一物四価とされる土地には4つの名称の土地の評価額が存在します。
それぞれの評価額には目的があり、価格水準も異なります。
また、公的評価額と呼ばれる地価公示や相続税路線価、固定資産税評価額の3つの価格は、それぞれ調べ方が存在します。
この記事では「土地の評価額の調べ方」について解説します。
土地の評価額の種類や、それぞれの評価額の調べ方、マンションの土地の相続税評価額の調べ方等について紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
土地の評価額の種類
土地の評価額の種類について解説します。
- 時価(実勢価格)
- 地価公示または都道府県地価調査
- 相続税評価額
- 固定資産税評価額
時価(実勢価格)
時価とは、その土地を売却したときの価格です。
実勢価格と呼ばれることもあります。
同じ土地であっても、時価はそのときの景気の状況によって価格が変化します。
以下に、1975年からの地価公示価格(全国の全用途の平均土地単価)と日経平均株価の推移を示します。
出典 地価公示「国土交通省」、日経平均「日経平均プロフィルヒストリカルデータ」
土地の時価は景気が良いときは上昇が続き、景気が悪いときは下落が続きます。
土地は投資商品としての側面もあり、株価とも連動します。
株価は土地の先行指標と呼ばれており、土地の価格は株価に1~2年程度遅れて動く性質があります。
地価公示または都道府県地価調査
公的評価額を代表するものとして、地価公示と都道府県地価調査があります。
地価公示とは
地価公示価格は、相続税評価額や固定資産税評価額の基準となる価格です。
地価公示価格とは、土地の取引の指標や公共事業用地の取得価格の算定の規準(のりじゅん)、不動産鑑定の規準等を目的に行われる土地の評価額になります。
規準とは、模範または標準とするという意味です。
評価主体は国(国土交通省)
地価公示の評価の主体は国(国土交通省)です。
価格地点は1月1日時点のものであり、毎年、3月に価格が公表されます。
約26,000地点の「標準地」の更地価格を評価
地価公示価格は、全国に約26,000地点の「標準地」と呼ばれる定点観測ポイントが設けられており、毎年、標準地の「更地価格」が評価されています。
標準地は、その地域における代表的な使われ方をしている土地のことであり、国から委託された不動産鑑定士が場所を選定しています。
標準地は、例えばその土地がある住宅地の標準的な広さが50坪程度である場合、50坪程度の土地が選ばれます。
また、角地のような土地は選ばれず、原則として中間画地(道路に一面しか接していない土地のこと)が選ばれます。
形状に関しても、不整形な土地は選ばれず、長方形や正方形といった整形な土地が選定されます。
地価公示価格はあくまでも更地の状態の価格であることがポイントです。
標準地の上に建物が建っていても建物は評価されず、「更地として」の価格が毎年公表されています。
標準地は6種類
標準地には複数の種類が設けられており、「住宅地」、「宅地見込地」、「商業地」、「準工業地」、「工業地」、「市街化調整区域内の現況宅地」の6種類があります。
宅地見込地とは、例えば農地から宅地に転換しつつある地域のうちにある土地のことです。
市街化調整区域の現況宅地とは、市街化を抑制すべき区域において宅地利用されている土地のことになります。
都道府県地価調査とは
一方で、地価公示と同様類似のものに都道府県地価調査があります。
都道府県地価調査とは、土地取引規制の価格審査や公共事業用地の取得価格の算定の規準を目的に行われる土地の評価額になります。
評価主体は都道府県
都道府県地価調査の評価の主体は都道府県です。
価格地点は7月1日時点のものであり、毎年、9月に価格が公表されます。
地価公示とは価格時点が半年ずれている点がポイントです。
約21,000地点の「基準地」の更地価格を評価
都道府県地価調査は、全国に約21,000地点の「基準地」と呼ばれる定点観測ポイントが設けられており、毎年、基準地の「更地価格」が評価されています。
基準地の選定方法も地価公示の標準地と同じであり、その地域において標準的な使われ方をしている土地が基準地に選ばれます。
基準地は、基本的に地価公示の標準地が設定されていないような地域でポイントが選定されており、地価公示が手薄になっている範囲を補う役割を果たします。
地価公示と都道府県地価調査の共通点
例えば、地価公示も都道府県地価調査も、目的の一つに「公共事業用地の取得価格算定」があります。
参考になる土地のポイント数が少ないと、用地買収に不都合が生じることから、評価ポイントはできるだけ万遍なく設定する必要性が出てきます。
地価公示では全てをカバーするのは限界があることから、地価公示を補う目的で都道府県地価調査が存在するのです。
また、地価公示と都道府県地価調査の価格水準は両者とも同じです。
