家を売る時にこれだけは押さえておきたい5つの注意点

不動産売却

あなたが家を売る時、その理由はさまざまですが、売主として知識と知見を持ったうえでしっかりと準備をし、決断することが売却を成功させる鍵となります。

今回は、あなたの家の売却を成功させるために、家を売る時の5つの注意点について解説します。

物件に関する注意点

あなたが家を売ることを決めたら、商品となる家の状況について把握しておく必要があります。売主としてきちんとした対応が取れるよう、物件について理解を深めておきましょう。

 

登記と実際に相違はないか?

あなたの家が一戸建ての場合、土地や建物について登記されている内容と現況が異なるケースがあります。

土地については、登記内容と公図や地積測量図の内容が異なっていたり、確定測量を行うと面積が違うケースが多々あります。

建物については、増築等を行った場合に建物表題変更登記をし忘れていることがあります。

登記内容と現況の相違は、物件の決済引渡し前に売主の責任と負担において是正しなければならないケースがほとんどです。
事前に、登記簿謄本や公図、地積測量図等の内容について確認しておきましょう。

あなたの家がマンションの場合、部屋の床面積が登記面積と売買契約書や販売パンフレットの面積と異なるケースが多くありますが、特に心配はありません。

なぜなら、登記されている床面積は内法面積で、売買契約書や販売パンフレットにある床面積は壁芯面積のためです。

 

住宅ローンは完済できるか?

ほとんどの人が、ご自身の家を取得される時は住宅ローンを利用します。
この場合、住宅ローンを融資した金融機関はお金を借りた人の土地や建物に抵当権を設定します。

抵当権とは、金融機関がお金を借りた人の家に設定する担保権のことです。

わかりやすく言うと、万が一、あなたがローンの支払いができなくなった場合に、優先的にその不動産を処分して貸金を回収できる権利となります。

売主は、物件の決済引渡しと同時に抵当権を抹消しなければなりません
売却代金によってローン残債を支払うことが一般的ですが、売却価格がローン残債より低い場合は、不足分を自己資金で補填する必要が生じます。

抵当権とは?不動産売却の際に必要な抵当権抹消登記の方法
抵当権が設定されている不動産を売却する場合は、売主の義務としてその抵当権を必ず抹消登記しなければなりません。抵当権抹消なしに引き渡すと、売主として債務不履行となり、違約金や損害賠償の請求を受けたり、契約解除にまで発展することも考えられます。

 
事前に、金融機関にてローン残債を確認し、健全で安心な資金計画を立てましょう。

 

境界明示はできているか?

売主は、隣地との境界も確定させておかなければなりません
売却後に境界や越境問題が発覚した場合、損害賠償請求に発展するケースもあるためです。

お手元に確定測量図があれば問題ありませんが、ない場合は、費用は掛かりますが土地家屋調査士に依頼することをお勧めします。

確定測量を依頼すれば、隣地とのすべての境界の明示、土地境界確認書の取得、確定測量図の作成などの作業を行ってもらえます。

雨樋やエアコン室外機などが隣地より自分の土地に越境している場合、越境に関する覚書を取得するなどして、事実関係をはっきりとさせておきましょう。
費用は確定測量と別にかかります。

確定測量や越境に関する費用は、後に発生する損害賠償と比較すれば金銭的にも精神的にもはるかに安いものです。

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リフォームや解体は必要か?

家を売る場合によく悩むのが、リフォームや解体をしてから売る方が良いのか?ということです。

結論から申し上げれば、必要ありません
なぜなら、リフォームや解体は費用がかかり、その分だけ価格に転嫁できれば良いですが、裏目に出るケースも少なくないからです。

特にリフォームの場合、200万円~300万円位かけてリフォームしたとしても買主が価値を感じてくれなければ無意味です。

リフォームや解体など、その後の利用については買う側に任せた方が良いのです。もしもの場合は、その分価格調整をしてあげた方が喜ばれます。

家を解体して更地にするメリットとデメリットに関しては、こちらの記事に詳しく解説しています。

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不動産業者の選び方に関する注意点

あなたの家の売却を成功させるために、心強いパートナーとなる不動産業者の選び方について見ていきましょう。

 

