不動産は相続前に売却するべきか?相続対策としての不動産売却をメリットとデメリットから徹底検証!

2015年より相続税について大きな改正が行われました。
一番のポイントは基礎控除額の改正であり、大幅に控除額が下がったのです。

このことにより、これまでは相続税の納税対象者でなかった人が納税対象者になるケースが増えるため、相続に対する知識や理解がより大切となります。

不動産を相続するケースは多いのですが、「相続開始前に不動産を売却する方がよいのか、相続開始後の方がよいのか」お悩みではありませんか?

今回は、不動産を相続開始前に売却することについて、具体的なメリットやデメリットを検証しながら解説します。

相続開始前に不動産を売却するメリット

まず、相続開始前に不動産を売却する場合、どのようなメリットがあるのか説明していきます。

現金化することで相続財産を分けやすくなる

相続による遺産分割において、不動産は単純に分割することが難しいため、相続人同士の遺産トラブルのもととなることが少なくありません。

そういった「争族」を避けるためには、あらかじめ不動産を売却し現金化することで遺族間において分割しやすくしておくことが方法のひとつです。

不動産を分割するには、持分割合による共有という形を取りますが、共有した不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要になります。

また、共有者の一人が自分自身の持分のみ売却することも可能ですが、第三者へ売却することでさらにトラブルに発展することがよくあります。

相続などで取得した共有名義の土地(不動産)を売却する方法には、「自分の持分だけ売却する」「分筆して売却する」「売却して持分割合で分ける」があります。土地を売る時の注意点は、経費の分け方や税金、換価分割、贈与に当たる無償での名義変更、抵当権の問題などがあります。


相続開始前に不動産を売却し現金化することは流動性の面で優れており、持分割合で共有することで発生する問題を防ぐこともできます。

相続税の納税資金に充てられる

相続開始前に不動産を売却して得た現金を納税資金に充てることができるため、納税時に慌てることなく対応できます。

もちろん、相続開始後に不動産を売却し納税することも可能ですが、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、申告から納税までを済ませなければいけません。

売却までに時間がかかってしまうと、納税期限までに納税資金の準備が間に合わないリスクや、納税期限が迫る中、想定よりも低い価格で売却してしまうというリスクもあります。

固定資産税や維持管理の負担から解放される

相続する不動産が、誰も使用していない不動産や遺族にとって必要のない不動産であっても、固定資産税や維持管理費用のコストはかかります。

相続開始前に、使用しないまたは必要のない不動産を売却することにより、このようなコストが節約できます。

相続開始前に不動産を売却するデメリット

次に、相続開始前に不動産を売却する場合のデメリットについて説明します。

譲渡所得税が課税される

相続開始前に不動産を売却した場合、一般的な不動産売買と同じになりますので、売却価格から取得費や諸経費を差し引いた譲渡所得(譲渡益)に対して、譲渡所得税が課税されます

譲渡所得税の税率は、譲渡した不動産の所有期間に応じて異なります。
譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得となり、税率はそれぞれ以下の通りとなります。

所有期間所得税住民税
短期譲渡所得
(所有期間が5年以下)
30.63%9%
長期譲渡所得
(所有期間が5年超)
15.315%5%
※復興特別所得税2.1%含む(平成25年から平成49年まで)

現金化すると相続税評価額が高くなる

相続税における不動産の評価基準は、土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」であり、いわゆる時価(相場)ではないため、課税評価額が時価よりもかなり低い価格になります。

さらに一定の要件を満たせば、小規模宅地等の特例などの適用を受けることができ、相続税を節税することができます。

これに対して、相続開始前に不動産売却により得た「現金」を相続する場合、課税評価額は現金の価額となるため、不動産の場合と比較すると納税額はかなり高くなってしまうでしょう。

