人との交渉に時間と労力を割き、疲弊してしまうという結果になってしまいます。

そのため、まずは賃貸借契約を結ぶ前に良く見極めることと、きちんとトラブル処理をする管理会社の選定が肝になってきます。

節税を意識しすぎて収支悪化を軽視してしまった

アパート経営は減価償却費を経費として計上できるので、節税効果の高い土地活用です。

アパート経営にかかる費用は「ローンの利息」や「補修費用」なども経費計上できるので、「支出が多い=節税効果が高い」という発想になると失敗を招きかねません

経費以外にも、アパート経営の収益が赤字になると、ほかの所得と合算することもできるので、さらなる節税にもつながります。

会社員であれば給与所得からアパート経営の赤字分を減額できるので、一見節税効果が大きくメリットがあると思いがちです。

ただし、収支が悪化しすぎると、キャッシュフローも赤字になり、アパート経営をしている意味がなくなります。アパート経営が赤字つづきだと金融機関からの信用も落ちるので、新たな借り入れがしにくくなるというデメリットもあります。

節税を意識するのは構いませんが、キャッシュフローの黒字化は必須であると考えましょう。

自己資金に対して借入比率が高すぎた

アパート経営は、金融機関からの借り入れによるレバレッジ効果も魅力の1つです。

たとえば、自己資金が300万円で3,000万円の借り入れができれば、レバレッジ効果は10倍となります。レバレッジ効果が高いほど、「少ない元手で儲けが多い」という状態になりやすいのです。

とはいえ、借入金額が大きくなりすぎると、空室になったときのローン返済が大変です。空室の部屋が多くなり、空室期間が長引けば、手持ち資金から費用を捻出せざるを得ないという失敗事例になります。

特に、大企業の会社員や公務員は安定して収入を得られるので、金融機関は高額な融資を通すケースもあります。銀行で借入可能だからといって「返済できる」わけではないので、きちんと収支計算をした上で借入額を考えましょう。

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将来の家賃下落と空室率の上昇を考慮していなかった

アパート経営のリスクは「空室」と「家賃下落」なので、この2点は加味して収支計算をしましょう。

たとえば、2階建て6室のアパート(家賃付き7万円想定)経営をするとします。この場合、空室と家賃下落を考えなければ、「6室×7万×12カ月=504万円」の賃料収入になるという計算です。

しかし、2室が1カ月ずつ空室になれば、途端に490万円まで賃料収入は下落します。5年後に家賃は6.5万円まで下がるかもしれません。

そうなると、さらに収支は悪化して想定していた利回りで経営できなくなるので、下手したら赤字経営となり失敗するリスクも高まります。

このような事態にならないよう、周辺の物件事例や、管理会社などがストックしている過去の実績などを照らし合わせ、空室と家賃下落も加味したアパート経営を行いましょう

火災や地震等のリスクを軽視していた

上述したように、アパート経営は実物資産になるので、建物が火災になったり、地震になったりするリスクがあります。

現在の建築基準法だと、「数十年に一度起こるレベルの地震は大きな損傷をしない」「数百年に一度起こる規模も地震に対して倒壊しない」というレベルの建物になります。

大きな損傷はしなくても、地震により建物に亀裂が走れば補修しますし、設備が破損すれば入れ替えます。それは、火災のときも同じです。

対策としては、適切な保険に加入することです。保険には火災保険と地震保険があり、火災保険はローンを組むと必須加入になる上に、保険料はさほど高くありません

一方、地震保険はプランによって異なりますが、火災保険の数倍の保険料になるケースも少なくありません

そのため、行政が公開しているハザードマップで、エリア的なリスクを確認しましょう。そのリスクを踏まえ、地震保険に加入するか、加入するとしたらどのようなプランにするかを判断すべきです。

設計をハウスメーカー任せにしてしまった

アパート経営をする場合、設計・施工はハウスメーカーや工務店などに依頼します。そのとき、アパートの設計をハウスメーカーや工務店任せにしてはいけません。

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「間取り」や「設備・仕様」も、賃借人が入居の際に気にする要素なので、きちんと考える必要があります。

エリア的にどのようなターゲット層をメインにするかで、部屋の間取りも変わってきますし、共用部の設備も変わってきます。

たとえば、女性単身がメインターゲットであれば、少しお金をかけてでもセキュリティを高める必要があるなどの判断も必要でしょう。

それを怠り、ハウスメーカー任せにしてしまうと、収益を上げにくいアパートになり失敗しやすいというわけです。

立地の見定め(立地選定)が甘かった

アパート経営をする場合は、たいていの場合は土地があって、そこにアパートを建築するという流れでしょう。

たとえば、親から相続した土地にアパートを建築するなどのケースは比較的多いでしょう。そのようなときに、立地を気にせずアパート経営をすると失敗します。

アパート経営にはアパート経営に適している立地があり、きちんと見定めないと空室率が上昇し、家賃下落が大きくなります。「ターゲットはどのような人達で、その立地には魅力があるか?」をきちんと検証しましょう。