不動産業者の見極め方

不動産業者選びであなたが悩むのは、

  • 有名大手不動産業者
  • 駅前の不動産業者
  • 老舗の不動産業者

のうちどの不動産業者を選べば良いのか、ということではないでしょうか。

有名大手不動産業者や駅前の不動案業者は、情報量や立地の点で良さそうですが、現在では他の中小・零細の不動産業者とあまり差はありません。

なぜなら、ほとんどの不動産業者が利用するレインズという不動産情報ネットワークシステムが、インターネット経由で構築されたからです。

レインズに登録していれば膨大な不動産情報を扱えるため、会社の規模や立地は関係ありません。老舗かどうかもあまり神経質にならなくてよいでしょう。

たとえ免許番号の数字が(1)の新興企業だとしても、最新のIT技術などを駆使してホームページを整備し、情報管理を徹底して行い、高い成約率を誇る新しい会社は少なくありません。

売主のニーズや情報流通の背景を取り込み、精力的に業務に取り組んでいる不動産業者を見極めることが大切です。
会社の規模や立地、営業年数は一切関係ありません。

 

不動産業者の得意分野や企業風土を見極めよう

次に不動産業者選びで大事なのは、会社の事業分野や企業風土です。

インターネットで良さそうな不動産業者の候補が見つかったら、その会社の事業分野を調べてみましょう。
ホームページを見れば簡単にわかります。

賃貸仲介や管理業がメインの不動産業者ではなく、売買に特化している不動産業者をピックアップしましょう。

次に企業風土ですが、お客さんの立場に立ち、同じ目線で対応してくれる企業風土を持つ不動産業者を選びましょう。
見極め方は、実際にその不動産屋さんに電話をかけてみることです。

そして、簡単に売却について相談してみます。
売主の売却背景や事情などを聞きもせず、簡単に査定価格を出す不動産業者や、一方的な押し売りや自社の都合・利益しか考えない対応をする不動産業者はNGです。

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一般媒介と(専属)専任媒介それぞれの注意点

パートナーとなる不動産業者とは媒介契約を締結します。
媒介契約とは、あなたの家の売却を不動産業者に依頼する契約のことです。

媒介契約には3種類の方法があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

この3種類の契約形態について違いを見てみましょう。

 一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
契約できる会社複数社と可能1社のみ1社のみ
自分で買い手を見つけて売却できるできる仲介を通さなければならない
契約期間規定なし3ヶ月以内3ヶ月以内
依頼主への報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
不動産流通機構(レインズ)への登録義務なし契約から7日以内に契約から5日以内に

それでは、どの契約形態で媒介契約を締結すれば良いのでしょうか?

「情報の拡散」と「取引報酬」の2つの観点から専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約をお勧めします。

まず「情報の拡散」ですが、「不動産業者の見極め方」で説明したとおり、ほとんどの不動産業者が利用しているレインズに物件を登録すれば、複数の不動産業者に重ねて依頼しなくても売却情報は隅々まで行き渡ります。

次に「取引報酬」ですが、1社限定である専任媒介もしくは専属専任媒介であれば、少なくとも売主さんからの報酬は確定します。

そのため、一般媒介と違い広告活動などの売却戦略に二の足を踏むこともなく、モチベーションを上げて活動してもらえるでしょう。

ただし、どうしても一般媒介契約で契約したいなら2社までに留めてください。
2社までであれば仲介手数料が得られる可能性は半々なので、不動産会社のモチベーションを維持できる可能性はあります。

一般媒介と専任媒介の違いとは?メリット&デメリットから考える選び方のポイント
不動産業者に売却を依頼する際の媒介契約には、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。レインズ登録義務や自己発見取引の可否など、それぞれの違いとメリット・デメリットをよく確認し、物件に最適な媒介契約を結ぶことが売却成功につながります。

 

売却価格に関する注意点

家を売る時に一番気になるのは「いくらで売れるか?」ということです。
不動産は全く同じものがないため「定価」がつけられません。
後悔のない売却価格で売れるための注意点について、確認していきましょう。

 

家の相場を調べておく

あなたの家の「定価」はなくとも「相場」はあります。

不動産業者に査定をしてもらう前に、インターネットの不動産ポータルサイトや不動産流通機構が運営しているサイトなどで、自分なりに相場を調査し、今の売却価格のイメージをつかんでおくことが大切です

