底地をできるだけ高値で売却する5つの方法

底地をできるだけ高値で売却する5つの方法

「底地を保有していることが資産運用や相続対策として適切なのか」という疑問や不安を感じてはいませんか?

地主と借地人は利益相反の関係にあり、デリケートな問題やトラブルを抱えているケースも少なくないので、課題解決についてなかなか取り組みにくいでしょう。

今回は、そのような地主の方々や底地を相続してしまった・する予定である方々に向けて、底地を所有するメリット・デメリット、底地の売却相場や売却方法について解説します。

底地とは?

底地とは、借地権が付いている土地のことをいいます。

土地所有者である地主は、その土地(底地)を第三者(借地人・借地権者)に貸して地代収入を得ます。ちなみに、借地権とは自己所有の建物を建てるために土地を利用する権利のこといいます。


<底地権と借地権のイメージ図>
底地権と借地権のイメージ図


つまり、底地の所有者は地主ではありますが、地主自身が底地を自由に利用することはできません。

底地を所有することのメリットとデメリット

次に、底地を所有するメリット・デメリットについて確認してみましょう。

底地を所有する4つのメリット

底地を所有するメリットとしては、このようなものがあります。

  • 安定した地代収入がある
  • 名義変更料や契約更新料、建替承諾料などの一時収入が見込める
  • 更地と比較すれば固定資産税が軽減される
  • メンテナンスや管理の手間やコストがかからない

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

安定した地代収入がある

借地人との土地賃貸借契約期間中、地代収入を得ることができます。
地代は滞納リスクが低いため、安定的に継続して収入が得られることが特徴です。

名義変更料や契約更新料、建替承諾料などの一時収入が見込める

地主は、地代収入の他にも一時収入が得られるメリットがあります。

主な一時収入は、借地人が借地権を譲渡する際の「名義変更料」、借地人との土地賃貸借契約を更新する際の「契約更新料」、借地人が建物を建て替える際の「建替承諾料」などがあります。

それぞれの費用の目安は、下表の通りです。


<各種承諾料等の目安>

種類目安
名義変更料借地権価格×10%
契約更新料借地権価格×5~10%
建替承諾料更地価格×3~5%


なお、これらの各種承諾料等は、実際は地主・借地人の当事者間で協議して決定します。法的に定められた基準や算定方法はなく、地域性や商習慣によっても変動するため、あくまでも目安として考えてください。

更地と比較すれば固定資産税が軽減される

底地と更地を比較した場合、固定資産税の軽減が図れるというメリットがあります。

更地は土地上に建物がありませんが、底地の場合は借地権者が住宅を建てていれば「住宅用地の特例」により、固定資産税・都市計画税の軽減が受けられます。

「住宅用地の特例」の適用を受ける場合には、土地所有者と建物所有者が相違していても問題なく、建物に対する固定資産税・都市計画税は、建物所有者である借地人に課税されます。

メンテナンスや管理の手間やコストがかからない

借地の場合は借家や賃貸アパートなどと違い、建物を借地人が自己の責任と負担により建てます。つまり、地主所有の建物ではないため、建物のメンテナンス費用負担はありません。

また、入居者募集や原状回復費用などの管理運営コストも必要なく、土地を貸しているだけですので手間もかかりません。

底地を所有する7つのデメリット

いっぽう、底地を所有するデメリットとしては、このようなものがあります。

  • 収益性が低い
  • 市場での流動性が低い
  • 自己使用できない
  • 担保価値が低い
  • 地代の値上げが難しい
  • 収益性に対して相続税評価額が高い
  • 借地人とトラブルになりやすい

