「二世帯住宅を売るのは難しい」と聞いたことはありませんか?
残念ながら、中古の二世帯住宅が売りにくいのは事実です。買い手の絶対数が少ないことや建物の特殊性から、敬遠されるケースが多いからです。
しかし、中古の二世帯住宅を売る方法がないわけではありません。
この記事では、二世帯住宅が売りにくい理由と、成功につながる売却方法をお伝えします。
焦って売却活動を始める前に、ぜひ最後までお読みください。
二世帯住宅売却のヒントを手に入れましょう。
二世帯住宅とは?
売却の話を始める前に、まず、二世帯住宅の定義や3つのタイプの特徴、メリット・デメリットなどについて説明します。この章を飛ばしたい方は、こちらをクリックして先に進めてください。
二世帯住宅の定義
二世帯住宅とは、親世帯と子供世帯(孫世帯まで入る場合もあり)が同じ建物に、世帯を別にして暮らす住宅をいいます。
親の介護や共働きの場合の子育てなど、親世帯と子供世帯が相互に生活を見守ることができるメリットから一定の需要があります。
また、相続においても、同居親族が自宅の土地を相続した場合には「小規模宅地等の評価減の特例」により、330平方メートルの土地について80%の評価減をできることから、二世帯住宅を検討する場合もあります。
二世帯住宅の3つのタイプの特徴やメリット・デメリット
一般的に、二世帯住宅は「完全同居型」「部分共用型」「完全分離型」という3つのタイプに分けられます。
それぞれの特徴とメリット・デメリットは以下の通りです。
<それぞれの特徴とメリット・デメリット>
完全同居型 | 部分共用型 | 完全分離型 | |
---|---|---|---|
特徴 | 寝室などのプライベート部分以外はすべて共用とする | 玄関や浴室など一部の設備などを共用としながら、各世帯の生活ゾーンは分ける | 建物を上下または左右で分離し、それぞれを個別の住宅として分ける |
メリット | ・建築コストを節約できる ・相続税の節税が図れる | ・建築コストを節約できる ・プライベート部分を広くできる | ・プライバシーを守れる ・それぞれのライフスタイルを尊重できる |
デメリット | ・生活時間帯のずれなどで気を遣う ・精神的な窮屈さから衝突するリスクがある | ・世帯間での意識の食い違いが生まれやすい ・完全同居型に比べ建築コストがかかる | ・世帯間のコミュニケーションがない ・建築コストが2棟分近くかかる |
<完全分離型のイメージ>
中古の二世帯住宅が売れない5つの理由
せっかく建てた二世帯住宅ですが、さまざまな理由で売却することもあるでしょう。ところが、「中古の二世帯住宅は売れない」といった話を聞いたことはありませんか?
実のところ、売りにくいことは確かなんです!
中古の二世帯住宅が売れない理由は5つあります。
- 中古なのにお得感がない
- そもそも需要が少ない
- 不動産業者に積極的に売る気がない
- こだわりの強すぎるデザインや間取り
- 親が亡くなった
それぞれについて、以下に詳しく解説します。
中古なのにお得感がない
二世帯住宅は、建築費が割高になっているケースが少なくありません。
部屋数が多く、システムキッチンやトイレ、洗面所、浴室などの住宅設備が2つずつあり、バリアフリーやホームエレベーターなどの付加価値が付いていることもあるからです。
とくに、完全分離型の二世帯住宅は、2棟分に近いコストがかかってしまうこともあるんです。
建築コストをもとに売却価格を出すと、中古住宅としては割高感のある価格で売り出すことになってしまいます。
すると、買い手は売却価格を見ただけで、検討物件から除外してしまうんです。
そもそも需要が少ない
親や子供との同居を望まない人は多いので、二世帯住宅の需要はごく一部の層に限られています。
また、高額な中古の二世帯住宅を購入できる人は、年収が多く自己資金に余裕があります。土地を購入して二世帯住宅を新築できるので、わざわざ中古で購入する必要がありません。
このように、中古の二世帯住宅を購入しようとする人が、もともと少ないのです。
不動産業者に積極的に売る気がない
「二世帯住宅は潜在需要が少なく、そのうえ価格が高いのでなかなか売れない」というのが、不動産業者の共通認識です。
そのため、媒介契約を結んでも、業者が売却活動に消極的なこともあるんです。
