不要な土地を売却するなら、できるだけ高く売りたいですよね。
しかし、このような点について悩んではいませんか?
「相続した土地を売りたいが、手続きや進め方がわからない。」
「古家付きのままと、解体して土地として売るのとどちらがいいのか?」
そこで、この記事では土地をできるだけ高く売却するために気をつけるべき10のポイントについて説明します。ぜひ参考にして、土地売却を成功させてください。
土地の相場を知っておく
土地を売却するには、基本的に不動産仲介業者へ依頼します。
しかし業者に依頼する前に、まず自分自身で売却する土地の相場を調べ、業者の価格査定に対して予備情報として頭に入れておきましょう。
土地の相場については、現在はインターネットで簡単に情報が取得できますので、以下の方法を参照して必ず下調べしておきましょう。
不動産ポータルサイトで調べる
不動産ポータルサイトで、物件があるエリアでの現在の売却中物件の売出し価格がわかります。成約価格ではないので注意しましょう。
SUUMO
リクルートが運営する不動産ポータルサイトです。
知名度や物件数ではナンバーワンの評価もあります。
大手業者がよく利用します。
HOME’S
HOME’SはSUUMOと並ぶ不動産ポータルサイトと言えます。
サイトの使いやすさには定評があります。
athome
athomeは不動産業者間に強いネットワークを持つ不動産ポータルサイトです。
街の小さな不動産業者まで網羅しているため、他のポータルサイトに出されていない情報を取得できる場合もあります。
公的サイトで調べる
土地総合情報システム
国土交通省が運営しており、不動産の取引価格、地価公示・都道府県地価調査の価格を調べることができるサイトです。
REINS Market Information
REINS(Real Estate Information Network System)とは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システムのことです。
このサイトでは、全国の実際に売買が行われた物件の価格(成約価格)などを調べることができます。
必要な書類について知っておく
土地を売却するためには、必要書類についても確認しておかなければなりません。
不動産業者へ売却を依頼する時にも役立ちますので、下記の書類などについて確認しておきましょう。
登記済証または登記識別情報
紛失していると慌てるのが、登記済証または登記識別情報です。必ず事前に確認しておきましょう。万一、紛失している場合は、司法書士などに本人確認を行ってもらうことで売却が可能になります。
相続登記を行う場合、登記済証または登記識別情報は原則として必要書類ではありません。
建築確認済証および検査済証
古家などの建物が建っている場合は、準備しておきましょう。
万一、紛失している場合、再発行はできませんが、役所で証明書を取得できる場合があります。
確定測量図・境界確認書
土地を売却する時には、隣地との境界を確定しておかなければなりません。
境界とは隣接する第三者との土地の境のことです。
境界を示す境界標として、コンクリート杭や金属プレートを設置します。
土地の地形や寸法、面積、境界標を示した測量図面を確定測量図といい、隣接する第三者のとの間で交わした書類を土地境界確認書といいます。
土地家屋調査士に依頼すれば対応してくれますので、境界は必ず確定しておきましょう。コストはかかりますが、いずれも売却後のトラブルを避けるために必要です。
境界確定するための確定測量の方法や費用を知りたい…という方は下記記事も参考に。確定測量に必要な法務局調査や現地立会などの一連の手順や費用相場、期間などを解説しています。

固定資産税納税通知書および固定資産評価証明書
