「中古マンションが売れないとき、どのタイミングで値下げしたらいいんだろう?」
「半年以内に中古マンションが売れないと、大幅に値下げしなければならなくなるって本当?」
そんな不安をお持ちではありませんか?
でも、大丈夫です。この記事を読めば、中古マンションの値下げのポイントや、買主からの値下げ交渉に対する対処法が分かります。
さらに、最小限の値下げで、できるだけ早く高く売る方法まで手に入ります。
興味がある方はぜひ、続きを読んでみてください!
中古マンションが売れない時の値下げ7つのポイント
中古マンションを売り出しても反応が鈍いようなら、そもそも売出し価格が相場より高すぎる可能性があるので、値下げしなければ売れないかもしれません。
しかし、具体的にどんなタイミングでどれぐらい値下げすればよいのか迷いますよね。そこで、できるだけ高く売却するための上手な値下げのコツを7つ紹介します。
- 3つの価格を決めておく
- 値下げのタイミングは3ヶ月ごと
- 売却期限の目標は半年以内
- 値下げ前に確認すべき3つのこと
- 値下げ幅は10%下げで
- 端数を効果的に使う
- 検索条件を意識した値付け
3つの価格を決めておく
不動産売却の際の価格戦略の基本は、まず売り出す前に「最低売却価格」「査定価格」「希望売却価格」の3種類の価格を決めておくことです。
それぞれの具体的な内容は下記の通り。
最低売却価格
「最低限この価格以上で売りたい」「この価格を下回るなら売る意味がない」という価格であり、相場的に「ここまで下げれば確実に売れる」価格でなければなりません。
査定価格
不動産業者が、取引事例法によって「この価格なら買い手がつくだろう」と査定した価格です。
希望売却価格
最低売却価格や査定価格を踏まえた上で、売り主が「この価格で売りたい」と考える希望価格です。
この3つの価格を決めた上で、売却までのタイムリミットなどを考慮して売出し価格を決めます。
時間に余裕があるなら「希望売却価格」を売出し価格にしてもよいでしょう。急ぎであれば、「査定価格」や「最低売却価格」に近い価格にしなければなりません。
もし、売却前にこの3つの価格を決めていなかったのであれば、今からでも価格設定をしておきましょう。値下げを検討する際の重要な指標になります。
価格設定の際には、これまでに売却にかけた時間や問い合わせ件数なども参考にしてください。
値下げのタイミングは3ヶ月ごと
おおよそ3ヶ月も経てば、潜在顧客のほとんどは一巡して、あなたの物件情報に目を通すはずです。
したがって3ヶ月経っても契約申し込みがなかったり、問い合わせが少ないようなら、不動産会社の販売活動に問題があるか、売出し価格が相場からズレていると考えたほうがよいでしょう。
また、専属専任媒介契約や専属媒介契約を結んでいる場合、3ヶ月で契約期限が到来しますので、不動産会社の変更や値下げをするには、ちょうどよいタイミングといえます。
売却期限の目標は半年以内
前項にて説明したとおり、3ヶ月が最初の値下げタイミングですが、半年経つと値下げ時期も2巡目となります。マンション売却のタイムリミットは、時間的に余裕があったとしても半年以内を目標にしましょう。
売却開始から半年を超えてしまうと「売れ残り物件」と認識され、「何か問題があるから売れないのでは?」と勘ぐられてしまいます。
そうなってしまうと、適正価格であってもなかなか売れなくなってしまいますので、一度リセットしなければなりません。
いったん販売活動をやめて、しばらく経ってから改めて値段を下げて売り出さなければならなくなるので、余計に時間もかかりますし成約価格も安くなりがちです。
このような事態を避けるためにも、あらかじめ半年以内に売却することを目標にしておきましょう。
値下げ前に確認すべき3つのこと
反響が鈍いからといって、必ずしも価格に原因があるとは限りません。価格以外にも原因がないか必ず確認しておきましょう。
確認すべきチェックポイントは3つあります。
