「土地を有効活用したいが、できるだけリスクは取りたくない」
「失敗しても損失を最小限に抑えられるような土地活用にはどんなものがあるんだろう?」
土地活用で資産運用に成功する人もいれば、失敗して自己破産にまで追い込まれてしまう人もいます。安定した生活を求めるなら、あまりリスクは取りたくありませんよね。
そこで今回は、比較的リスクの少ない土地活用を4つ紹介します。
土地活用における9つのリスク
はじめに、「そもそも土地活用におけるリスクとは何か?」を解説します。
その点を理解していないと、リスクを抑える方法も分かりませんよね。
土地活用のリスクとしては、このようなものがあります。
- 空室リスク
- 金利上昇
- 家賃の下落
- 建設時の近隣トラブル
- 入居者トラブル
- 周辺環境の変化
- 火災や自然災害
- 税制等の法改正
- 流動性の低さ
それぞれ詳しく解説していきます。
空室リスク
とりわけ賃貸経営では空室は大きなリスクになります。
部屋が空室の期間は、そこからの収入はゼロですが、アパートなどの建築の際に融資を受けている場合、毎月のローンを返済しなければなりません。
固定資産税などの税金も、空室のあるなしにかかわらず支払う必要があります。
1~2ヶ月くらいの空室なら耐えられるでしょうが、空室が長期間続くと収入より支出のほうが多くなり、完全な赤字経営となってしまうかもしれません。
金利上昇
金融機関から融資を受けてアパート建築などを行う場合、変動金利で借りるケースが多いでしょう。
変動金利で融資を受けると、ほんの0コンマ数パーセント金利が上昇しただけで返済総額が大きく膨らんでしまうことは珍しくありません。
現在は未曾有の低金利ですが、将来的に金利が上昇する可能性は十分にあります。
そうなると、収支バランスが崩れて赤字経営に転落してしまうかもしれません。
家賃の下落
建物の経年劣化や競合する新築アパート等の出現により、年々家賃を下げていかなければ空室を埋めることができなくなってきます。
築年数を経るごとに、家賃収入は減っていくと思っておいたほうがよいでしょう。
建設時の近隣トラブル
土地活用において建物を建築するときには、このような近隣トラブルが起きる可能性があります。
- 工事の騒音に対するクレーム
- 工事車両の出入りに対するクレーム
- 隣人が納得してくれず境界確定が難航する
このようなトラブルが起きると近隣との関係が悪化してしまい、そこを借りる人も住みづらくなってしまいます。
そうすると、いずれは入居率の低下を招き、空室リスクを高めることにつながってしまいます。
入居者トラブル
賃貸物件の入居者との間に、このようなトラブルが起きる可能性があります。
- 家賃滞納
- 犯罪被害
- 住人同士のトラブル
- 立ち退き問題
賃貸経営に関係の深い借地借家法は賃借人に有利にできています。
そのため、入居者に問題があったとしても、強制的に追い出すことは容易ではありません。
参考 賃貸経営において入居者を退去させるのは非常に難しく、立ち退き料などのコストを負担しなければならないケースが少なくありません。詳しくは下記記事をご確認ください。
のちのちのトラブル防止のためには、まず入居審査をしっかり行うことが重要です。
周辺環境の変化
たとえば、目の前に大きな建物が建ってしまったり、嫌悪施設が近隣にできてしまうかもしれません。周辺に同じような賃貸物件が増えたら、供給過多になってしまいます。
このようなネガティブな変化は、空室率の上昇や家賃下落につながってしまいます。経営を左右する周辺環境の変化は、必ずしも建築時に予想できるとは限らないのです。
火災や自然災害
不動産は実物資産です。地震や台風などの自然災害、火災などの予期せぬ被害を受ける可能性から逃れられません。
建物の構造やエリア特性などを考慮して、保険に加入するといったリスク対策が必要になるでしょう。
税制等の法改正
法律はその時期の状況に応じて変わります。とりわけ税制は毎年変化しており、「一時的な軽減措置」も少なくありません。
このような時限措置は延長されることもあれば、予定通りに適用が終わることもあります。
さらに、社会保障支出の増大や経済成長の鈍化といった要因から、今後は大増税時代が来ると予想されます。
土地活用と関わりの深い所得税や固定資産税、相続税といった税金が上がる可能性も、考慮しておく必要があるでしょう。
参考 なお、2019年に消費税が10%に増税される予定ですが、不動産市場にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。詳しくは下記記事にて解説していますので、ぜひご確認ください。
流動性の低さ
不動産はきわめて現金化しにくい資産です。更地の状態であったとしても、立地等の条件によっては売却まで1年近くかかることも珍しくありません。
急に現金が必要になっても、1~2週間で現金化するのはほぼ不可能でしょう。
流動性の低さは不動産の大きなデメリットであり、株や投資信託といった金融資産とは大きく異なる点です。
リスクの少ない4つの土地活用
これまで説明したとおり、土地活用にはさまざまなリスクがあります。では、できるだけリスクを取りたくないなら、どのような土地活用を選べばよいのでしょうか?