固定資産税納税通知書は、所有者のもとに毎年郵送されてきているはずですので、確認しておきしょう。
固定資産評価証明書は、売買契約後、決済引渡し時までに用意してください。
物件を管轄する市区町村の役所窓口などで取得できます。
購入時の売買契約者および重要事項説明書
購入した、もしくは相続した土地の購入時の売買契約書および重要事項説明書があれば、用意してください。売却する土地の内容や取引条件、告知事項など必要情報が取得できますので、確認してみましょう。
その他の書類
建築設計図書(古家がある場合)など、その他の関連書類がありましたら、事前に用意しておきましょう。
不動産売却に必要な書類とそれぞれの取得方法については、下記記事で詳しく解説しています。

土地の地盤・土壌等を確認しておく
売却する土地が軟弱な地盤である可能性や土壌汚染の可能性がある場合は、事前に地盤調査や土壌汚染調査をすることでトラブルを回避できるケースがあります。
地盤調査
売却する土地が埋め立て地であったり水害をたびたび受けていたりする場合、地盤が軟弱であるかもしれません。地盤調査によって地中障害物や軟弱層の有無などを判定し、必要に応じて地盤改良工事などを行います。
調査方法は、主にスウェーデン式サウンディング試験とボーリング試験があり、
建築予定の建物が戸建ての場合はスウェーデン式サウンディング試験、マンションやビルなど高い建物の場合はボーリング試験を採用します。
土壌汚染調査
売却する土地が、過去にガソリンスタンドやクリーニング施設、工場や病院などに利用されている場合、土壌汚染の可能性が否定できないため、土壌汚染調査を行います。
土壌汚染調査はフェーズ1からフェーズ3まで段階的に設定されており、汚染の可能性に応じて行われています。
ただし、土壌汚染対策法の調査対象となり得る下水道法及び水質汚濁防止法上の特定施設が存在していたり、土壌汚染対策法に規定された要措置区域及び形質変更時要届出区域に指定されていたりする場合は、土壌汚染調査が義務付けられていますので注意が必要です。
契約解除などのリスクを回避するために
地盤調査も土壌汚染調査(一定の場合を除く)も、土地を売却するために契約当事者である売主・買主が必ず行わなければならないものではありません。
しかし、最近は売主負担で行うことも少なくありません。
なぜなら、売主は地盤調査や土壌汚染調査を行うことによって売却する土地の安全性を証明でき、その土地の不動産としての価値が上がるからです。その結果、売却価格に反映され、コストをかけても結果的に高く売れるケースがあります。
地盤改良の必要性や土壌汚染を知らずに売買した場合、隠れたる瑕疵としてとして契約解除や損害賠償請求に発展したり、後々裁判で争ったりというケースもあります。十分に可能性などを精査のうえ、リスク回避の対策を講じておきましょう。
雑草やゴミを除去して綺麗にしておく
売却する土地が更地の場合、購入検討者が物件を見学に来た時に、ゴミや瓦礫などがあったり雑草が生えていたりすると、買主の購入意欲の低下や値下げ交渉の要因につながります。
可能な限り綺麗な土地の状態を保つことが、高く売却するコツの一つです。
草むしりなどに対応してくれるNPO法人などもありますので、相談してみましょう。
また、薄く赤土で盛り土することも、見た目が良くなり非常に効果的です。
コストとの兼ね合いを考える必要はありますが、検討する価値はあるでしょう。
更地と古家付きそれぞれのメリット・デメリット
売主の悩みとしてよく言われるのが、築年数が経過してほとんど資産価値のない古家付きで売れるのか、解体して更地にした方が売れるのか、ということです。
地方にいる親御さんが無くなって誰も住まない古家を相続するケースも多くありますが、どちらの方が土地の売却は都合がよいのでしょうか?