地価公示も都道府県地価調査も、建前上は時価ということで評価されています。
都道府県地価調査の基準地には「林地」のポイントもある
都道府県地価調査の基準地にも、「住宅地」や「商業地」といった地価公示の標準地と同じ種類がありますが、基準地には「林地」のポイントもある点が特徴です。
よって、林地の価格を参考に調べたい場合は、都道府県地価調査を利用します。
地価公示と都道府県地価調査の特徴まとめ
地価公示と都道府県地価調査の特徴をまとめると、下表の通りです。
比較項目 | 地価公示 | 都道府県地価調査 |
---|---|---|
評価主体 | 国土交通省 | 都道府県 |
価格時点 | 毎年1月1日 | 毎年7月1日 |
公表時期 | 毎年3月ごろ | 毎年9月ごろ |
価格水準 | 時価相当 | 時価相当 |
ポイントの名称 | 標準地 | 基準地 |
ポイント数 | 全国約26,000地点 | 全国約21,000地点 |
林地ポイント | なし | あり |
相続税評価額
相続税評価額とは、相続税および贈与税の算出根拠となる評価額のことです。
相続税は、原則として資産の時価を相続税評価額として計算されます。
相続財産が現金の場合、現金は額面額がそのまま時価ですので、額面額が相続税評価額となります。
不動産の相続税路線価
土地のような不動産も本来は時価が相続税評価額となりますが、時価を把握するためにわざわざ不動産を売却するわけにもいきません。
不動産に関しては売却せずとも相続税評価額が計算できる仕組みが必要であり、相続税路線価によって簡易に相続税評価額が計算できるようになっています。
相続税路線価の評価の主体は国(国税庁)です。
価格地点は1月1日時点のものであり、毎年、7月に価格が公表されます。
相続税路線価は地価公示や都道府県地価調査のようにポイントで評価されるのではなく、路線(道路)に対して評価額の単価が割り振られています。
土地の相続税評価額は、対象地の前面道路の路線価に平米数を乗じることで求めます。
- 評価の主体は国(国税庁)
- 価格地点は1月1日時点
- 毎年7月に価格公表
全国路線価地区と倍率地域
相続税路線価は全国の全ての道路に振られているわけではなく、「全国路線価地区」と呼ばれる地区に限定されています。
全国路線価地区は、比較的人口が多い市街地が対象です。
全国路線価地区以外の相続税路線価が割り振られていない地域は、「倍率地域」と呼ばれます。
倍率地域の相続税評価額は、「土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じたもの」となります。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、固定資産税および都市計画税、登録免許税、不動産取得税の算出根拠となる評価額のことです。
固定資産税評価額の評価の主体は市町村(東京23区は東京都)です。
価格地点は1月1日時点のものであり、3年に1度の基準年に評価が行われ、基準年の4月に価格が公表されます。
地価公示や都道府県地価調査、相続税路線価は毎年評価が行われるのに対し、固定資産税評価額は3年に1度しか評価が行われないのが特徴です。
公的評価額と時価との関係
公的評価額と時価との関係について解説します。
まず、地価公示(都道府県地価調査)と相続税路線価、固定資産税評価額の3つの公的評価額には明確な連動性があります。
公的評価額は全て地価公示がベースとなって価格が決まっており、以下のような関係性があります。
固定資産税路線価:地価公示の70%程度
相続税路線価は地価公示の8割、固定資産税路線価は地価公示の7割であることから、いずれか一方の評価額がわかれば他方の評価額の概算額は分かるようになっています。
一方の評価額から他方の評価額の概算額の求め方は以下の通りです。
【双方の概算額の求め方】
固定資産税評価額 = 相続税評価額 ÷ 0.8 × 0.7
上記の式で求められる評価額はあくまでも概算額であり、ピッタリ他方の評価額に一致しないことが一般的となっています。
ピッタリ一致しないのは、相続税路線価は毎年評価される金額ですが、固定資産税評価額は3年に1度しか評価されない金額であるからというのが理由です。
2年前に評価された固定資産税評価額を用いても、今年の相続税評価額とは少しずれるという理屈になります。
よって、相続税路線価も固定資産税評価額も、正確な数値を知るには別々に調べる必要があります。
地価公示と時価の連動性
また、地価公示(または都道府県地価調査)は、建前上は時価ということになっていますが、実際には時価とは一致しません。
郊外の場合は、時価は地価公示の1.0~1.1倍程度となります。
一方で、都市部の場合は、時価は地価公示の1.5~2.0倍近くとなります。