とくに一般媒介契約を結んでいる場合は要注意です。一般媒介契約では、業者に売却活動の報告義務がないので、広告を打つなどの物件情報の宣伝活動を行っていないケースがあります。
もちろん、そのような不動産業者とは契約しないことが大切ですが、リスクとして覚えておきましょう。
こだわりの強すぎるデザインや間取り
二世帯住宅は、親世帯と子世帯のさまざまな要望を取り入れて建てています。
「玄関は一緒でいいが、リビングは別々にしたい」
「水回りは絶対二つずつ欲しい」
「リビングは一つでいいが、プライベートスペースは広くしたい」
「趣味の茶道をする部屋が欲しい」
など、住宅に求めるものは世帯によって違います。
それぞれの家庭の事情が反映された家が、買い手の要望とマッチする確率はどうしても低くなってしまうでしょう。
さらに、二世帯住宅には、こだわりの強いデザインや間取りが採用されている個性的な家が少なくありません。売り手にとっては自慢の家でも、買い手の目には「いびつな家」と映る可能性もあります。
親が亡くなった
事件や自殺でなくても、家で人が亡くなったことを理由に購入を見合わせる買い手は少なくありません。「二世帯住宅で親が亡くなることは当たり前」と売主が思っていても、気にする人が多いのが現実です。
売主としては、心理的瑕疵とならないよう事前に告知する必要があります。
売却した住宅に、隠れた不具合や欠陥があった場合、売主は買主に対して責任を負わなければなりません。
その家で親が亡くなった場合、「家の中で病気で人が亡くなることは問題ない」と考える買い手を探さなければならなくなります。そのため、さらに売りにくくなってしまうでしょう。
中古の二世帯住宅を売却するための5つの方法
二世帯住宅がなかなか売りにくいことがわかりましたが、ここでは多少時間や手間がかかっても売却するためのコツや知恵について解説します。
二世帯住宅を売却する方法は以下のとおりです。
- 価格を思い切って下げる
- リフォームも検討する
- 完全分離型なら「居住用+賃貸」として売る
- シェアハウスや民泊用物件として売る
- 二世帯住宅の売却実績がある不動産会社に依頼する
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。
価格を思い切って下げる
二世帯住宅はどうしても建築コストが高くなりがちです。
こだわったデザインや間取り、手間をかけた愛着感や思い入れ、かかった建築コストなどを考えると、安易に安売りしたくはありませんよね。
とはいえ、買い手にも予算があります。買い手の上限予算を超えてしまうと、検討の土俵にも乗れません。
売れ残りが長引くと、「なにか問題のある物件ではないか?」と疑われ、さらに売れないという負のスパイラルに陥ってしまいます。
しかし、買い手に「広い二世帯住宅なのに割安だな!」とお得感や割安感を感じてもらえば、早期売却も可能です!
不動産業者の意見も聞きながら、客観的で適正な価格設定を心掛けましょう。
リフォームも検討する
自分たちのこだわりのために、第三者には使いにくい間取りや構造になっている場合、思い切ってリフォームすることも考えましょう。
誰もが使いやすい状態にリフォームすれば、買い手の検討の幅も広がります。ただし、壁を取り壊す場合など、構造的瑕疵が発生するリスクがあります。そのような時は、事前にリフォーム業者や設計事務所などの専門家によく相談しましょう。
今や、見積り依頼には複数業者からいっぺんに査定価格を集めて比較できる、一括査定サイトを利用することが一般的です。
複数の見積りとリフォーム計画書を比較検討しながら、あなたの希望にもっとも適したプランを提案してきたリフォーム会社を選択するとよいでしょう。
もちろん「タウンライフリフォーム」の利用も、各リフォーム会社への見積り・プランの作成依頼も無料なので、安心してご利用いただけます。
また、二世帯で共用していた部分などは、傷みや損耗がひどいことがあります。
そのような場合は、見た目が良くなるようにリフォームし、修理やメンテナンスもきちんとしておきましょう。
完全分離型なら「居住用+賃貸」として売る
建物を上下または左右で分離して、それぞれを個別の住宅として分けている完全分離型の二世帯住宅なら、「居住用+賃貸」の賃貸併用住宅として売り出してもよいでしょう。