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

収益性が低い

底地の土地の価値に対する運用利回りと一般的な投資商品と比較すると、底地による地代収入は収益性が非常に低いといえます。

市場での流動性が低い

底地を単独で売却しようと思っても、買い手を見つけることは困難です。

買い手が自由に利用できない土地であり、投資として考えても収益性が低いためです。そのため、市場での流動性が低く、現金化は簡単ではありません。

自己使用できない

底地は、土地として借地人に貸しているため、自己使用することができません。

担保価値が低い

底地は、土地上に借地権という権利が付着しているため、担保としても価値が低くなります。とくに、金融機関は底地に対しての評価をゼロとしているため、底地を担保に融資を受けることはできません。

地代の値上げが難しい

土地賃貸借契約の締結後、20年から30年スパンで訪れる契約更新のタイミングにおいて、地代の値上げを実現することが難しいのか実状です。

収益性に対して相続税評価額が高い

相続などの場合に財産評価をする際、底地は貸宅地として評価されます。
貸宅地の評価は、自用地評価額(更地評価額)を借地権割合により、底地権者(地主)と借地権者(借地人)で分割して評価額を算定します。

この評価額によって相続税や贈与税が課税され、地代収入に対して評価額が高いということがいえます。

借地人とトラブルになりやすい

地代の値上げ、契約更新料や建替承諾料など、経済的な交渉を行う場合に、借地人とトラブルになることがよくあります。
係争(裁判)に発展するケースも珍しくありません。

底地の相続税評価額

前述の通り、底地の相続税評価額は、貸宅地としての評価額となります。


<貸宅地および借地権の評価のイメージ図>
貸宅地および借地権の評価のイメージ図


底地の相続税評価額について確認する前に、借地権割について簡単に説明しておきます。

借地権割合とは、土地全体の権利のうち、借地権設定により借地人側に移動した権利の割合のことをいい、国税庁が運営する「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」というサイトで確認することができます。


<路線価図での借地権割の表示>
路線価図での借地権割の表示


上の図は「「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」の事例ですが、路線価を表す数字の末尾に記載されているアルファベットが借地権割合を示しています。

借地権割合は百分率で表され、100%から借地権割合を差し引いた割合が、底地の権利の割合となります。


それでは、底地の相続税評価額を上の図のケースで考えてみましょう。

自用地評価額(更地評価額)が3,000万円・借地権割合60%ですので、借地権の評価額は下記の計算式で求められます。

借地権の評価額=3,000万円×60%=1,800万円

次に、底地の評価額は下記の通りです。

底地の評価額=3,000万円×(1-60%)=1,200万円

このように、底地の相続税評価額は借地権割合によって大きく変わってくることがわかりますが、一般的に土地の価格や利用価値が高い大都市は、地方都市と比較して借地権割合が高くなる傾向があります。

底地の売却相場

底地を第三者へ売却することは可能ですが、「底地を所有することのメリットとデメリット」の章でも説明した通り、底地を購入した第三者がその土地を利用することはできないため、買い手を探すことが非常に困難です。

そのため、底地を単独で売却する場合、プロである不動産業者に買い取ってもらうことがほとんどであり、底地のリスクや低収益性を反映して買取価格も非常に低くなってしまいます。

具体的には、底地を不動産業者に買い取ってもらう場合の買取価格の目安は、更地価格の10~15%程度となります。

例えば、更地としての相場価格が3,000万円の土地であっても、借地権が付着している底地の買取価格は300~450万円ということになります。

底地をできるだけ高値で売却する5つの方法

前章で底地の売却相場について説明しましたが、底地をできるだけ高値で売却する方法はないのでしょうか。

考えられる方法としては、このようなものがあります。

  • 借地人に底地を売却する
  • 底地の一部と借地権の一部を等価交換する
  • 底地と借地権を共同売却する
  • 借地権を買い取って第三者へ売却
  • 買取業者に売却

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

借地人に底地を売却する

土地を借りる権利を持っている借地人に、底地を買い取ってもらう方法です。
最も一般的な方法ですが、底地の売却価格を高くすることができ、借地人にもメリットがある方法です。