地価公示価格と時価に差が出る理由は、地価公示価格は税金の算出根拠となる金額であるため、やたらと変動させることができないという理由があります。
都市部の場合、景気が良くなると時価がすぐに上昇する傾向があります。
地価公示も都市部の地価にピッタリ連動させてしまうと、相続税や固定資産税等が急激に増額してしまうことから、納税者から不満が生じてしまいます。
税金を急激に変動させないためにも、都市部では時価が急激に上がっても地価公示価格は極端に変動しないように配慮されているのです。
よって、地価公示は地方よりも都市部の方が時価との差が開きやすく、都市部では地価公示と時価の連動性が薄い傾向にあります。
- 郊外:時価=地価公示×1.0~1.1倍
- 都市部:時価=地価公示×1.5~2.0倍
時価(実勢価格)の調べ方
この章では時価(実勢価格)の調べ方について解説します。
- 不動産ポータルサイトを利用する
- 土地総合情報システムを利用する
- 不動産会社の無料査定を利用する
- 不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する
不動産ポータルサイトを利用する
不動産ポータルサイトとは、SUUMOやアットホーム、ホームズ等の不動産広告サイトのことです。
周辺の売物件から、単価を割り出せばある程度の時価を知ることができます。
ただし、不動産ポータルサイトで知ることができるのはあくまでも売り出し価格です。
実際に取引がなされた成約価格とは異なる可能性があります。
参考までに、以下に首都圏における土地の成約価格と売り出し価格の推移を示します。(%は成約価格の売り出し価格に対する割合)
出典 公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」
10年間を平均すると、成約価格は売り出し価格の93%程度となっています。
実際の時価は、不動産ポータルサイトで表示されている価格から1割程度低い可能性もあり、「売り出し価格イコール時価ではない」ことを意識して調べることが必要です。
土地総合情報システムを利用する
土地総合情報システムとは、国土交通省が運営している不動産の価格情報サイトになります。
画像出典 国土交通省「土地総合情報システム」
土地を選択して対象地を絞ると、一覧が出てくるため、ある程度の相場を知ることはできます。
ただし、土地総合情報システムは、掲載されているデータ量が少ないため、事例が出てこないことも多いです。
不動産会社の無料査定を利用する
土地を売却する予定の人であれば、売る前に不動産会社の無料査定を利用することが可能です。
不動産会社の査定は売却予想価格であり、時価に相当します。
不動産会社による査定は、売却を目的とした人しか利用できないのが特徴です。
ただし、不動産会社が仲介の仕事を受注するための営業行為の一環として行うため、不動産会社の査定は必ず無料となります。
不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する
時価の評価は不動産鑑定士にも依頼することができます。
不動産鑑定士とは不動産の適正額を評価できる国家資格者のことです。
不動産鑑定士に依頼すると有料となりますが、売主以外の人でも利用できる点が特徴となります。
不動産鑑定評価書は、例えば税務署や裁判所への証拠資料や、買主による適正価格の調査等に用いられます。
地価公示または都道府県地価調査の調べ方
この章では地価公示または都道府県地価調査の調べ方について解説します。
地価公示または都道府県地価調査は、公益社団法人東京都不動産鑑定士協会が運営している「東京都の地価」で調べるのが便利です。
「東京都の地価」となっていますが、全国の地価公示と都道府県地価調査を調べることができます。
Googleマップと連動しており、所在地を入力すると対象地近隣の地価公示と都道府県地価調査が地図上に表示され、わかりやすくて便利です。
例えば、「東京都の地価」で宮城県の仙台駅周辺を調べてみると、以下のように表示されます。
画像出典 公益社団法人東京都不動産鑑定士協会「東京都の地価」
青字のポイントが地価公示の標準地で、赤字のポイントが都道府県地価調査の基準地となります。
仙台駅西側には「仙台青葉商1」という標準地があります。
地図上で標準地をクリックすると、以下のように概要や過去の価格推移が示されます。
画像出典 公益社団法人東京都不動産鑑定士協会「東京都の地価」
表の一番上に「国土交通省のページへのリンク」というリンクがあり、そこをクリックすると国土交通省の「標準地・基準地検索システム」に飛ぶようになっています。
新しい地価公示が公表された直後の3月頃は、「東京都の地価」には最新情報が反映されていないことがあります。
そのようなときは国土交通省の「標準地・基準地検索システム」を見れば最新の評価額を調べることができます。