- 広告活動
- 物件の状態
- 不動産会社とのコミュニケーション
それぞれについて詳しく解説します。
広告活動
担当の不動産会社が、以下のような活動をしっかり行っているか確認しましょう。
- スーモ等の網羅性の高い大手ポータルサイトに物件情報が掲載されているか
- 近隣へのポスティングチラシは行っているか
- 販売図面(マイソク)は写真などを使って物件の魅力をアピールできているか
- 近隣不動産会社へ物件情報を周知しているか
- レインズにも写真を掲載して、他の不動産会社に物件の魅力を周知しているか
物件の状態
問い合わせがあっても成約しない場合は、物件に問題がある可能性もあります。以下の点を確認しておきましょう。
- 室内(特にリビングルームや水周り)は清潔な状態か
- 照明の電球切れはないか、新しいものに交換されているか
- ペットや家庭の臭いなどが残っていないか
不動産会社とのコミュニケーション
不動産会社とのコミュニケーションに問題があるかもしれません。以下の点を確認してみてください。
- これまでの価格で成約しなかった理由について具体的に説明しているか
- 競合物件の状況を聞いているか
- 周辺のマーケットについて常に調査しているか
- 当初の売却戦略と現状の相違点について説明できているか
以上の点をチェックして不動産会社に問題があるようでしたら、契約が切れる3ヶ月のタイミングで切り替えを検討しましょう。
なお、実際に不動産会社の切り替えを決断するなら、契約後3ヶ月の時点から検討し始めては遅すぎます。次の不動産会社と契約して販売活動を始めるまでにタイムラグが生じてしまうからです。
したがって、反響が芳しくないようなら、2ヶ月を過ぎた頃から次の不動産会社選びを始める必要があります。
値下げ幅は10%下げで
値下げするのが惜しいからといって、数十万円程度の小刻みな値下げをしても、購入希望者の目に留まらないので意味がありません。むしろ「もうすこし待てば、もっと下がるかも」と思われて、逆効果になってしまうことすらあります。
しかし、価格が10%下がれば、既存の購入希望者の検討範囲に入ってきますし、新しい購入希望者の予算範囲に収まる可能性が高まります。
一気に買い手の幅が広がるので、値下げ幅は原則10%で検討しましょう。
端数を効果的に使う
10%幅での値下げを検討したら、次は端数を調整します。
ディスカウントストアやTVショッピングなどでは、「イチ・キュッ・パ(1,980円など)」や「サン・キュッ・パ(3万9,800円など)」といった価格を目にする機会が多いですよね。
端数価格効果といって、端数を「8」や「9」にすると、消費者に割安感を与え、購入意欲をそそることが心理学で立証されています。
末尾に「8」や「9」がつくと安く感じる人間の心理は、不動産の売却においても変わりません。不動産会社と相談の上、端数を効果的に使った値付けをしましょう。
検索条件を意識した値付け
購入希望者は、スーモやHOME’Sといった網羅性の高いポータルサイトから物件を探すケースが少なくありません。その際には、検索条件に物件価格帯を入れて検索しますが、多くのポータルサイトでは500万円単位で条件が設定されています。
そのため、たとえば2480万円と2520万円とでは、価格差が40万円しかないにもかかわらず、このように検索条件によって見え方がまったく違ってしまうのです。
売却価格 | 2,480万円 | 2,520万円 |
---|---|---|
3,000万円以下で検索 | 表示される | 表示される |
2,500万円以下で検索 | 表示される | 表示されない |
したがって、3,580万円であれば3,480万円へ、2,100万円であれば1,980万円へと500万円の単位に気をつけて、価格帯が変化するように値下げしましょう。
買主からの値引き交渉への対応3つのポイント
これまでは、売出し価格を値下げする方法に関して解説してきましたが、買主から値引き交渉が入ったときの考え方はまったく異なります。
