2019年消費税が10%に増税!不動産売却に及ぼす5つの影響

2019年10月に消費税が10%に引き上げられます。リーマン・ショック級の不測の事態がない限り、延期や凍結の可能性はなさそうです。

2013年から東京を中心として不動産価格は上昇を続けていますが、今回の消費税引き上げは、不動産マーケットにどのような影響をあたえるのでしょうか?

家や土地、マンションの売却を検討中の方は気になるところですよね。

そこで今回は、不動産売買における消費税の課税・非課税対象や消費税引き上げによる影響、さらに東京オリンピックとの関連などについて解説します。ぜひ確認しておいてください。

消費税が課税される取引とは?

まず初めに、消費税の課税対象について確認しましょう。

消費税が課税される取引とは、消費税法第4条により下記の通り規定され、かつ非課税取引・免税取引・不課税取引に該当しない取引をいいます。

  1. 国内取引であること
  2. 事業者が事業として行う取引であること
  3. 対価を得る取引であること
  4. 資産の譲渡、貸付及び役務(サービス)を提供する取引であること

※出典元:e-Gov(電子政府の総合窓口) 消費税法

つまり、日本国内において事業者(法人や商売人)が事業(ビジネスや商売)として、資産(商品)を譲渡(売却)したり貸し付けたり、役務(サービス)を提供して対価(代金や料金)を得た取引には消費税が課税されることになります。

消費税の課税対象が確認できたところで、次章から不動産を取引した場合の消費税について見ていきます。

影響1:仲介手数料にかかる消費税

まず、不動産を土地と建物に大きく分けた場合、土地の売買や賃貸借には消費税が課税されません。

建物については消費税が課税されますが、個人が所有するマイホームなどの中古住宅の売買においては、前述の消費税課税の条件にあてはまらないため、建物部分も非課税となります。

すなわち、個人が中古住宅などの不動産を売却しても消費税増税の影響はありません

不動産仲介業者を通じて不動産取引を行った場合に支払う仲介手数料は、消費税が課税されるため増税の影響を受けます

たとえば、4,000万円で自宅を売却した場合に支払う仲介手数料の上限と消費税は、

仲介手数料の上限 4,000万円×3%+6万円=126万円
消費税   126万円×8%=10万800円

となりますが、消費税率が10%になった場合、消費税は12万6,000円となり、2万5,200円の増税ということになります。

不動産業者が売買契約を成約させた場合、売り主は仲介手数料を払います。もうひとつ、買主が不動産業者に支払うものもあります。両方とも仲介手数料ですが、支払う人が違うだけで売却価格によって計算され、法的に「上限」が定められています。


このように、個人が不動産を売却する場合、売主として受ける消費税増税の影響は比較的軽微です。

影響2:新築に買い替えの場合、影響は大!

新築分譲戸建てや新築分譲マンションに買い替えた場合、売主が個人ということはあり得ませんので、消費税増税の影響を大きく受けることになります。

新築分譲戸建てや新築分譲マンションは、不動産業者が事業として販売しているケースがほとんどですので、建物部分には消費税が課税されます。

たとえば、下記の新築マンションは不動産業者が売主で、販売価格4,790万円となっています。


<新築マンションの販売図面・例>


で囲った部分を見ると、消費税は「税込」というように明示されています。
販売図面では具体的な消費税額は明示されていませんが、売買契約書には下記のように必ず明示されることとなります。


<売買契約書の例>


この新築マンションの事例で計算すると、建物部分の価格は2,881万2,500円ですので、消費税が8%から10%に増税されれば、288万1,250円となり、負担額は50万円以上も増えてしまいます。

このように、売主が不動産業者などの法人の物件であれば、新築はもちろんのこと中古不動産であっても建物部分に消費税が課税されるので、増税の影響は非常に大きくなります

影響3:駐車場の売却は課税対象

土地の譲渡や貸付の場合、消費税は原則非課税ですが、土地の賃貸借の期間が1ヶ月未満の場合および駐車場やその他の施設の利用によって土地が賃貸借される場合は消費税が課税されます。

また、駐車場として土地を売却する場合にも消費税が課税されます
たとえば、アスファルト舗装や砂利敷が行われており、ロープや白線ラインによって区画を指定し、車止めブロックを設置して貸付けている場合などが該当します。