画像出典 国土交通省「標準地・基準地検索システム」
国土交通省の「標準地・基準地検索システム」は最新情報が把握できるメリットはありますが、場所がどこなのか分かりにくい点がデメリットです。
よって、まずは「東京都の地価」で調べてから、最新情報が反映されていなければ国土交通省の「標準地・基準地検索システム」を利用するのが良いでしょう。
相続税評価額の調べ方
土地の相続税評価額は相続税路線価から計算して求めます。
相続税路線価は、国税庁の「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」で調べることが可能です。
「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」で自分の調べたい土地の住所を選択していくと、下図のような路線価図が出てきます。
路線価図には、例えば「560D」のような数値とアルファベットが記載されており、数値の部分が「千円単位の土地単価」となります。
「560D」と記載されていれば、相続税路線価は「560,000円/平米」ということです。
また、アルファベットは借地権割合を表しており、アパートのような収益物件の土地の相続税評価額を求める際に利用します。
土地の相続税評価額の求め方は、以下の通りです。
【全国路線価地域の土地の相続税評価額】
また、倍率地域では路線価図は表示されず、下図のような表示になります。
下図のような表示も出てこない地域も存在します。
倍率地域の相続税評価額は、土地の固定資産税評価額に倍率を乗じて求めます。
【倍率地域の土地の相続税評価額】
乗じる倍率は同じく「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」に載っており、該当する道路の倍率を調べて土地の固定資産税評価額に乗じます。
固定資産税評価額の調べ方
土地の固定資産税評価額の調べ方は、以下の3つの方法があります。
- 固定資産評価証明書を取得する
- 固定資産税納税通知書で調べる
- 全国地価マップで調べる
【固定資産評価証明書を取得する】
土地の所有者であれば、市区町村(東京23区は都税事務所)の窓口で固定資産評価証明書を取得できます。
固定資産評価証明書の取得費用は、一般的に300円程度です。
【固定資産税納税通知書で調べる】
土地の所有者であれば、市区町村(東京23区は都税事務所)から固定資産税の納税通知書が毎年送付されてきます。
納税通知書には、「評価額」または「価格」という欄に固定資産税評価額が記載されています。
固定資産税評価額だけを知りたければわざわざ固定資産評価証明書を取得する必要はなく、納税通知書だけで足ります。
【全国地価マップで調べる】
土地の所有者以外の人は全国地価マップで固定資産税評価額を調べることができます。
画像出典 一般財団法人資産評価システム研究センター「全国地価マップ」
全国地価マップでは、固定資産税路線価の他、相続税路線価や地価公示・都道府県地価調査も全て調べることが可能です。
「固定資産税路線価等」で自分の調べたい土地の住所を選択していくと、下図のような固定資産税路線価図が出てきます。
画像出典 一般財団法人資産評価システム研究センター「全国地価マップ」
固定資産税路線価の数値は「円/平米」です。
対象地の面積を乗じることで固定資産税評価額の概算額を求めることができます。
【固定資産税路線価がある場合】
また、固定資産税路線価が振られていない地域は、「状況類似地域」と呼ばれる中にある「標準宅地」の土地単価から固定資産税評価額を求めます。
画像出典 一般財団法人資産評価システム研究センター「全国地価マップ」
画面左の「状況類似地域(区)」をチェックすると、地図上がピンクになり状況類似地域が示されます。
対象地が含まれる状況類似地域に赤い丸印の標準宅地があり、その標準宅地をクリックすると単価が表示されます。
標準宅地の単価に面積を乗じることで、固定資産税評価額の概算額がわかります。
【固定資産税路線価がない場合】
マンションの土地評価額の調べ方
この章ではマンションの土地評価額の調べ方について解説します。
敷地権とは
マンションは土地と建物で構成されているため、マンション所有者は建物だけを所有しているのではなく、敷地を利用する権利を有しています。
敷地を利用する権利は、「所有権」または「借地権」であり、これらの権利のことを「敷地利用権」と呼びます。
マンションでは「建物所有権」と「敷地利用権」を別々に売却できない
本来、土地と建物は別個の不動産であるため、戸建てのような不動産であれば、「土地だけ」または「建物だけ」を売却することが可能です。
しかしながら、権利者数の多いマンションで「土地だけ」または「建物だけ」を自由に売買することを許してしまうと、権利が複雑化し収拾がつかなくなります。