 

査定は複数の不動産会社に

「不動産業者の選び方に関する注意点」を踏まえて、不動産業者を数社ピックアップしたら、複数の不動産業者に査定を依頼することがポイントです。

査定とは、不動産業者にあなたの家がいくらで売れるのかを見てもらうことです。
しかし同時に、あなたが不動産業者を査定する機会でもあるのです。

不動産業者の売却戦略や担当者のスキルなどを査定する良い機会ですので、必ず複数の不動産業者に査定を依頼しましょう

 

査定価格だけで不動産会社を選ばない

複数の不動産業者に査定を受けた時、注意しなければならないのは「査定価格=売れる価格」ではないということです。

査定価格とは、不動産業者が考える「おそらく売却できるだろう目安の価格」であり、査定価格より高く売れる可能性も安く売れる可能性もあります。

現実には、媒介契約を締結したいがために高く査定してくる不動産業者もいます。
査定価格を鵜呑みにして不動産業者を選ばず、必ず査定価格の根拠を聞き、不動産業者の売却戦略や担当者のスキルなどを見極めて選びましょう。

 

売却活動に関する注意点

信頼できる不動産業者と媒介契約を締結したら、いよいよ売却活動開始です。
あなたの家を早く高く売るために、気を付けるポイントを説明します。

 

不動産業者の販売活動とは?

不動産業者があなたの家を売るために行う販売活動は、主に次の5つです。

  • 店頭にチラシを掲示する。(店舗の場合)
  • 自社の見込客に物件を紹介する。
  • レインズに登録する。
  • インターネットサイトに登録する。
  • 新聞折込チラシやポスティングチラシ等を配布する。

不動産業者は自社に購入の見込客がいれば、まず真っ先に紹介します。ただし、理論的に数はかなり少ないはずです。店舗の場合は、店頭に掲示もしますが、「情報の拡散」という意味ではほとんど効果はありません。

次に、専任媒介や専属専任媒介の場合、決められた日数以内にレインズへの登録が義務付けられています。(専任の場合、契約締結後7日以内、専属専任の場合、契約締結後5日以内)これで、不動産業界には広く情報は拡散されます。

また、スーモやアットホームなど、不動産ポータルサイトへの情報公開を行うケースもあります。(もちろん、売主さんが出さないでくれと言えば非公開にできます。)

スーパーや自動車ディーラーのチラシと同様に、新聞に折込チラシを入れることもあるでしょう。
折込チラシもインターネットサイト登録と同様、実施不可とすることもできます。

その他に、DM(ダイレクトメール)やポスティングチラシなどがありますが、これらの媒体は、結構多額の費用が掛かります。費用がかかる媒体については、事前に不動産業者と費用負担などについて話しておきましょう

 

内覧の際の注意点

販売活動を通して買いたいお客さんの問い合わせを集めると、あなたの家を見学に来る内覧の申込みが入ります。

内覧のポイントは以下の5つです。

  • 窓を開け放し、空気を通す。
  • ゴミなどはきちんと片づけ、清潔で整理整頓された状態にする。
  • 電灯を新しく交換し、部屋の照明をすべて点灯させておく。
  • 男性や子供、ペットは外出しておく。
  • スリッパを用意しておく。

ある程度購入の意思を持って家を探している人は、現地を見た第一印象で判断をするケースは少なくありません。いずれのポイントも売主自身で行えることですので、ぜひ気持ちよく内覧してもらいましょう。

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買い手からの価格交渉には柔軟に対応しよう!

内覧をして、あなたの家を「買いたい!」と思った買主は、購入申込書を提出して購入の意思表明をします。
購入申込書には購入するための希望条件が書かれています。

その中で一番気になるのは、購入希望価格や購入条件でしょう。
購入希望書価格は売出価格より低いケースがあります。

もちろん売主としては受け入れたくありませんよね。
しかし、こちらの条件に固執すれば商談は流れる公算が高くなります

購入希望価格まで下げるのが諸事情により厳しいなら、今回の購入希望価格からどの程度まで予算を上げていただくことが可能か、買主に確認してみましょう。

お互いの妥協点を見つけられるよう努力してみてください。

その際、買主の購入意欲は内覧した日がMAXである場合が多いので、あまり日をおかずに柔軟かつスピーディーな対応を心掛けましょう

 