値引き交渉に対してどのような対応をするべきか、以下に3つのポイントを紹介します。
- 値引きに応じるかどうかの見極め方
- 値引きを容認するなら歩み寄る姿勢を示す
- 買主の購入熱が冷めないうちに成約する
値引きに応じるかどうかの見極め方
通常、買主からの値引き交渉は買付証明書(購入申込書)の提出と同時に、不動産仲介業者を通じて行われます。その額は、たとえば「1,850万円の端数(50万円)を切ってください」程度の小さいものであることが一般的です。
ただし、なかには大きな値下げを要求してくるケースもあるので、値引きに応じるかどうかは以下2点を確認して判断してください。
- 売却開始からの期間
- これまでの問い合わせや内覧の件数
売却開始からの期間
売却開始から2週間程度で100万円値下げの買付が入ったような場合は、満額で買付が入る可能性があります。もう少し様子を見るか、その購入希望者に買い上がってもらえるような交渉をしてみるとよいでしょう。
いっぽう、価格を下げることなく4ヶ月以上経ってから100万円値下げの買付が入ったといったケースでは、値引きに応じることも検討するべきでしょう。
これまでの問い合わせや内覧の件数
もし、内覧があるのに成約しないというケースが多いようなら、価格以外に原因があるかもしれません。その原因がわかれば、「それでも構わない」という買主を待つか、その分値下げするべきかを判断する必要があります。
このように、事前の価格戦略と売却開始からの期間、実際の問い合わせ件数や内覧者数などを総合的に検討し、対応するとよいでしょう。
値引きを容認するなら歩み寄る姿勢を示す
買主のほとんどが住宅ローンを利用するので、数十万円程度の値下げに応じないからといって、すぐに「もう買うのをやめた」とはなりません。
したがって、売主としては強気な交渉も可能ですが、あまりに上から目線の対応もいただけません。とはいえ、少しでも高く売りたいですよね。
このような場合、値引きに応じる姿勢を見せつつ、買主がどれくらいまで買い上がれるのか確認するとよいでしょう。
「こちらも歩み寄る姿勢を取るので、あなたも歩み寄ってほしい」という姿勢を見せて、買主がMAXでどのくらいまで出せるのか提案してもらうのです。
それと同時に、提案された価格でのシミュレーションも行っておきます。その価格で売却した場合に資金計画に悪影響は出ないか、引渡し条件に問題はないのか、スケジュール的には大丈夫か、などです。
買主の購入熱が冷めないうちに成約する
「鉄は熱いうちに打て」といいますが、不動産の売却も同じです。買主の購入熱が冷めないうちに、上手にお互いが歩み寄った価格で売却しましょう。
また、買付証明書(購入申込書)には価格のみならず、引渡し時期や決済条件に関しての希望も記載されていますので、その内容についてもよく確認しておいてください。
効果的な値下げで「売れないマンション」を「売れるマンション」に!
売出し価格の値下げと、買主からの値引き交渉に対する対応は、基本的に異なりますが、いずれも事前にしっかり価格戦略ができていれば迷うことはありません。
3ヶ月を目安に、値下げ幅は10%、端数を使い、検索条件を考慮した値付けを行う、といったことに注意して、値下げの効果を最大限に発揮できるようにしてください。
また、3ヶ月という値下げのタイミングは不動産会社変更のタイミングでもあります。
不動産業者に問題があるようでしたら、HOME4U不動産売却のような一括査定サイトを利用して、契約が切れる前にできるだけ早く次の業者の目処をつけておきましょう。
以上、中古マンションが売れない時、値下げ幅を抑えて売却する10の秘訣…でした。
参考リンク しっかりした価格戦略を作ってくれる不動産業者をパートナーにしたい…という方は下記記事も参考に。一括査定サイトを利用すると、複数の業者を比較できるので、より優良な業者が見つけやすくなりますよ。