借地人が底地を取得すれば、地代を支払い続ける必要がなくなりますし、契約更新料や建替承諾料などの一時金を支払う必要もなくなります。

なおかつ、底地権と借地権が一体になることで完全なる所有権となり、金融機関の担保評価も高くなり融資を受けやすくなります。

この場合の売却価格の目安は、更地価格の40~50%程度といわれていますが、個別的要因や経済事情などによりケース・バイ・ケースでなり、あくまでも目安として考えてください。

底地の一部と借地権の一部を等価交換する

地主が所有する底地の一部と、借地人が所有している借地権の一部を等価交換し、それぞれが単独で土地を所有権で所有する方法です。


<底地の一部と借地権の一部の等価交換イメージ>
底地の一部と借地権の一部の等価交換イメージ


地主として所有していた底地の土地面積より小さくなりますが、借地権の付着していない完全な所有権の土地が残るため、自分で使用することも可能ですし、売却する場合でも流動性が非常に高くなります。

なお、借地人と等価交換する際の割合については、借地権割合を基軸に交渉するケースが一般的です。

底地と借地権を共同売却する

借地人が借地権を売却する場合に、借地権単独で売却するよりは底地とセットで完全な所有権として売却した方が売却価格も高くなり、流動性も高まります。

このため、地主と借地人が協力して底地と借地権を共同売却するとよいでしょう。

借地権の契約更新時や借地人に相続が発生した時など、借地人が売却を検討するタイミングといえます。

また、共同売却した場合の売却代金の按分については、借地権割合で按分するケースが一般的ですが、双方の協議により変動することもあります。


借地人も借地権を売却したいと考えているケースは少なくありません。借地人の立場から見た売却の考え方に関しては、下記記事にて詳しく解説しています。

借地人が借地権付き建物を売却するには、借地権を地主に売却、地主と共同で同時売却、地主と等価交換して売却、底地を買い取ってまとめて売却、借地権を単独で第三者に売却と、大きく5つの方法があります。とくに単独で売却する場合は評価額より安くなりがちなので要注意です。

借地権を買い取って第三者へ売却

借地人が老朽化した建物を建て替えたいと考えたとしても、地主へ高額な承諾料が必要となり、その資金を金融機関からの借入れで調達することは非常に困難です。

建替のほかに、増改築や借地権の売却を検討する場合も同様に承諾料が必要となります。

こうした場合、借地人にとって地主に借地権を買い取ってもらうことが一番有効な方法となりますので、借地人から相談があれば積極的に借地権を買い取って、完全な所有権に権利形態を変えましょう。

万一、買取資金がない場合は、底地と借地権を共同で売却するとよいでしょう。

買取業者に売却

なにより、すぐに底地を売却して現金化したい場合は、不動産業者の中でも底地の買い取りを専門にした買取業者に相談するとよいでしょう。

ただし、前述の通り、買取価格は更地価格の10~15%程度となることがありますので、あらかじめよく検討してください。

底地を賢く高く売却にはパートナー選びが大切

底地は単独で売却することが難しく、たとえ売却できたとしても安値での買い取りになってしまいます。

それでも売却を検討する場合には、少しでも高値で売却する方法を検証して、賢く高い底地の売却を実現してください。

そのためには、相続に強みを持つ税理士や、底地の売却実績やノウハウのある不動産業者をパートナーとすることが大切です。

以上、底地をできるだけ高値で売却する5つの方法…でした。


参考リンク:

底地の売却が得意な不動産業者を探したい…という方は下記記事も参考に。一括査定サイトを利用すると、そのような業者が見つかる可能性も高くなりますよ。

どの不動産一括査定サービスを選べばよいか迷っていませんか?本記事では、マンション専門サイトや、再建築不可、借地権などに強いサイト、山林・農地・工場に対応しているサイト等を紹介しています。不動産一括査定サービスの選び方を知りたい方は必見です。

⇒ ワケあり物件に強い無料一括査定サービスを見てみる