買取と仲介の違いを理解する

不動産の売却には、仲介の他に買取というシステムがあります。

仲介は、売却を依頼した不動産業者に一般の買主を探してもらい、成約時に仲介手数料を支払うシステムです。

一方の買取は、プロである不動産業者に直接あなたの家を買い取ってもらうシステムです。この場合、仲介手数料はかかりません。

売却価格を比較すると、仲介の場合は相場価格が目安になりますが、買取の場合は相場価格の70%程度になりますので、その差は非常に大きいと言えます。

買取のメリットとしては早く現金化できる、ということに尽きます。
仲介の場合は、すぐ売れる場合もありますが、通常2~3ヶ月程度の期間を要します。買主が現れなければ、いつまでも現金化できないリスクが伴います。

売主の事情や背景によって、どちらを選択するかは一概に言えませんが、時間的余裕があれば、まずは仲介でスタートする方がよいでしょう

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売買契約・決済引渡しに関する注意点

買主と条件の合意に至ったら、次はいよいよ売買契約・決済引渡しとなります。
あなたの家の売却活動も大詰めを迎えています。

 

売買契約時の注意点

売買契約を締結する前に、売買契約書の条項のうち次の3つの条項を確認しておきましょう。

 

手付金

契約の証明として売主は手付金を受け取りますが、手付金の額や解除期間に関してしっかりとチェックしましょう。

 

住宅ローン特約

買主の住宅ローン審査が通らなかった場合、無条件で契約を白紙にできるというものです。売主には何のメリットもない特約なので、買主の事前審査状況や特約期間についてチェックしておきましょう。

 

瑕疵担保責任

売主は買主に対して瑕疵担保責任を負う義務があります。
瑕疵担保責任とは、見えない欠陥(瑕疵)に対して売主が責任を負う、ということです。

瑕疵担保責任期間が設定されますので、必ずチェックしてください。
通常は引渡し後2~3ヶ月程度です。

瑕疵担保責任とは?不動産売却における瑕疵担保責任の期間や免責、保険について分かりやすく解説
瑕疵担保責任は、不動産売却において売主が買主に対して、その不動産に瑕疵があった場合に負わなければならない責任のことです。瑕疵担保責任免責とは、不動産売買契約時に売主・買主双方が合意して「売主は買主に対して瑕疵担保責任を負わなくてよい」とすることです 。

 

売却にかかる費用や税金を理解する

売買契約時や決済引渡し時に発生する費用や税金について確認しましょう。

 

契約時

 

印紙代

売買契約書に貼付します。印紙税という税金です。

 

仲介手数料(半金)

あなたが売却を依頼した不動産業者へ支払う仲介手数料です。
通常、契約時に半分を支払います。

 

決済引渡し時

 

司法書士費用

登記の手続きをしてくれる司法書士に支払います。
事前に見積り書をもらえます。

 

登録免許税

住所変更や抵当権抹消などがある場合、登録免許税を支払います。
立ち会った司法書士が対応してくれます。

 

仲介手数料(残金)

決済引渡し時に残金を支払います。

 

譲渡所得税

売却により利益が出た場合、譲渡所得税が課税されます。
売却した不動産の所有期間が5年以内か5年超かによって税率が異なります。
譲渡所得税は、家や土地を売却した翌年の確定申告で納付します。

不動産売却時にかかる税金と知っておきたい9つの節税ノウハウ
不動産を売却する時は、さまざまな税金が課税されます。納税はもちろん国民の義務ですが、無駄に支払う必要はありません。売却に課税される税金の種類と税額の計算方法と共に節税対策を理解しておくべきです。納め過ぎた税金を取り戻すのは難しいのですから。

 

これから家を売るあなたへ…

これまで家を売る時の注意点について見てきました。
家は大変高額であるうえ、法律や税金なども複雑に関係し負うべき義務や責任が大きな商品です。

売主であるあなたは全てを不動産業者任せにせずに、事前に自分自身で十分な準備をし、トラブルを回避するための知識を身に付け、楽しく賢い売却が実現できるように努めましょう。

以上、家を売る時にこれだけは押さえておきたい5つの注意点…でした。


 

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