そのメリット・デメリットについてよく理解したうえで、どちらで売却を進めるのか判断しましょう。
古家付きで売却する場合のメリット
税制面で優遇が受けられる
建物が建っていると住宅用地の特例により固定資産税が軽減(小規模宅地の場合は6分の1、一般住宅用地の場合は3分の1)が受けられます。
しかし、2015年に施行された空家対策特別措置法により、自治体が特定の状態であると判断した「特定空き家」に対しては軽減措置が適用されないので注意しましょう。
空家等対策特別措置法について、詳しくは下記記事で解説しています。行政処分の対象となる「特定空家等」に当てはまらないかどうか、確認しておきましょう。

コストがかからない
更地にせず現況引渡しで売却する場合、解体費やゴミ処分費などのコストがかかりません。
古家付きで売却するデメリット
建物の瑕疵担保責任が生じる可能性
売買契約上は土地・建物として売却するため、建物に対しての瑕疵担保責任が生じる可能性があります。もちろん価値のない古家として、買主との交渉の中で、瑕疵担保免責とする売買契約を締結できる可能性もあります。
見た目が悪い
かなり年数の経過した古家などは見た目に悪い印象を与え、買主の購入意欲の低下につながる可能性があります。
買主のコストにつながる
買主が新築を計画している場合、古家付きは解体費というコストが生じるため、競合する更地物件より優先順位を下げられてしまう可能性があります。
更地のメリット
建物の瑕疵担保責任を回避
建物がないので、当然建物に対しての瑕疵担保責任は生じません。
買主が建物をすぐ建てられる
更地の場合、買主はすぐに建築計画を実行でき、かつ、解体費というコストがかからないため、計画性や経済合理性の点で購入意欲が高まる可能性があります。
更地のデメリット
税制面で優遇がなくなる
更地にすると、住宅用地の特例による固定資産税の軽減措置が受けられなくなります。売却期間が長ければ長いほど、負担が大きくなります。
コストがかかる
更地にするには解体費というコストがかかります。
解体費は坪単価3万円以上が相場となっており、家具などの残置物や畳など廃棄物があればその分も加算されていきます。延床面積30坪の家では100万円以上かかることもあり、非常に負担が大きくなります。
参考【無料】解体工事の一括見積サイト >
また、解体した建物の滅失登記も必要となります。
建物滅失登記の具体的な方法に関しては、下記記事で詳しく解説しています。

それぞれのメリット・デメリットについて見てきましたが、販売当初は古家付きで販売し、状況を見ながら更地にすることを検討する、という方法がよいでしょう。
家を解体してから後悔しても取り返しがつきません。更地にしてしまうことのメリットとデメリットを下記記事で詳しく解説していますので、ぜひ確認してください。

相続で取得した土地の売却方法を知っておく
相続した不動産を売却するためには、まず相続登記をする必要があります。
それでは相続登記について確認しましょう。
まずは相続登記をする
相続登記とは、被相続人(亡くなった所有者)名義の不動産を、相続人(遺産を受け継ぐ人)が相続した場合、被相続人から相続人に名義変更することです。
相続登記はいつまでにやらなくはいけないという期限は決められてはいませんが、済ませておかないと以下のようなデメリットが生じます。
- 売却ができない。
- 二次相続が発生し、複雑になる可能性がある。
- 他の相続人が法定相続分を勝手に処分してしまう。
- 売却が進まず、相続税の納付期限に間に合わなくなる。
こういったリスクを回避するためにも、早い時期に相続登記を済ませましょう。
法定相続人が複数いる場合は?
相続人が1人の場合は、その相続人の判断によって手続きを進められますが、複数いる場合は、遺言などで相続する人が確定していない限り、相続登記も土地売却も自分勝手には進められません。
その場合は、遺産分割協議を行い、売却代金や分配方法などを決めたうえで、すべての相続人が相続登記をし、売却が済んだら売却代金を分配しましょう。
売却しない場合
両親との想い出のある家なので売りたくないとか、せっかくなので有効活用をしたいというケースもあるかもしれません。
その場合は、
- 駐車場やコインパーキングとして活用
- 賃貸住宅を建築して活用
- 収納コンテナ倉庫として活用
などが考えられますが、いずれにしてもマーケットを精査し、需要が見込める活用方法を検討する必要があります。
遠方の土地の売却方法を知っておく
相続した土地が遠方にある場合、どうやって売却したらよいのでしょうか?
自分が頻繁に現地へ行けない時など、その方法について確認しましょう。
不動産業者は地元業者がよいのか?