賃貸併用住宅は、中古住宅の流通マーケットにおいて人気の物件です。
賃貸部分から得られる賃料を住宅ローンの一部に充てることができますし、ローンが終われば賃料収入はまるまる手元に残るためです。
多くの金融機関の住宅ローンが利用できることも人気の秘訣です。
万一、売却できなかった場合は、この方法で居住するといった選択肢もあります。
賃貸併用住宅として活用することも検討の価値があります。ただし、賃貸併用住宅にはメリットだけでなく、入居者とのトラブルが起きやすいなどのデメリットもありますので、下記記事でよく確認してください。
シェアハウスや民泊用物件として売る
近年、シェアハウスや民泊の需要が高まっています。
シェアハウスや民泊の場合、浴室やキッチン、リビングルームなどの部分は共用で使うのが一般的です。
完全同居型や部分共用型の二世帯住宅でも、構造上や運営上の問題はありません。そのまま転用できるので、シェアハウスや民泊運営の投資用物件として売り出すのもひとつの方法です。
投資家は収益還元法などの指標によって購入価格を検討するので、居住目的の一般客より価格が安くなる傾向があります。
しかし、立地やエリアによっては、シェアハウスや民泊用物件としての大きな需要が見込めることもあります。そのような場合、高値で売却できる可能性もあるので、ぜひ検討してみましょう。
二世帯住宅の売却実績がある不動産会社に依頼する
二世帯住宅は、不動産売却市場では特殊な物件です。売り手や買い手の絶対数が少なく、売却するためには不動産業者としてのスキルが必要です。
したがって、二世帯住宅の売却に実績のある不動産業者を選ぶことが成功のカギを握ります。
二世帯住宅が売れにくいことは不動産業者間では共通認識です。ネガティブな不動産業者に依頼してしまうと、いっこうに売却が進みません。
あなたの二世帯住宅を早く高く売却するための戦略を、積極的に提案できる不動産業者を選んでください。
では、そのような不動産業者は、どうやって探せばよいのでしょうか?
ポイントは、不動産一括査定サイトを利用することです。
中古の二世帯住宅は買い手が限られているので、多くの不動産業者の意見や提案を聞く必要があります。
一般客から「中古で割安な二世帯住宅を探している」と相談されている不動産業者がいるかもしれません。
あるいは、個人投資家から「利回りが見込めるシェアハウス用の物件を探している」と依頼を受けている業者に出会える可能性だってあります。
そのような見込み客と巡り合うためには、不動産一括査定サイトを通して、できるだけ多くの不動産業者からのアプローチを受けた方がよいでしょう。
とりわけ、中古の二世帯住宅売却のスキルや実績については、よく確認してください。
不動産一括査定サイトは、誰でもかんたんに利用することができます。↓の記事では、一括査定サイトを利用することのメリットとデメリットを詳しく解説すると共に、具体的な利用の流れを画像付きで紹介しています。
中古の二世帯住宅の売却実績で業者を選びましょう!
中古の二世帯住宅は買い手が少なく、売却の難しい物件ですが、売れない不動産はありません。
売却を成功させるためには、「さまざまな角度から売却物件としての可能性を探る」ことや「客観的で適正な価格設定をする」ことが大切です。
しかし、なんといっても重要なのは、「中古の二世帯住宅の販売実績やスキルのある不動産業者をパートナーに選ぶ」ことでしょう!
そのためには、不動産一括査定サイトを通して、実績とスキルのある不動産業者を見つけることが、一番の早道です。
そして、信頼できるパートナー選びには、不動産一括査定サイトの利用が欠かせません。今や、不動産会社選びには一括査定サイトを利用することが一般的です。
とりわけ、NTTデータグループ企業によるHOME4U不動産売却は、一括査定サイトとしてもっとも歴史が古く信頼できるサービスです。どのサイトを利用すればよいか迷ったら、HOME4U不動産売却を利用すれば間違いないでしょう。
以上、中古の二世帯住宅が売れない5つの理由&売却を成功させる5つの方法…でした。
参考
中古の二世帯住宅が得意な不動産業者を効率よく探したい…という方は下記記事も参考に。一括査定サイトを利用すると、そのような業者が見つかる可能性も高くなりますよ。