アパート経営は、土地活用としては比較的メジャーな方法になりますが、「アパート経営」ありきで考えるのではなく、「どのような土地活用をするか?」という観点から考えましょう。

そうすれば、「立地的にアパート経営が儲かりやすい」という、本質的な流れになります。

サブリースに手を出してしまった

最後の失敗例は、サブリースに手を出してしまうことです。サブリースとは、以下のような流れで賃貸借契約を結ぶことです。

  • サブリース業者と賃貸借契約を結ぶ(マスターリース契約)
  • サブリース業者が賃付けをして第三者と賃貸借契約を結ぶ(サブリース契約)
  • アパート経営者はサブリース業者に手数料を支払う

サブリースを選択すれば、第三者が賃貸しない「空室」状態でも、サブリース業者から賃料をもらえるということです。ただ、手数料が発生するので、サブリース業者を挟まない通常の賃貸よりは、収益は落ちます。

空室リスクがないので一見サブリース契約は良い契約に思えますが、家賃の見直しがある点を覚えておきましょう。たいていのサブリース業者は「2年に1回」の見直しがあり、家賃が減額されることが少なくありません。

家賃が減額されると賃料収入が更に減るので、サブリース契約をするときは、減額されても収支が成り立つかを良く検討しましょう。

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アパート経営に成功するための条件

アパート経営に成功するための条件

さて、失敗事例を学んだところで、次はアパート経営に成功するための条件を解説します。

  • 立地条件の良い土地を持っている
  • 自己資金に余裕がある
  • オーナー自ら管理に積極的に関わる

この条件に当てはまれば、アパート経営は成功しやすいので、自分の状況に当てはめてみましょう。

立地条件の良い土地を持っている

まずは、すでに土地を所有しており、立地条件が良いということです。

アパート経営は土地を購入し、そこにアパートを建築するという方法もあります。そうなると、土地代も初期費用に含まれるので、利回りは悪化しますし、ローンも高額になりがちです。

土地も購入するパターンで利回りを高くするためには、賃料を高く設定するか、建物の建築費を抑えるしかありません。これは、いずれも空室リスクが増すことにつながってしまうので避けた方が良いでしょう。

基本的には、土地を所有している前提で、その土地がアパート経営に向いている立地であることが条件になります。

自己資金に余裕がある

自己資金に余裕がないと、以下のリスクが発生します。

  • ローンが高額になる
  • 空室時赤字のときの対応ができない
  • 予期せぬ支出に対応できない

自己資金がないと、ローンが高額になり、月々支払額が高額になります。変動金利で組んでいれば、将来的に「支払額上昇」というリスクもあります。

アパート経営などの不動産投資で借入する場合には、その投資で得た収益をローン返済に充てます。そのため、空室時には賃料収入がなく、自己資金を捻出することになるので、自己資金に余裕がなければ経済的に追い込まれてしまうのです。

さらに、突発的な補修費やトラブル対応費など、予期せぬ支出もあるので、自己資金に余裕がないとお金を作るのに苦労します。

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オーナー自ら管理に積極的に関わる

上述したように、アパート経営において管理会社に頼る部分は大きいです。とはいえ、全てを管理会社に任せて放置せずに、オーナーも以下のような管理業に積極的に関わりましょう。

  • 賃借人の精査
  • 競合物件のチェック
  • 共用部の清掃業務

賃借人との契約行為は管理会社に依頼しますが、賃借人の精査(最終判断)はオーナーの仕事です。プロフィールだけではありますが、賃料滞納やトラブルリスクを見極め、慎重に対応しましょう。

また、競合物件のチェックを常に行い、賃料を改定する必要はあるか?設備・仕様を変更する必要があるか?が分かってくるので、空室率の改善につなげましょう。

最後の「共用部の清掃業務」は時間があったらで構いませんが、共用部の清掃を自ら行うことで、管理会社に支払う費用は減ります。

小規模のアパート以外は難しいでしょうが、収支改善という意味では、やれることは自分でやった方が儲かりやすいです。

儲かるアパート経営のために失敗の原因を理解しましょう

このように、儲かるアパート経営をするためには、いくつかのポイントがあります。

特に、失敗事例に関しては誰にでも当てはまる可能性があるので、しっかりと理解しリスクヘッジしておきましょう。アパート経営も、少なくない投資額になるので、慎重に判断することをおすすめします。

以上、アパート経営は儲かるのか?失敗する11のケースと成功する3つの条件…でした。

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