詳しくは後の項の不動産業者の選定方法にて説明しますが、現在はレインズ登録を行うことにより、すべての不動産業者があなたの土地売却情報を確認し、購入を検討しているお客さんに紹介できます。
そのため、どうしても地元の不動産業者に売却を依頼しなければならない必要はありません。信頼のおける不動産業者が選定できれば、会社の所在地はあまり重要な要素ではないのです。
ただし、地元に信頼のおける不動産業者がいればベターではあります。
売買契約や決済引渡しの方法
通常、売買契約は売主と買主、不動産業者が同席したうえで、署名・捺印をして締結しますが、都合が合わない場合や遠方の場合、売主に契約書を郵送などでやり取りして契約を締結することがあります。
この契約方式を「持ち回り契約」といいます。
しかし、所有権移転登記を行う決済引渡しにおいては、売主は立ち会う必要があります。
なぜなら、登記業務を行う司法書士には売主の本人確認義務があるためです。
仕事などでどうしても現地へ行けない場合は、代理人を立てることもできますが、司法書士との事前面談などが必要ですので、よく確認しましょう。
複数の不動産業者に一括査定を依頼する
事前に土地の相場や必要書類などの準備が終わったら、複数の不動産業者に一括査定を依頼しましょう。ネット上で一括査定を受けられるサイトがありますので、そちらを利用すれば非常に便利です。
とくに遠方にある土地を売却する場合には、現地で不動産業者を回らずに、一次的な査定結果が得られため、仕事などで時間が取れない売主には有効です。
ただし、そこで得られた査定価格が高いからといって、必ずその価格で売れるという保証はありませんので、査定価格だけで依頼する業者を選定するのは止めた方が良いでしょう。
査定の回答をくれた各不動産業者のホームページなどを見て、その業者の得意分野などを確認してください。賃貸仲介や賃貸管理をメインとしている業者などに依頼するのは避け、売買仲介に強みを持つ業者をピックアップしましょう。
信頼できる不動産業者に売却依頼する
一括査定で不動産業者のピックアップができましたら、実際に不動産業者に電話をしてみましょう。
その時、電話の出方や話す内容で、会社の風土や担当者のスキルを見極めます。こちらの申し出を聞かずに一方的な話の進め方をしたり、自社の利益ばかり話したりする不動産業者は止めましょう。
売主の希望や立場、売却を進めるうえでのポイントなどについて丁寧に説明をし、売主利益の追求をしてくれる不動産業者を選定してください。
また、前述の通り「査定価格=売れる価格」ではないので、査定価格はあくまで一つの目安とし、査定価格の根拠を聞いたうえで具体的な売却戦略や価格戦略、担当者のスキルなどを見極めましょう。
なお遠方の場合でも、最終的には実際に会社を訪問し、面談をしたうえで決定することが大切です。
信頼できる不動産業者を選定することが、売却成功の大きなカギとなります。
土地を売却する時にかかる費用について知っておく
最後に、土地を売却する時にかかる費用について確認しましょう。
印紙代
売買契約書に貼付する印紙です。
印紙税という税金ですが、契約金額によって異なります。
2018年4月1日から2020年3月31日までに作成されるものについては、軽減措置がありますので国税庁のサイトなどで確認しましょう。
仲介手数料
あなたが売却を依頼した不動産業者へ支払う仲介手数料です。通常、売買契約時に半金、決済引渡し時に半金を支払います。計算式は、「売却価格×3%+6万円+消費税」となります。(売買価格が400万円以下の場合は別途計算が必要です)
登録免許税
住所変更や抵当権抹消などがある場合、登録免許税が課税されます。
抵当権抹消登記なしに引き渡すと、違約金や損害賠償を請求される可能性もありますので、ご注意ください。抵当権に関しては、下記記事で詳しく解説しています。

立ち会った司法書士が対応してくれますが、司法書士への報酬も発生します。
譲渡所得税
土地の売却により利益が出た場合、譲渡所得税が課税され、所有期間が5年以内の短期譲渡か5年超の長期譲渡かによって税率が異なります。
また相続した場合、2016年4月から2019年12月31日までは、相続した実家に住んでいなくても3000万円特別控除が認められています。
ただし、控除を受けるためには一定の要件を満たしていなければならないため、管轄する税務署や税理士などの専門家に確認しましょう
土地をできるだけ高く早く売却するために
土地をできるだけ高く売却するための10のポイントについて確認してきました。
いろいろなケースを想定してみましたが、土地の売却には思いもよらないことが生じる場合もあります。まさに想定外の事態です。
そのような場合でも冷静に的確な対応が取れる不動産業者を選定することが、非常に大切です。ここで学んだことを信頼できる不動産業者選びに活かして、高く早い土地売却を成功に導いてください。
以上、土地をできるだけ高く売却したい!成功に導く10のポイントとは?…でした。
参考
不動産仲介業者選びに失敗したくない…という方は下記記事も参考に。一括査定サイトを利用すると、複数の業者を比較できるので、より優良な業者が見つけやすくなりますよ。