賃貸物件等の場合、収益機会を失う

相続開始前に売却する不動産がアパートやマンションなどの賃貸物件の場合、その不動産から得られる賃貸収入などの収益機会を失うことになります。

相続開始後の不動産売却時にかかる税金と節税対策のポイント

続いて、相続開始後に不動産を売却した場合に課税される税金とその節税対策について、確認しましょう。

譲渡所得税

相続開始後に不動産を売却して相続税を支払っても、譲渡所得(譲渡益)が出た場合は譲渡所得税を納付しなければなりません。

「相続税を納付するために不動産を売っているにもかかわらず、譲渡所得税まで納付するのは二重課税なのでは?」とも感じますが、税務署や国税庁の見解は違っています。

相続税の考え方は「相続した財産」への課税、譲渡所得税の考え方は「譲渡益(値上がり益)」への課税という見解で、相続財産でも売却すれば、その時点で実現した「譲渡益(値上がり益)」について、譲渡所得税が課税されるのです。

それでは、この譲渡所得税についての節税対策はないのでしょうか?
実はふたつの節税対策があります。

「相続税の取得費加算」の特例により譲渡所得税を節税できる

相続税の申告期限の翌日から3年以内(被相続人が亡くなってから3年10ヶ月以内)に相続した不動産を売却した場合、その不動産に対する相続税額を取得費に加算できるという特例が認められています。

【譲渡所得の計算方法】
譲渡所得(譲渡益)=売却価格-取得費(購入価格など)-譲渡費用(仲介手数料や諸費用など)

取得費に相続税額が加算できるため、必然的に譲渡所得(譲渡益)が少なくなり、節税効果が得られるわけです。

所有期間は被相続人の取得時期を引き継げる(長期譲渡所得扱い)

相続した不動産の場合、被相続人(亡くなった人)の取得時期を承継します

そのため、被相続人が亡くなるまでに5年を超えてその不動産を所有していれば、相続開始後すぐに売却しても長期譲渡所得として申告できるため、節税効果が得られます。

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相続税

相続税については2015年より大きく改正され、2015年1月1日以降に取得する相続財産に係る相続税から適用されています。

大きく改正されたのが「基礎控除額」です。

【基礎控除額の計算方法】
(改正前) 5,000万円+500万円×法定相続人の数
(改正後) 3,000万円+300万円×法定相続人の数

そして「税率」も改正されています。

(2015年1月1日以降)

課税価格税率控除額
1000万円以下10%
3000万円以下15%50万円
5000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1700万円
3億円以下45%2700万円
6億円以下50%4200万円
6億円超55%7200万円

相続税に関して、気をつけたい二つのポイントについて説明します。

納付期限(相続開始後10ヶ月以内)が決まっているため、安値で妥協せざるを得ないことも・・・

相続税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告し、同時に現金による一括納付が原則となっています。
この期限に遅れると延滞税や加算税が課税されてしまいます。

このため、不動産を売却するにあたって、「◯月◯日までに売らなくてはいけない」という制約がつくことにより、売却交渉において不利な状況や立場になってしまい、安い指値条件にも妥協せざるを得ない可能性があります

相続人で意見が食い違うと売却できないことも

【相続の大きな流れ】
相続開始 ⇒ 相続人確定 ⇒ 相続財産確定 ⇒ 遺産分割協議開始 ⇒ 協議成立 ⇒ 不動産売却 ⇒ 申告・納税

相続した不動産は、確定した相続人の間で遺産分割協議が行われ、合意が得られてから売却することとなります。

分割協議での合意形成がスムーズにできれば問題はありません。

しかし、相続不動産が自宅などの場合、相続人の間でその不動産を利用できる人とできない人に分かれるため、他の現金などの相続財産で調整が取れない限り、意見が食い違い、足並みをそろえることができなくなることがあります。

こうした経緯から、協議がこじれてしまい、納付期限までに不動産を売却できないケースが出てきます。

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不動産の相続については事前の準備と対策を

相続は配偶者や血縁者がいれば、誰にでも発生し、100人いれば100通りの事情がある、と言われています。

しかし、誰にでも起こる相続に対して、生前から向き合って対策を検討している人は少ないのが現状です。

特に不動産はその扱いを間違えると「争族」のもとになりますし、かかる税金や売却方法など知っておくべき知識や情報も非常に多くあります。

納税資金のために相続した不動産を売却するのであれば、いつまでにいくら必要なのか、その資金をどうやって捻出するのか、他にかかる費用や税金はないのかなど、事前に綿密な準備と対策を講じておくことが大切です。

以上、不動産は相続前に売却するべきか?相続対策としての不動産売却をメリットとデメリットから徹底検証!・・・でした。

 

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