そこで、マンションでは「建物所有権」と「敷地利用権」の分離処分(別々に売ること)ができない権利形態になっています。
建物と敷地利用権を分離して処分できなくなっている権利形態のこと「敷地権」と呼びます。
また、敷地利用権を建物と分離処分できない形にすることを、「敷地権化する」と呼びます。
- 敷地利用権:所有権や借地権のような敷地を利用する権利のこと
- 敷地権:建物と分離処分できなくなっている敷地利用権のこと
敷地権化されている敷地利用権と、敷地権化されていない敷地利用権の違いを概念的に表すと、下図の通りです。
ほとんどのマンションの敷地利用権は、所有権のタイプです。
土地の所有形態は共有状態であり、全体の土地を「敷地権の割合」の分だけ保有している形になります。
マンションの相続税評価額
マンションの相続税評価額は、基本的にマンション全体の土地の評価額に敷地権割合を乗じて求めます。
【マンションの土地の相続税評価額】
相続税路線価は「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」を用いて調べます。
角地のように二面以上の道路に接している場合は、一番高い相続税路線価の単価を使用します。
全体面積に関しては、マンションの登記簿謄本の「地積」の部分に記載されている数値を用います。
敷地権割合も「敷地権の割合」と書かれた部分の割合を使用します。
尚、厳密にマンションの土地の相続税評価額を求める場合には、敷地全体の土地の評価額で「奥行価格補正」や「側方路線影響加算」といった補正を行います。
補正を適正に行うには、専門的な知識と経験が必要であるため、簡単にはできません。
ただし、補正を行ったとしても、「相続税路線価×全体面積×敷地権割合」という計算式で求めた計算結果と大きく異ならないことが一般的です。
よって、概算額を把握するのであれば、マンションの土地の相続税評価額は「相続税路線価×全体面積×敷地権割合」で求める方法で十分といえます。
尚、相続税の発生が懸念される人は、最終的に税理士に相続税評価額を求めてもらうことをおすすめします。
マンションの固定資産税評価額
マンションにも土地の固定資産税評価額は存在します。
マンションの場合、土地の固定資産税評価額を知るには、ひと手間必要です。
一般的に多くの市区町村が発行する固定資産税納税通知書には、マンション敷地全体の固定資産税評価額が記載されています。
以下に、マンションの固定資産税納税通知書の例を示します。
固定資産税納税通知書には、「評価額」または「価格」といった欄に土地と建物の固定資産税評価額が記載されています。
建物の固定資産税評価額に関しては、そのままズバリの金額が建物評価額です。
一方で、土地の固定資産税評価額には非常に大きな金額が記載されていますが、この金額はマンション全体の土地の固定資産税評価額となります。
そのため、対象住戸の土地の固定資産税評価額を求めるには、全体の固定資産税評価額に敷地権割合を乗じる必要があります。
【マンションの土地の固定資産税評価額】
敷地権割合は、前節で紹介した登記簿謄本に記載されている「敷地権の割合」を用います。
土地を売却するなら不動産一括査定がおすすめ
最終的に土地を売る場合、売却前は不動産会社による無料査定が必要になります。
無料査定を依頼するなら、不動産一括査定サイトがおすすめです。
土地は個別性が強いため、査定する不動産会社によって査定価格に開きが出ることがよくあります。
土地を高く売るには、まずは高く査定してくれる不動産会社を探すことがコツです。
不動産一括査定サイトは、売りたい土地のある地域で土地売却の実績が豊富な不動産会社に自動で査定依頼ができます。
使い方も簡単で、しかも無料ですので、ぜひ利用してみてください。
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HOME4U不動産一括査定はNTTデータのグループ企業が運営する信頼性の高いサービスです。最大7社に無料でプランを請求できるので、土地活用を検討する際には大いに役立ちますよ。
まとめ
以上、土地の評価額の調べ方について解説してきました。
土地の評価額の種類には、「時価」と「地価公示」、「相続税評価額」、「固定資産税評価額」の4種類があります。
時価の調べ方には、「不動産ポータルサイトを利用する」、「土地総合情報システムを利用する」といった方法がありました。
地価公示または都道府県地価調査は「東京都の地価」、相続税評価額は「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」、固定資産税評価額は「全国地価マップ」で調べることが可能です。
最終的に土地を売却するなら不動産一括査定サイトを利用して査定を依頼することをおすすめします。土地の評価額の調べ方が分かったら、早速に自分の目的に合った評価額を調べてみましょう。