ただし、上記のような設備を整えておらず、いわゆる「青空駐車」の状態で貸し付けている場合には単なる土地の売却と考えられ、消費税は課税されません。


なお、駐車場の土地は、更地にして土地として売却すれば消費税はかかりません。ただし、利用者に立ち退いてもらう必要がありますし解体費用もかかります。↓の記事では、駐車場の土地の売却方法に関して詳しく解説しています。

駐車場の土地を売却するには、そのままと更地にしてからと二つ方法があります。売却のコツは、事業用地売却が得意な不動産業者を一括査定サイトから探すことです。税金面では、駐車場として売ると消費税がかかることや譲渡所得の特別控除を活用するなどの注意点があります。

影響4:不動産売買における消費税の課税・非課税の一覧

不動産を売買した場合の消費税の課税・非課税を一覧表にまとめてみました。


<消費税の課税・非課税一覧表>


賃貸アパートや賃貸マンションなどの投資用不動産は、たとえ所有者が個人であっても事業に該当しますので消費税が課税されます

影響5:不動産相場への心理的影響

2019年10月1日には消費税が10%に引き上げられることが法律により決まっており、「リーマン・ショック級の事態が起こらない限り引き上げたい」というのが安倍首相の方針です。

それでは、消費税が引き上げられると住宅の価格にはどのような影響があるのか考えてみましょう。

消費税は1989年4月に3%で導入され、1997年4月に5%、2014年4月に8%と段階的に引き上げられてきました。1989年4月後はバブル経済の全盛期でしたので、住宅着工数も不動産価格も上がり続けており、あまり参考にはなりません。

国土交通省が発表している住宅着工数統計調査によると、1996年は消費税5%への引き上げ前の駆け込み需要により着工数が大幅に増加(対前年比9.8%増)しており、引き上げ後には反動で大幅に減少(対前年比15.6%減)しています。

同様の現象が、2014年の8%への引き上げ前(対前年比11.0%増)と引き上げ後(対前年比9.0%減)にも起きていることから、今回の10%への引き上げに際しても同じ現象が起きることが予想されます。

※参考データ:国土交通省 過去資料 建築着工統計調査

つまり、消費税10%への引き上げ前には、駆け込み需要により住宅が売れることが予想されますが、その反動で引き上げ後は需要が減速するため売りにくくなるでしょう

一般の景気動向について考えると、前回2014年4月の引き上げ時には消費は激しく落ち込み、いまだに日銀のインフレ目標である2%を遠く達成できていません。

このように、デフレを脱却できておらず景気回復も十分でないままの経済状態で、さらに10%へ消費税を引き上げれば、心理的影響から消費が落ち込み、深刻な不景気に陥る可能性があります。

消費税増税とオリンピック開催について考える

最後に、2020年に開催されるオリンピックと不動産価格との相関関係について考えてみます。

2度目の東京オリンピックが開催されることが決定したのは2013年9月でしたが、開催決定を受けて二つの大きな動きがありました。

ひとつは、中国をはじめとした外国人投資家による日本不動産への投資が始まったことです。

「東京オリンピックまでは不動産の価格が上がるだろう」という思惑のもとに、東京の湾岸エリアを中心にタワーマンションなどを積極的に購入しています。

しかし、外国人投資家はオリンピック開催前後には利益確定のために物件を売却することが予想され、売り物件が多くなれば価格が下がる可能性があります。

もうひとつは、「東京への人口の流入が増えている」ということです。
前述の通り、東京の湾岸エリアを中心としてタワーマンションに代表される住宅の供給が非常に顕著になっています。

それに伴い、物件を購入する人が東京へどんどん流入し、東京都の予測では2020年に1,338万人と人口のピークを迎えることになります。

ただし、東京都は「2020年に人口のピークを迎えて、その後人口は減少していく」と予測しています。オリンピック開催を当て込んで建築された住宅がダブついてくることで、供給過多により価格が下がる可能性があります。

このように、オリンピックの前年である2019年10月に消費税が引き上げられ、消費者のマインド低下といった大きな心理的影響があることに加え、オリンピック後にも不動産価格の下落圧力が予想されるのです

したがって、不動産の売却を検討中の方は、2019年10月1日の消費税引き上げ前に決断したほうが賢明でしょう。ちなみに、住宅の引渡しが2019年9月30日までに行われれば、消費税率は8%が適用されます。

以上、2019年消費税が10%に増税!不動産売却に及ぼす5つの影響…でした。

 

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