比較的リスクの少ない土地活用としては、以下のようなものがあります。
- 駐車場
- 定期借地
- 自己使用
- 売却
それぞれ詳しく解説していきます。
駐車場
駐車場のメリットは初期投資が小さくてすむことです。立体駐車場やタワー式駐車場は別ですが、月極駐車場やコインパーキングのように平地のまま駐車場にするなら建築費は不要です。
月極駐車場なら、区画を区切るだけでかんたんに始められます。駐車場利用者の募集や契約手続きも、不動産会社に任せてしまえば、ほとんど手間がかかりません。コインパーキングも専門業者に依頼すれば、初期費用は不要です。
また、アパートや戸建ての賃貸物件のように駅近でなくても、駐車場の需要さえあれば利用者を集められます。立地条件がゆるい点も土地所有者にとっては嬉しい要素でしょう。
しかし、収益性は低く、税制優遇がないといったデメリットもあります。「土地は手放したくないが、リスクは取りたくない」という人には向いています。
参考 下記記事では、土地活用としての駐車場経営のメリットとデメリットを、さらに詳しく解説しています。
定期借地
定期借地とは、期間を定めて土地を貸すことです。普通借地では、そこに建物を建てて人が住み続けるかぎり、借地契約は更新されつづけます。いっぽう、定期借地であれば、期間が満了すれば必ず土地は戻ってきます。
土地を貸すだけで、実際にその土地を活用するのは借地人です。自分で直接活用するわけではありません。したがって、初期投資を一切かけずに、毎年決まった地代収入を得ることができます。
ただし、土地を貸すだけなのでアパマン経営などに比べると収益性は低く、貸した土地は数十年という長期にわたって返ってきません。
自己使用
そこに自分で住むのであれば、空室や家賃下落といったリスクはありません。
ただし、以下のようなリスクは残ります。
- 固定資産税や都市計画税の支払い
- 物件価値の下落
- 流動性の低さ
土地や建物を所有し続けるため、毎年継続的に税金がかかります。
居住中に不動産価格が落ちていくリスクからは逃れられませんし、流動性の低さも依然として残ります。
リスクが小さいとはいえ、自己使用は土地活用としては消極的な選択肢といえるでしょう。
売却
売却も土地活用の選択肢のひとつです。
売却には、このようなメリットがあります。
- 現金を自由に使える
- 毎年継続的な税金がかからない
- 相続時も楽で争いが起きにくい
売却すれば、その不動産での土地活用はできなくなりますが、いったん現金化することで株や投資信託といった金融商品での運用も可能になりますし、他の不動産に買い替えたり、貯蓄に回すこともできるようになります。
また、売却して所有権を失えば、毎年、固定資産税や都市計画税を払う必要がなくなります。
さらに、現金化しておけば、分割が容易なので遺族間の争いが起きにくいといったメリットがあります。
いっぽう、不動産のまま相続されると共同名義になってしまうので、名義人全員が同意しないと売買できなくなり、遺された家族の争いの種になりかねません。
ただ、たとえば先祖代々受け継いだ土地などの場合、手放すのは抵抗があるかもしれません。いちど売却してしまうと買い戻すのは難しいので、その点はよく考慮したほうがよいでしょう。
土地活ナビには、不動産売却に関するお役立ち記事もたくさんあります。お持ちの家や土地を売りたいとお考えの方は、ぜひ不動産売却の基本をご確認ください。
リスクの少ない土地活用は低成長時代に向いています
基本的に、リスクの少ない土地活用は収益性も低くなります。いわゆるローリスク・ローリターンですね。大きなリターンを狙うなら、やはり思い切った初期投資が必要でしょう。
とはいえ、経済成長が右肩上がりの時代はともかく、現在の日本社会は人口減少まっただ中の低成長時代に突入しています。
よほど不動産事情に精通しているならともかく、多くの方にとっては堅実な土地活用のほうが望ましいといえるでしょう。
今回紹介した4つの土地活用の特徴を踏まえて、あなたにとって最適な選択肢を選んでください。
以上、リスクの少ない土地活用4選 !・・・でした。
参考 もうすこしリスクがあってもいいので、他の土地活用も知りたい…という方は下記記事も参考に。太陽光発電や戸建賃貸、土地信託など、他の土地活用に関しても、リスクや収益性などの面から比較検証しています。
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